自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2022/11/10
混声合唱部は11月3日(祝)、定期演奏会「第33回コスモスコンサート」を新潟市北区文化会館にて開催しました。大きく二部に分かれ、第一部合唱劇、第二部大会曲、およびエンディングという構成です。今回のテーマは「カケラ~仲間がいるから~」。私たち一人一人は何か欠けた不完全な存在であるけれども、それ故に引かれ合い、互いの隙間を埋め、そして一人では成しえない場所までたどり着いた、そんな意味が込められていました。誰もが完璧じゃなくていい、そんなあなたを他の誰かが素敵に感じてくれている。星の輝きが一つ一つ違っていて美しいように、私たちの個性もまた、違うからこそ楽しく、豊かで、一人ひとりの力を掛け合わせて何十倍にもできたのでしょう。そして今回のコスコンは、そんな3年生たちの個性が十二分に輝いたものになりました。パロディでない完全新作の、しかもファンタジー作品の脚本。その随所に曲を挟み込む構成のこだわり。例年以上にシビアな照明、音響への指示が反映された演出。数々のこだわりぬいた小道具たち。パンフレット18ページ、裏パンフレット86ページ合わせて104ページの大作も、ほぼ生徒たちの力によるものでした。よって今回のコスコンは合唱あり、演劇あり、ソロあり、ダンスあり、バレエありの総合芸術として、部員一人ひとりの個性を最大限発揮した作品となりました。
思えばこの3年生たちはコロナが猛威を振るっていた時期に入部してくれた世代でした。夏の大会もなく、初の観客が入ったステージがコスコンでした。そして合唱の大変さ、面白さ、歌を聞いてもらうことの喜び、異なる声を合わせることの素晴らしさ、様々な経験を通し、大会の厳しさをいくつもくぐり抜け、そしてまたこのコスモスコンサートに帰ってきたのです。入部したときは「みんな」の一人に過ぎなかったのに、数々の舞台を踏み、苦しみ、悩み、泣き笑いする中で、互いが互いにとってかけがえのない、本当の「仲間」となりました。それはきっと多くの先輩たちや、この部活に関わってくれた「みんな」に支えられたからこその今であり、この先道が分かれていったとしても、変わらない心のつながりとして残るのです。そしてかつての先輩たちがそうであったように、彼らもまた、後輩たちに多くのものを遺してくれています。それは、今は目に見えなくとも、後輩たちの心の中に種として蒔かれ、いつか芽がでることでしょう。その道のりを共に歩んでいきたいと思います。今日まで支え、見守って頂いた保護者、OBOGをはじめとする多くの関係者の皆様にお礼申し上げます。またこれからの混声合唱部も、どうぞよろしくお願い致します。