のぞみ寮通信

めぐみ館

2012/04/09

めぐみ通信 (2012年4月8日)

< ようこそめぐみ館へ! >
 

 1年生の入寮より一足先に帰寮した2、3年生。「1年生、18人も来るの!?」と、その人数に圧倒されながらも、同室の一年生からメールや手紙が届いたことを嬉しそうに報告したり、ウェルカムボードを作ったりと、後輩を迎える日を心待ちにしていました。
2012年4月3日。毎年天候に恵まれていた入寮日には珍しく、嵐と共にやってきた1年生。雨風吹く中、待ちきれず外に出て同室の一年生の名を呼び、「きゃー!来たー!こっちだよー!」と興奮気味の2年生。1年生の大量の荷物を皆で運び入れる様子は、本当に嵐のようで、初対面のぎこちなさを吹き飛ばしてくれました。
 こうして44人で2012年度のスタートを切っためぐみ館。新しい環境で緊張の面持ちの1年生。その表情と姿から、一生懸命先輩の言葉を聴こうとする気持ちが伝わってきます。一方の2年生も、初めて後輩を指導する立場になり、去年とは違う緊張感の中で本当に一生懸命です。そんな様子をゆったり眺める余裕を持てている3年生は、自分たちの課題に目を向け、さっそくミーティングを開いていました。
 最近、私は「人は変われるけれど、“人を変えてやろう”と思っても変えられない。でも、自分が変わることはできるし、それによって人も変わるのかもしれない。」と考えています。
44人それぞれに得意なことと苦手なことがあり、意識して直さなければならないところと、あえて直そうとしなくてもいいところがあり、違った良さを持っています。違いを受け入れて他者と共に生きるとは、どういうことか。めぐみ館・のぞみ寮・敬和学園での生活の中で、失敗し成功し葛藤しながら、感じて学んでいってほしいと思います。

(冨井)

 
 
 

< 泣くこと >
 

1年生へ
「泣く事は、ストレスを和らげる?」
寮生活は、喜怒哀楽をしっかりと味わえる場所です。
自分の喜怒哀楽を大切に感じてください。
2、3年生へ
時に涙を思い出し、頑張り過ぎている自分に緩める事を許してあげてください。
ただし、その涙に引っ張られてリラックスをずっと続けたい!なんて事にならないように。
 

 でも、そんな心配は無用なようです。1年生の時にカバーしてもらっていたことを自覚し、本当の意味で自律することの厳しさを見つめ自分たちで対処している様子が見られます。成長の段階を頼もしく見せていただいています。

(榎本)
 

 
 

 
 
 

Question☞
「寮の教育って、何をしているの」?

Answer  ☞
 「子どもの教育に、文字を教える事は只その一部であって、それ以外に食の教えあり、立ち振る舞いの教えあり、運動の教えあり、養生(保健衛生)の教えもある。これらの教えは特に子どもの場合は全体の7.8割を占める大切な箇条である。」(福沢諭吉の「教育のこと1」から引用)
 

 自分が出来ることを生活の中で広げていく力を育てるには、日常の小さなことの積み重ねにあります。発育を鋭いものにするか、鈍いものにするかは、基礎である生活習慣の如何にかかっていると言えるのでしょう。
 

 人間が有能な社会人となるために必要な諸能力は家庭、学校、社会の力と言われていますが、中でも最も基礎となるのは、家庭で見聞きし、習慣となった性質や言動・行動です。それゆえに寮生活での習慣教育は、社会に出た時に役に立ち、底力となるのは言うまでもありません。
 

 お子様の習慣教育につきましては、先ほどの「ルールブック」の他にも色々とあります。時に多少バランスの悪いものになっている内容もありますが、それはそれとして、脳みそを働かせて、次なる課題へ繋げていくことになります。日常の中でつじつまが合わなくなることで、チグハグなルールが明らかになってきます。その違和感を円滑な日常へ改善するために、それぞれの経験から成る知識を集め、話し合うことで智恵となっていきます。そのプロセスは、学年によって味わいが違い、面白く、頼もしくもあります。
 
 

寮教育って、何だろう。
 

 目指すべきはある中で、毎年問われる事は違います。
昨年度のめぐみ館は、ルールを緩めたことで見えてきた課題がありました。緩まるところと、緩まり過ぎたところです。緩んだ事で自由さが、だらしなさとして現れ、不品行であったり、恥知らずであったりしてはいないかという問い直しです。寮教育の行きつくところなどないのかもしれません。

 (榎本)
 

 
 
 
 

< きらきらキラリ >
 

【新潟日報(2011年3月30日)『窓』の欄にO.Kさんの投書が掲載されました。】
 

O.K

 人との絆を、あなたはどうやって築くのか?私は今、高校で寮に入っている。毎日二十四時間、他人と同じ空間にいなければならない。
 女子寮と聞いて、きっと一般の人は、イヤがらせやいじめがあるのではないか、女子独特のドロドロした展開があるのではないかと想像するだろう。実際私も不安でいっぱいだった。しかし、玄関で私を待っていたのは、予想以上によくしてくださる先輩と、私と同じように不安を抱えた同級生たちだった。
 入寮し、大変だったのは、イジメやイヤがらせなどではなく、逆に人と関わっていくことの難しさだった。対人関係で一番よくないのは無関心であることだ―と、寮の先生がおっしゃった。本当にその通りである。相手が気に入らない。理解できない。そういう感情は、あくまで相手に興味があり、お互いを知るプロセスであるが、別に関わらなくても良いという人がいると、学年や、集団生活の和はもろく、一瞬で崩れてしまう。
 メールやインターネットなど、新しいコミュニティーが広がる中で、面と向かって語ることのできる人間関係を築けたことをうれしく思うと共に、私たちに足りないものは何なのかを、あらためて考えたい。