のぞみ寮通信

光風館

2019/07/04

光風 31号「定期テスト」

「なすべきことをなす」

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 年に5回。この期間は必ずやってきます。そう、テストです。7月2日、この日は英語と数学の学校の先生が自習時間に来てくれて寮生を対象に勉強会を開いてくれました。毎回、テスト期間になると二人の先生は来てくれます。この日は、ここぞとばかりに光風生も勉強会に足を運びます。普段の授業分をここで取り返そうとしているわけではありません。しかし、このテスト期間中の集中している勉強を普段の自習時間からやっておけばいいのに・・・。ま、自分の高校時代を考えれば、そんな偉そうなこと言えませんが、毎日の取り組みがいかに大事かが問われるのも、この定期テストです。言わずと知れていますが、学校は勉強をしに行くところです。敬和生は、そのことを忘れがちです。苦手なことにもしっかりと取り組むことのできる大人に育ってほしいものです。

 

 

 

 

「思いもよらぬ誕生日」

kofu0031_21 7月2日。17年前のこの日、彼は多くの人の希望と共にこの世に誕生しました。その時誰が、17年後の今日、けがをして、急患センターに行って5針も縫うことを予想できたでしょうか?しかし、これも神様の計画の一部だったのかもしれません。
 夕食後のことです。ちょうど光風館が夕食当番にあたっていたため、食器洗いを手伝っていたら、東寮長に「ちょっと来てください」と呼ばれました。その雰囲気から、何かあったことは察しがつきます。で、事情を聞いてみると、2年生のA人君がガラスで、けがをしたというんです。ガラス?思わず、破損届をまた書かなくてはなくてはならぬかと、ガラスの心配をした私がいたんですが、彼の姿を見て、鳥肌が立ちました。彼自身は笑っているんですが、出血が止まらないんです。傷口を見て、すぐに病院に行く決断をしました。その時間から行けば、急患センターはちょうど開く時間になります。
 そんな怪我をしているにもかかわらず、車の中で、話をしまくるA人君。多分、アドレナリンが出ていたんでしょう。痛みも全くないと言います。そうこうしていると出血もおさまってきます。圧迫する必要もなくなり、傷口を出しますが、その痛々しさを私は見ていられません。「頼むから、傷口を押さえておいて」とお願いして急患センターに向かいました。

kofu0031_22 ちなみに19時を過ぎると、バイパスもスイスイ進むので、寮から20分ほどで着きます。着いたらすぐに、受付をして、ガラスで切ったから、異物が残っていないかの画像検査で、レントゲンを撮りました。レントゲンを撮り終えて、診察室に向かうと、何と彼のお母さんが待ってくれていました。急患センターに向かう前に電話を入れたら、すぐに来てくれたんです。「え、なんでいるの?」驚きと共に、明らかに声のトーンがこれまでと違います。彼に自覚はないかもしれませんが、やっぱりママに会うとほっとするんです。診察をしてもらうと、すぐに縫いましょうという話になりました。そして、縫い終えて、戻ってきた彼とお母さんとのやり取りに、私の心はホッコリしたんです。
 運よく誕生日だった彼に、お母さんが「誕生日にあえてよかった」と一言。その場にいたみんなが、アハハと笑いながらも、そういう事かとすべてに納得してしまいました。途中、「あー、家に帰りたいなあ」なんて言葉も発せられましたが、そうはいきません。なんたって、テストが目の前。どうやらママと赤点だけは取らない約束も交わしているそうだし。で、寮に帰る時の母親に投げかけた、彼の「じゃあね」の一言に何とも言えぬ感動があったわけです。その一言に「ありがとう」とか「頑張るね」とか「頑張るよ」とかいろんな想いが込められてるのが、本当によくわかりました。自分の息子にもこんな「じゃあね」を言われてみたい。心から願う一幕でした。
 しかし、後日、ガラス代の請求がお母様に届きます。その時は心を込めた「ごめんなさい」を彼に伝えてもらわなければ・・・。