クラブ活動

混声合唱部

2019/10/01

<混声合唱部> 関東大会報告 時代を超えた祈りの世界

 混声合唱部は9月21日(土)、宇都宮文化会館で行われた第74回全日本合唱コンクール関東支部大会において銀賞を受賞しました。

 

 人間にはどんなに努力を重ねても、最後は祈るしかないという瞬間があります。人智を超えた存在に運命を託し、希望を待つ。そんな時人間の無力さと、ああ、人間は生まれる瞬間から受動の存在なのだ、と思わされるのです。

seigaku0930 今回演奏した課題曲、自由曲ともに宗教曲であり、どちらも「待つことの祈り」が大きな軸であったように感じます。課題曲はルネサンス後期の王道のラテン語。教会の荘厳な雰囲気に響く先唱とそれに続く民衆の祈り。聖母マリアへのお告げと、原罪への祈りがありました。自由曲は一気に時代が飛び、複雑な現代宗教曲に挑戦。古代スラブ語が織りなすオリエンタルな浮遊感と、天使ケルビムの待望、そして中盤の最も白熱する場面では、民衆の喜び、何か偉大なものが天から舞い降りるようなサウンド、差し込んでくる光の帯が一体となって空間を支配しました。
 ここまでの歩みは細い先の見えない山道を一歩一歩、歩んでいくようなものであり、それは今できることを全身全霊をかけてやり続ける努力の中でなお、最後は祈るしかない部分もありました。様々な要素が絡み合い、誰に運命は微笑むのか。しかし、人事を尽くすことでしかその境地にはたどり着けないのです。今回の結果は銀賞でありましたが、ここまでの歩みは嘘偽りのないものであり、今までの道程を振り返る必要もないほど、確かなものでした。一つの夢が終わり、次の夢が始まります。今辿り着いた一つの到達点からの風景を目に焼きつけ、また次の風景を探しに歩んでいきたいと思います。

 応援に来ていただきました皆様、またいつも現役生を支えてくださる保護者の皆様、本当にありがとうございました。11月3日のコスモスコンサートまでまた怒涛の日々が続きますが、また今しばらくお付き合いいただければ幸いです。