のぞみ寮通信

めぐみ館

2014/09/01

めぐみ通信 (2014年9月1日)

めぐみ館すっからかん大作戦

 7月18日にめぐみ館2年生合宿を行いました。いつもなら、網戸磨いて、草抜きして、倉庫整理して…と館内やその周りの掃除を行い、新学期に備えます。しかし!今年は例年の様にはいきません。なぜなら、めぐみ館の耐震改修工事のため、めぐみ館内をすっからかんにしなくてはいけなかったからです。文字通りすっからかんに…。

 この夏のめぐみ館の耐震改修工事は壮大なものでした。1階から4階まで全部の床を張り替え、至る所に耐震壁を築き、居室の床も張替え、ドアを塗り直し、お風呂にタイルを張り、1階には絨毯を敷き、壁紙を張り、電気を取り換え…。もうここには書ききれないほどの工事がなされたのです。そのための準備として、めぐみ館内を空っぽにする。それが、18日の合宿で与えられた仕事でした。いつもなら寮生と私達寮務教師で和気あいあい取り掛かるのですが、この使命を達成するには私達だけでは到底適いません。力持ちの男子寮の先生たちにも総動員して頂き、更にみぎわ館2年生も。そして工事を担ってくださっているたくさんのお兄様方と我らの指揮官・Y所長(建設会社の方で寮生をとってもかわいがってくださっています!)に来ていただき、開始することとなりました。

 めぐみ館内にある全ての物を運び出し、めぐみホールとみぎわ館の2部屋をお借りし、移動させます。「重いもの、大きいものはお兄さんたちに任せて、みんなは細かいものを持って行って~!」と、優しいお兄様方の声がめぐみ館内にこだまし、作業開始となりました。工事現場の方々はスチールの机や大きな下駄箱、ロッカーなどを上手に運んでくださり、めぐみっ子はパソコンや、掃除用具、箱詰めした本や雑貨など、運んでは戻り、運んでは戻り…。トイレットペーパーやカーテン、自分たちの部屋に張っていたポスターまでも、本当に全ての物を運び出したのです。

 当然事前準備はしていましたし、段取の良いめぐみっ子たちは当日朝までに自分たちの荷物に関してはほぼ全て移動させていました。が、それでもたくさんのものがある事!こんなものまでもか!とうっかり忘れてしまうような小さなものや当たり前のものまで全て撤去し運び出しました。私達だけでは忘れ物だらけだったでしょう、現場の方々や所長の「これもだよ!」「あれもだよ!」の声掛けに「あ!そっか!」の連続で、やっぱりプロってすごいなぁ!と思わされた瞬間でもありました。

 開始が14時。一体何時に終わるだろうね…。と心配していましたが、たくさんの方々のご協力と、元気に気持ちよく動くめぐみっ子のおかげで2時間足らずでおおよそ終わり、ホッとすることが出来ました。そのホッとした時間には所長からスイカの差し入れがあり、「ヤッター!嬉しい!」と大絶叫のめぐみっ子たち。食べきれないほどの甘くておいしいスイカに舌鼓を打ちながら、「手伝ってくれたみぎわの人たちにも声かけようよ!」との声が。みぎわとめぐみと入り乱れての休憩タイム。美味しいスイカが、もっと美味しくなったような気がしました。Y所長、ごちそうさまでした!みんな、お疲れ様!

 

 合宿は3部構成です。1部・労作、2部・夕食、3部・お楽しみ会。毎回2部は友愛館で調理師さんたちが作ってくださったおいしいご飯をみんなで一緒に食べるのですが、今回は1部の労作が大変なものとなるであろうと予想した会田先生と私。ちょっと、サプライズしたいよね。「ギャー!」って言わせたいよね、と悪だくみ(笑)。そこで、空っぽになっためぐみ館で、みんなが大好きエミタイさん(敬和の入り口横にあるおいしいパン屋さんです!)ピザをお願いし、食べることにしたのです。

 1部終了後、会田先生が「みんな、お疲れ様~!次ですが、17:45にめぐみ館玄関に集まってくださいね~!」と言うと、きょとんとしたみんなの顔が。「え?なんで?友愛館に直接で良くない?」と。予想通りの展開に嬉しくなった私達。「いいから、いいから。」と、ニヤニヤしながら応える私達を変な目で見ながら「まぁ、じゃぁ、はい。」と素直なめぐみっ子たち。いよいよ時間になり、集まりました。「はい!じゃぁ、今から、エミタイさんにピザを取りに行きます~!今夜はめぐみ館でご飯を食べます~!」と伝えると、「ギャー!やった~!エミタイ~!ピザ~!」と様々な叫び声が上がりました。想像以上の彼女たちの喜び様に、企画して良かった~!と、逆に喜ばせてもらった私達。みんなで、クラウチングスタートからの(笑)キャッキャとピザを取りに行き、空っぽになっためぐみ事務室にピクニックシートを敷き、ピザやから揚げ、枝豆、サラダにジュースなどを広げ、「いただきま~す!」。

 

 

 とっても楽しい時間となりました。

 3部は友愛館を貸し切ってのレクリエーションを企画しました。3チームに分け、3種類のゲームをし、デザートの争奪戦を行いました。デザートがかかっているとなると、がぜん張り切るめぐみっ子たち(笑)。新聞を使ったり、コピー用紙を使ったり、ハサミやセロテープを使ってみたり、頭も体も声もたっぷり使ってほんのり汗もかきながら、笑い転げた1時間。ゲームを通して仲間を認め、肯定し、勝利をつかむために意見し合い、前向きで気持ち良く遠慮のないみんなの姿に、後期に始まる世代交代も全く心配なく任せていける、そんな気持ちにさせてもらいました。彼女たちなら、これまで歴代の先輩たちが築き上げてきためぐみ館を引き継ぎ、そして更に素敵なものとしていくことが出来るでしょう。何よりも仲間と自分と、それぞれの心を大切にする人たちだから…。

 2年生合宿はただの労作合宿ではありません。迫る世代交代に向けての心の準備をする場所です。チームワークを見直す機会です。今回の合宿でめぐみっ子2年生たちは自分たちのいいところにいっぱい気付き、自信が持てた事でしょう。これからの活躍、大いに期待しています!

 

 この合宿に海外教室への参加などから、合宿参加できない仲間が4人居ました。その人たちは帰寮日直前の8月25日に合宿を行いました。ここでは、すっからかん大作戦で外に出した荷物を館内に戻す作業です。前半時同様に沢山の人たちが応援に駆け付けてくれました。感謝です。そして、この4人のめぐみっ子たちも、汗だくになりながら頑張ってくれました。そして、特に感心したことがありました。ほこりまみれになっていたカーテンを全て洗い、取り付ける作業もしたのですが、その合間にいったん休憩をはさみました。休憩後、再びカーテン取り付け作業を指示すると「もう終わったよ~!」とのこと。部活などで帰って来ていた他の2年生たちが力を貸し、私たちが知らぬ間に作業し、終らせていたのです。なんとすごいチームでしょう。4人じゃ大変だよねと、当たり前のように手を貸せるめぐみっ子。なんてステキな心の持ち主たちなのでしょうか。「私たちは夏休み前にやったんだからね!」などと口にする人は一人もおらず、大量のゴミ捨てまでもまるで当然のように一緒になって運んでくれるめぐみっ子。彼女たちにとっては当たり前の行動だったようですが、私にとっては感激の嵐の出来事でした。(森口)