のぞみ寮通信

めぐみ館

2012/05/02

めぐみ通信 (2012年4月22日)

< 習慣の教育 >


 新入生を18人迎えた2・3年生は、普段より丁寧に掃除をするなど、心と環境を整えていました。

 その準備の一つに「ルールブック作成」と言うのがあります。昔からめぐみ館で伝えられている内容を10年くらい前のめぐみ館生が冊子にした物です。それはたしなみを持った大人となるための習慣教育の冊子です。毎年めぐみ館生が色んな人たちからのアドバイスを参考にしながら考えた40ページ(昨年までは50ページ!!)からなる手書き冊子です。その内容の中で最も大切にされていることが心からの挨拶、礼儀、言葉遣いです。

 さて、その冊子が1年生に手渡されるのは、ゴールデンウイーク明けです。何故か。それは教わる1年生、伝える2年生の両者にとって、とても意味のある期間だからです。2年生から挨拶の仕方から、振る舞い、作法に至るまでの内容を連休まで口頭で叩き込まれます。やっと、冊子が手渡された時に、伝えられていた内容を再認識する事となり、理解が深まっていくと言う仕掛けです。とは言っても、本当の意味で身に付くのは3年生になってからです。それだけ自分の癖を改めるには時間がかかります。

 生活習慣に必要なルールについて、何回言われても、同じ失敗を繰り返してしまい挫折をし、涙し、不安いっぱいになるのが1年生です。(社会人の1年生と同じですので、この時期に身についたストレス耐性は後にとても役に立ちます。)ルールブックを基にした訓練は2年生になった時、自分がどれだけ成長したかが良くわかります。ですので、ゴールデンウイーク明けに「もう辞めたい!!」と訴えてくることは珍しくありません。是非、戸惑われましたら、ご相談ください。ここが踏ん張り時です!

 いざ自分が教える立場になって、伝える事の難しさに「1年生の時の方が楽だった」と2年生の叫びが聞えてくるのは例年のことです。個性を認めながら、気遣いが出来る人間に育つ為のノウハウを伝えることから、教える難しさを学びます。

 そして3年生、1、2年の下積みを経て、様々なストレスにも、上手に距離を持てるようになります。問題や課題を目の当たりにしても、的確な判断、どうすることがベストかと、自分の考えをめぐらせ、同時に思いやりの心を瞬時に含ませられるようになります。そんな3年生の姿を見た1年生は「神のようだ!」と称えます。

 こうして、学校教育では育ち得ない学びの場となっているのが寮生活です。いよいよスタート、2012年度3学年合同で、成長する時間の始まりです!!

(榎本)

 

 

 

 

 

 

< めぐみ館のみなさんへ >

 

 今年度から寮務教師になりました、国語科の有田唯です。のぞみ寮で働けることを、とても嬉しく思っています。みなさんも知っているとおり、私も敬和生でした。実家が太夫浜にあるため、寮生ではありませんでした。寮生の友人を見て、規律や敬語、家族以外の人と暮らすなんて大変だなと思っているだけで、私はのほほんと高校生活を過ごしていました。私がのんびりと過ごしている間、寮生の友人たちはぐんぐんと成長していました。周りへの気配り、仲間を思いやる気持ち、いろいろな面で成長していました。悩み、苦しみの中に、自分を成長させるチャンスがたくさんあるのだとその時、気づかされました。今、悩み、苦しみの中にいる人、困難なことから逃げるのは簡単です。けれど、そんな時こそ、自分を成長させるチャンスだと思って逃げずに立ち向かってほしいと思います。  緊張や不安もありますが、それよりも学校とは違ったみなさんの一面を見ることのできる楽しみや、仲間と支え合いながら成長していく姿を見ることのできる喜びの気持ちでいっぱいです。共に考え、共に学び、共に歩んでいきたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

< 涙  >

 

 新年度が始まり、3週間が経とうとしています。先週は、一年生の涙に度々出会いました。慣れない環境での生活に、心と頭がいっぱいいっぱいになり、涙があふれてきた一年生。そこで登場するのが二年生。「まかせてください。もし、何とかできなかったら、先生お願いします。」と頼もしい言葉を残していきました。翌日、声をかけると、「同室の先輩に話しを聴いてもらったり、他の一年生と話しをしたりして、いっぱいいっぱいなのは自分だけじゃないことが分かって安心しました。」と笑顔で話してくれました。

  また、ホームシックになり、「家族に会いたい!」と、涙が止まらない一年生。寮に来てから家族と連絡をとったか尋ねると、「電話したら泣いちゃうから、しないんです。『寂しい』とか言えないし・・・。」と。そんな一年生のもとには、同級生や同室の先輩はもちろん他室の先輩までもが集まり、話しを聴いて励ましていました。歓迎会やスポーツ大会などの行事や日々の生活を通して、学年を超えたつながりが生まれていく中で、一年生の涙も笑顔に変わりつつあります。 毎夕、寮の教師は、寮本部に届いた手紙を一人一人のレターボックスに仕分けしています。専門学校や大学からのダイレクトメールが多い中、私は、味わいのある字で宛名が書かれた手紙を見つけてレターボックスに入れる瞬間が好きです。自分に届いたわけでもないのに、何とも嬉しい気持ちになるのです。 最近、一年生宛ての手紙も届きはじめました。家族や友人の思いのこもった手紙をレターボックスに入れるとき、“○○の心と身体の栄養になりますように。”と願わずにはいられません。もうすぐ4月も終わろうとしています。目に見えるところでも見えないところでも、たくさんの人に支えられていることを感じながら生活していきましょう。

(冨井)

 

 

 

 

 

 

< 新入生歓迎会 > 

 

 一年生を囲んで、ジェスチャーゲーム・なんでもバスケットを楽しみ、美味しいケーキでお茶会をしました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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< 礼拝のお話し >

3年 S.S.

 私は分からない事があっても人になかなか聞くことができません。例えば、駅でどの電車に乗っていいかとか、勉強で分からないところとか、色々わからない事はよくあって、人に聞くだけの簡単な事ができないのです。なぜなら、その聞いてくれる相手に迷惑をかけてしまうし、何だか恥ずかしいと言う気持ちがあったからです。そんな時、あるテスト期間、「すべてがわからない、こりゃー、赤点とっちゃう!」という教科がでてきました。このままではさすがに大変だと思ったので、ある人に勇気を出して聞くと、私がわかるまで丁寧に一生懸命に教えてくれました。

 その経験はすごく嬉しく、今まで人になかなかきけなかった理由を言うと、「わからない事は恥ずかしい事じゃなくて、わからない事をそのままにしておく方が恥ずかしいんだよ。それに迷惑とか思わないよ」とその人は教えてくれました。その言葉を言われてから、何だか気持ちがふわっと楽になったし、誰かに相談する事も同じように考えてなかなかできなかったことも少しずつ出来るようになってきました。

 もし、私と同じように考えている人がいたなら、この言葉を思い出して頑張ってみてほしいです。みんな快く聞いてくれ、一緒に悩んだり、考えてくれたりするでしょう。良いアドバイスもできず聞いてあげる事しかできないと思いますが、良かったら、7室のSまでいらしてください。