のぞみ寮通信

のぞみ通信

2020/06/05

寮長日記 開寮礼拝メッセージ

「災いの中を生き抜く -ほんとうに必要なものとは-」

2020年6月2日(火)  寮長  東 晴也


 2,3年生の皆さん、お帰りなさい。
 帰寮時にオリエンテーションをしました。「新しい生活様式」がこの寮でも求められます。これから約2週間の経過観察期間はとても大切です。これは自分のためでもありますが、同じ寮に住む持病や基礎疾患のある友達を守る意味でも、この期間は特に体調管理に配慮した生活をして下さい。
 たぶん、私達は今、ある一つの時代の終わりを生きています。地震、津波、猛暑、台風、ウィルス等の災害によって、これまでの世界、地球の常識、4年ごとのオリンピック開催など、これまで当然として出来たことが出来なくなる、そんな時代を迎えています。多くの人が集まり憧れだった都市(NY、パリ、ロンドン……)がロックダウンしました。新たな都市、それも今までに見たこともないような都市が生まれるのではないか?とすら感じます。大げさに言うと、古代オリエント文明(エジプトやメソポタミア)が終焉し、新たにギリシア・ローマに文明の中心が移行していくような大きな転換期なのかもしれません。超大国といわれるアメリカや中国のリーダーは、今回コロナ対策では失敗し、台湾のような小さな地域の政策が成功しています。アメリカや中国のように、経済力や知的財産や軍事力をいかに所有していても、危機管理を判断するのは人間だということを今回まざまざと見せつけられています。そういう意味で、皆さんには「人間力」をつけてほしい。
 皆さんにお願いしたい。どんな災害にも奪われない宝を身につけてほしい。どんな大きな地震でも崩壊せず、どんな巨大な津波にも流されず、どんな台風にも飛ばされず、どんな猛暑によっても枯れず、どんな新しいウィルスによっても侵されない、またどんな権力者によっても奪われない宝、それは目に見えない私たちの内側に存在する宝です。それをこの在学中に身につけてほしい。
 例えば、「のぞみ寮心の習慣 自主、自立、自制、おもいやり」を身につけて、1つでもいい、自分の心に留まった聖書の御言葉を徹底的に実践してごらん。そうすれば、あなたは世界中どこに行っても必要とされ、愛される人間になります。
 そのための敬和学園、そのためののぞみ寮であったとするなら私は本当に嬉しい。
 今日は、そんな生活と学びをもう一度決意する日としてほしいと心から願います。