自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2017/03/22
終業の日を迎えました。一人ひとりの表情を思い浮かべながら、静かになっためぐみ館で1年間を振り返っています。笑い合える喜び、共に悩みながら流す涙、じっと静かに見守った日々。1日として同じ日はない様々な出来事があった1年でした。1年間を過ごし終えた一人ひとりの成長と頼もしさを感じています。
私は、生徒一人ひとりの存在に励まされ、支えられて過ごすことが出来た幸せな1年であったと感謝の気持ちでいっぱいです。反省ばかりが多く恥ずかしくなりますが、やわらかい心を忘れずに、全力で一人ひとりと向き合い、関わりを持ち過ごしてきました。
1年間を振り返りながら、50回生を迎えて新しく始まる日々が安心した時となるように、新たな出会いを楽しみにしながら、新年度の準備を整えています。
保護者様には、いつも温かく寮教育を支えていただいたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。春休みのひと時、ご家族での時間が恵み多くありますようにと願っています。
4月にまた会いましょう。いってらっしゃい。 （小菅）
～3年生へ感謝を込めて…めぐみ組体操の練習風景の様子…心を一つに合わせて生まれる絆～
日々練習を積み重ねました。日を重ねるごとに、気持ちが一つになっていく。感動の連続でした。同じ目標に向かって、取り組んだ経験は、互いの存在をあらためて確認し合う時間にもなりました。
礼拝のお話
“柚子胡椒“のようなステキな存在に
2年 I.Y
突然ですが、私はお肉やお魚が好きではありません。鶏肉は別ですが、一度にたくさん食べることが出来ません。ですが、そんな私が、それらをおいしく食べることが出来た時のことをお話させてください。と言っても、お肉やお魚の魅力をお話するわけではありません。
それは、親戚一同が集まる温泉旅館でのことでした。夕食に出てきた、黒毛和牛。味付けは、“柚子胡椒”でした。そして、“しその葉”が添えられた、お刺身の盛り合わせ。普通の感覚の人であれば、「ごちそうだ！」とテンションが上がるでしょうが、私の場合、側の小さい従妹たちの食べていた“お子様の食事”の方が好みだと思うくらいでした。ですが、みんなが「おいしい。おいしい。」と食べている姿を見て、私も食べてみたくなり、一口だけとお肉にちょんちょんと“柚子胡椒”をつけ口に運び、その味に感動しました。調子に乗って、お刺身も食べてみたくなり、“しその葉”を巻いて食べてみました。「おいしい～！」という感じで、その日の夜は、私の人生の中で、もっともお肉と生魚を食べた日となりました。
結論から言うと、“柚子胡椒”は天才だと思います。牛肉や刺身が天才だとは思いません。私はどちらになりたいかと聞かれたら、間違いなく“柚子胡椒”と答えるでしょう。脇役とか主役とか、そんな事を言っているのではなく、“柚子胡椒”ほど相手に合わせつつ、ちゃんと自己の主張をしつつ、さらに全く新しい調和を生む食材はないと思うのです。
友達に絶対一人居てほしいタイプだと思いませんか？それに対して、黒毛和牛は一生黒毛和牛です。自分が王様なのを知っているし、周囲もそれを認めています。それ以上でもそれ以下でもなく、プレッシャーなど、王者としての苦悩は、常にあると思います。酷な話ですね。
私は、そのような人間にはあこがれません。別に黒毛和牛がダメと言っているのではありません。でも私は、牛肉にも、豚肉にも合い、鍋にも、焼き物にも合う、時にはほんの香りづけとして、常にどこへ行っても、その場の空気と交ざって、面白いものを提供できる素養を持っている“柚子胡椒”のような人間になりたいのです。
同じ気分でずっと居たいなんて思わないし、私は、これしかできないからなんて、本当は言いたくないのです。みんなから必要とされる、黒毛和牛である必要はないのです。目立たなくてもいいのです。私は、そのまま何にもつけずに、牛肉を食べることはできません。そんな風に、普段は近寄りがたい存在だけれど、この人が間に入ってくれたらきっと良い関係が築けるみたいな、経験はないでしょうか？そんな存在、ステキだと思いませんか！みなさん。私の話を聞いてどう思ったでしょうか？
もちろん黒毛和牛もステキです。そして、メインがあるからこその味付けだとは思いますが、“柚子胡椒”のような人の魅力に気づいて、もし黒毛和牛になりきれずにいる人、そしてそんな人の側にいる人は、この話を思い出していただけたらうれしく思います。
“明日は待ちに待った終業日！館内の大掃除も力が入ります。隅々までピカピカ☆です”
