クラブ活動

器楽部

2019/10/28

第43回太夫浜コンサートを開催いたしました。

第43回太夫浜コンサートを開催いたしました。

 

 去る10月25日、本校チャペルにて私たち器楽部の定期演奏会、太夫浜コンサートを行いました。お足元の悪い中、多くの方々にご来場いただきました。

 まず、お礼を申し上げたい方々が、たくさん。プロフェッショナルステージで共演してくださいました外山昭彦さん、宮澤裕行さん、マーク・マリンさん、ゲストバンドとして出演してくださいましたJump for Joyの皆さま、そして弾丸スケジュールの中、前日までクリニックをしてくださいました吉田治さん、心より感謝申し上げます。

 

jazz_hornets これだから、やめられないのです。一緒に泣いて笑って刺激し合える存在がすぐ側にあること、好きなことに全力で没頭できる環境があること、私たちを理解し熱く「本物」を伝えてくださる方がいること、そしてようやく作り出されたものに愛情を注ぎ「いいね」「泣きました」と言葉にして届けてくださる方がいること。こうして私たちJazz Hornetsに与えられた恵みを改めて言葉にしてみると、じわじわと指の先まで温かいものが満ち満ちていくような感覚になります。だからやめられないのです、はまってしまうのです。

 息を切らして階段を駆け上がる「やったぁ、前進!」それなのに、顔を上げれば前にどこかで見たような景色「あれ?ここって前にも通った道じゃない?」そして足元に視線を落とすと、今度はどれくらい先まで続いているかも分からない、曲がりくねった長い階段が続いているのが見えます。谷川俊太郎作「生きる」を思い出しました。ここでうたわれる全てをやり尽くしてきたようにも思います。私たちは新潟市の端っこにある小さな高校の、たくさんあるうちの一つの部活動「器楽部」での活動を通して「生きて」きたのです。ぐるぐるぐるぐる。上手くなったと思ったら、また課題が出てきて・・・。エッシャーのだまし絵の中に迷い込んだような、そんな感覚を持ったまま、とにかく走ることをやめなかった1年間でした。

 

りさ

 私たちのモナリザです。私服のセンスは独特ですが、りさだから「なんかいいかも」そう思わせる人を惹きつける魅力があります。おっとりしたサックスパートの3年生と練習中に寝てしまう後輩に囲まれていました。悲しくても涙は見せませんが、悔しいと「ムカつく!」と怒りながら号泣します。そして、泣き止むと、すぐに一人練習を始めます。彼女は途中入部ですが、そんなことを全く感じさせない素晴らしいリードアルトに成長し、大会では個人賞もいただきました。

 

ゆうちゃん

 私たちの広瀬すずです。彼女が1年生のときのことです。教務室で仕事をしていると「先生!1年生の子が廊下で大泣きしてるよ」と、呼ばれました。行ってみると、ポッキリ折れたサックスのパーツを抱え、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして号泣するゆうちゃんの姿が。そんな彼女も3年生になって念願の大会出場を果たしました。努力の賜物です。素晴らしいダンス指導の技術も持っています。プロのインストラクターか何かのように、自身も踊りながら難しい動きを的確に言葉にしていきます。今年のダンス曲のダンス隊長でもありました。

 

吉田

 私たちの、吉田です。ジャンプは時々金曜に出るから気をつけろ、というような謎のメッセージが書かれたTシャツをよく着ます。1年生にロックな親友がいます。誰もがついつい口ずさんでしまう、キャッチーでありながらアバンギャルドなソロを吹きます。一番、文句も不満も言わずにコツコツと3年間部活に励んできました。大学に行ってもジャズを続けてくれるそうです。時々遊びにきてロックな親友のご指導、お願いしますね。

 

ゆうか

 私たちのゆうかです。私のランチレポートへの出没率がかなり高いです。勝手に書いておいてなんだけど、ありがとう。激しく主張はしません。それでも、大事にしているものをきちんともっています。ジャズバンドなのに、まさかのロックンローラーが後輩としてやってきた時も動じませんでした。今日のSophisticated Ladyのソロに、ちょいちょいと小出しにしてきたけど、これまで出しきれていなかった彼女の魅力の全てがギュギュッと詰められ、表現されていました。素敵なソロでした。私たちの癒しです。

 

後藤

 この3年間、廊下で私の名前を呼んでくれた回数の多さ、ダントツ1位です。振り返ると満面の笑みでこちらを見る後藤の姿が。でも、そのあとに大事な用事があったことがあまりありません。ザ、後藤。な愛情表現です。そんな彼女ですが、この夏は苦しい思いもたくさんしました。突然大役を担うことになり、悔し涙も流しました。でも、すぐに復活!なんだかんだ言ってみんなに愛されています。

 

ゆうは

 私たちの部室の鍵の番人です。なぜなら、彼女が一番にやってきて一番に練習を始めるから。トランペット隊の母でもあります。心の中では本当に悔しい思いを抱えていたと思いますが、いつも受け入れ態勢で、ここまでトランペット隊を引っ張ってきてくれました。その分、たくさんたくさんひとりで考えて、悩んでくれていたのだと思います。今日は憧れのPerdidoのソロを見事に吹ききりました。なんだか、涙が出ちゃうソロでしたね。

 

 

ゆうま

 おかえり、ゆうま。長い迷走期間がありました。学校の廊下ですれ違うたびに、リュックで顔だけを隠して目を合わせてもらえなかったり、「わー」っと叫びながら早足で逃げたり、隣にいる友人の影にさっと隠れたり。紆余曲折。でも、やっぱりこのバンドにはあなたが必要です。こうして今日一緒にステージに立てていること、感慨深いです。きみのハイトーン、アブーは最高でした。

 

はな

 パンフレットにもありますが、1年生のときは部活を休みます、と私に報告にくるだけで泣いていました。今ではこうして笑い話にできるようにまでになりました。彼女の世界観があふれるパンフレットのトロンボーンページ、ご覧になりましたでしょうか。恋愛シュミレーションゲームの設定だそうです。お楽しみください。今日は入部当時第一希望だったピアノも披露してくれました。

 

じもん

 いい奴です。三条新聞に器楽部での活動を特集記事として取り上げられた三条市のヒーローです。いい奴なんです。その穏やかさ、優しさが音に表れます。本当にいい奴なんです。同時に、この夏はそのことで壁にもぶち当たりましたが、自らその壁に立ち向かうことを決めました。そして、ぶち破りました。

 

吉岡

 言葉ではなく、ベースの音と視線で人にものを伝えることができます。こんなに細いのにでっかいからあげ定食を完食できます。ベースを弾くときの立ち姿は、大地からパワーを受けて立つ大木のようでもあります。一見クールにも見えますが、ランチに芋が出たとき、ベースの練習で指の皮が剥けたとき、妙にテンションがあがるかわいさももっています。今日も変わらず、ぶんぶん言わせていました。

 

ひなた

 私たちの歌姫です。姫ではあるのですが、どちらかというと、南の島のビーチを裸足で駆け回る系の歌姫です。つまりは、モアナです。もっているものを器楽部のためにたくさん用いてきてくれました。本日のパンフレットの表紙も彼女の作品です。大会では審査員を泣かせるトロンボーンソロと歌で個人賞をいただきました。全校生徒の前で表彰という大事な場面で、私はこのタイトルを噛みまくりました。(さぁ、みんなで10回言ってみよう「ベストミセレニアスソロイスト!」)この1年間、本当に私を支えてくれた我らが部長です。

 

 取り巻く環境の大きな変化に影響を受け、心も揺さぶられた50thバンドですが、自分たちで考え、大変よく練習し、泣き、笑い、怒り、swingする頼もしい3年生に率いられたバンドでした。終わりのないものに挑み続ける者でありたい、改めてそう思わせてくれる愛すべき3年生です。

 

 部長から「たゆこんは、3年生引退の大事なコンサートだけど、ここで終わるなんて、ない。ゴールではない。その先を見据えたたゆこんのテーマがいいな」こんな言葉がでてきました。ということで今年のテーマはReady Set Go。ちょっと心が震えました。過程を大事にする敬和学園です。そうやって生きた者に、神さまは一瞬かもしれないけど確かにきらめきを放つチャンスを与えてくれるのでしょうか。