のぞみ寮通信

みぎわ館

2013/02/13

みぎわ館 第154号(2月12日)

< みんなの支えあってこそ  >

 先週は、学校と光風館に続き、みぎわ館でもインフルエンザに罹る人が続出しました。そして、その波は、みぎわっ子たちを病院や自宅に連れて行ってくださっていた森口先生の元にまで!森口先生の笑い声が響かぬ寂しい日々が続きました。自宅が近い寮生は、保護者の方のご協力の元、自宅療養することができましたが、遠方の寮生は、寮で過ごす他ありません。寮の一室は隔離部屋となりました。一人治って自室に戻れたかと思うと、また一人「インフルエンザでしたー!」と加わっていきました。

 その症状は、熱がグンと上がったら落ち着いた人、二度の高熱に見舞われた人、ゆるゆると微熱が続いた人と様々でしたが、処方された薬を飲み始めて3日も経てば、みんなだんだん元気になっていきました。しかし、熱が出た翌日から5日間は、外に出ては行けないとのこと。初めは山積みのマンガを前に喜んでいても、すぐに「元気なのにー!学校行きたいよー!!」と地団駄踏んでいました。“学校行きたい!”と言ってくれることに驚きと喜びを感じながら「勉強すれば??」と笑いながら勧めると、これまた素直に「そーしよー。」と机に向かったのでした。
 インフルエンザに罹ったみぎわっ子がそんな風に過ごす裏で、いつも通りの寮生活を送る多くのみぎわっ子が、様々な場面で支えてくれていました。人数が減っても掃除箇所は減らすことなく、「私、ココもやるよー!」「先に部屋掃除して、ホールとホールのトイレを掃除するから、廊下掃除お願いしてもいい?」などと自分たちで調整し、みぎわ館をいつも通りピカピカにして登校してくれました。また、インフルエンザで部屋から出て来られない仲間の食事に“早く元気になってね!”とのメッセージとイラスト入りのメモを添えて、みぎわ館まで運んでくれました。どの子にいつお願いしても、「いいですよー!」「わかりました!」と快く引き受けてくれて、本当に助かりました。

 嫌な顔一つせず、気持ちよく協力し、「○○は、まだ具合悪そう?」と心配しながら、「早く戻って来られるといいなー。」とみぎわの全員が揃う日を心待ちにしている皆の姿に、インフルエンザに罹ったみぎわっ子だけでなく、私たちも励まされました。
 インフルエンザの波も過ぎ去り、自宅で療養していたみぎわっ子が帰寮し、森口先生も元気になって戻ってこられました!一人も欠けることなく、笑って泣いて、怒って喜んで、食べて眠る何気ない日常が送れることに感謝しなきゃとしみじみ感じています。全員揃って今週のスタートを切れたのは、“困った時は、お互い様”の精神で、仲間を思い、心と身体と知恵と時間を使ってくれた、みんなの支えがあったおかげです。本当にありがとうございました!(冨井)

 

 

 

 

< 笑顔のクッキー >

 今週半ばに控えるバレンタインに向けて、動き出したみぎわっ子たち!朝食時にこんな会話が聞こえてきました。「ねーねー、何時から作るー?」「8時すぎからやるよー。」「えー、私も一緒にやろうかなー。」「うん!一緒にやろー!この後、先に使ってていいよー!」と。時計を見たら、まだ7時40分!休日の7時40分からバレンタインのお菓子作りをするなんて、気合いの入れ方が違いますね!
 昼食前、どれどれと、みぎわホールを覗いてみました。すると、甘くて香ばしいかおりが♪一人はキラキラした瞳で「できたよー!」とタッパーいっぱいに詰まったクッキーを見せてくれて、「どうぞ!」と味見させてくれました。また一人は、「一種類ずつ食べてみて!」とまだ温かいクッキーを手のひらに乗せてくれました。その姿の可愛らしいこと!「二人とも!美味しいよぉ!!」と伝えると、「やったー!!」と大喜び!一人は、「これで終わりー!」と戻って行きましたが、もう一人は、黙々とクッキー生地を天板に並べる作業を再開させました。色とりどりの生地はそれぞれの器にまだ半分以上ある様子。隣のテーブルには、大量のラッピング材が。“たくさんの人にプレゼントするんだなあ…これは時間がかかりそうだ”と思いながらその場を去りました。
 夕食時、「何時まで作ってたの?」と聞くと、清々しい笑顔で「さっきまで!」と!丸一日かけて大量のクッキーを作った彼女。その表情は誇らしげで、喜びに溢れていました。バレンタインのお菓子作りが、こんなにも人を生き生きとさせるのかと驚きました。大切な誰かに、感謝の気持ちを伝えたいとか、喜んでもらいたいという思いは、人を動かす力になるのですね。
 心を込めて、笑顔で作ったお菓子。もらった人の笑顔と、それを見てさらに頬が緩むみぎわっ子たちの表情を想像し、私の頬も緩むのでした。(冨井)

 

 

 

 

< 礼拝のお話 >

 *W.M(1年生)
 みなさんには、この人苦手だなあと思う人はいますか。以前の私は、この人のこと好きだなあと思ったら、ずっと一緒にいたいくらい好きになるし、苦手だなあと思ったら、絶対に関わりたくないと思うくらいにとことん嫌いになっていました。ほとんど引きこもっていた中学時代は、友達と顔を合わせずにネットでつながっていることが多かったので、気の合う人とだけ連絡をとっていればよかったのですが、敬和に来て寮生活が始まってからは、そうは行かなくなりました。学校にいる時だけでなく、寮に戻ってからもずっと人と顔を合わせていなければならないからです。ちょっと今、この人といたくないなと思っても、一緒に生活しなくてはいけません。
 入寮当初は、人との関わりが嫌で面倒で、ずっと部屋にいました。しかし、一年近く寮で生活しているうちに、実は、私が苦手だと思っている人にも良い所がたくさんあることに気付きました。今まで、この人好きだなって思った人とずっと一緒にいたいと思える関係を築けたのは、その人の悪い所も個性として認めて、悪い所以上にその人の良い所を見つけていたからだと思いました。逆に、苦手だなあと思った人のことを、とことん嫌いになっていったのは、その人の良い所を見ようとせず、悪い所ばかりを見て、関わりを持とうとしなかったからだと気付きました。
 そうは言っても、まだ気付いただけで、苦手だと決めつけている人と積極的に関わりを持つことはできていません。私自身が、もっと周りの人に興味を持ち、もっと積極的に人と関わっていけるようになれば、たくさんの人と関わりを深めていけると思います。“ケンカして、前より仲良くなった”という話しを良く聞きます。学校や寮生活での人との関わりの中で、たくさん良い所を見つけていきたいです。