今日のランチ

今日のランチ

2019/06/21

今日のランチ(2019.6.21)

ポークカレー・グリーンサラダ・コンソメスープ・牛乳・ヨーグルト

0621

 

 

 労作で植えたサツマイモの苗が活着し、大きく葉を広げ始めた。ここからは雑草との戦いだ。草取りを怠けたクラスは夏休み前には絶望にさいなまれるだろう。ずっと昔、雑草に追い詰められた芋が、最後の生き残りをかけて花を咲かせたのを見たことがある。面倒くさがる生徒には笑い話に聞こえるらしいが、手間隙かける大切さを今年も説いている。

 

 じっくりと時間をかけて植物を育てることの意味を改めて考える。今はどうか詳らかに知らないが、かつて小学校では必ず「朝顔」の観察日記が宿題であった。長じて中学の技術家庭科では「菊」を栽培し、秋の文化祭で展示をした。無事咲くかどうかは分からない。信じて毎日水遣りを続ける。大輪の花を咲かせた時の喜びは何物にも換えがたかった。

 

 同じ結果であれば早く楽に出来たほうがよい、という価値観はどこから来たのだろう。おそらく経済や経営といった分野から出たと推察するが、それを教育に導入してはいけない、という意識は昔はっきりとあったように思う。4半期ごとに業績をあげるための理論と、人間を育てる理論はまったく別なもの。国家百年の計というぐらい、長期的視野が教育には必要だからだ。

 

 「教育工学」という言葉に驚いている。金融工学なるものがリーマンショックを生み世界中を混乱に陥れた過去があるからである。人間を製品扱いし、誰にとって都合の良い人間を「作る」理論か。怒りにまかせてポークカレーをほおばりながら、敬和は雑草取りの大切さを説くことを意地でもやめないぞと心から思う。

(S・K)