のぞみ寮通信

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2020/05/09

寮長日記「歴史の中で今の時代をどう観るか?」

  「歴史の中で今の時代をどう観るか?」

2020年5月8日(金)  寮長  東 晴也


 新型コロナウィルス感染症が世界的に猛威を振るっています。このウィルスは人を介して感染拡大するため、人間同士が物理的に近づかないことが重要な予防策とされています。
 学校が臨時休校となり2か月が経ちました。少しでも早く皆さんと再会し、学校を始めたいところですが、日本中が「緊急事態宣言」である以上、もうしばらく我慢が必要です。
 さて、このようなウィルスの感染拡大によって社会が大きく変動した代表的な事例として、高校世界史の教科書には「黒死病(ペスト)」が紹介されています。
 「また14世紀にはいると気候が寒冷化し、凶作や飢饉、黒死病(ペスト)の流行、あいつぐ戦乱などで農業人口が減少した。このため領主は荘園での労働力を確保するために農民の待遇を向上させなければならず、農民の身分的束縛はますますゆるめられた。……」(『詳説世界史B』山川出版)
 超簡略化すると、農業人口の減少→農民の待遇向上・各地での農民一揆→封建領主の衰退→国王による中央集権化へと移行していきます。ペストの流行等によって、結果的に西ヨーロッパでは封建領主が衰退し、国王による集権化が進んだというのです。
 かなりざっくりした説明ですが、これは数百年に一度の大きな社会変化でした。
 今、私たちもこのような時代の節目に生きているのかもしれません。今を生きる主権者たる私たちの決断が、今後の日本や世界の未来を決めると言っても大げさではありません。
 新型コロナウィルス感染症の終息後、この日本や世界はどのような社会になっていると思いますか?また、どのような社会になってほしいですか?
 ぜひ、みんなで考えてみましょう!夢を語りましょう!未来をつくるのは高校生の君たちです!