のぞみ寮通信

のぞみ通信

2021/02/02

のぞみ通信 2021年1月28日 第259号

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(題字 めぐみ館2年 S.Aさん)

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2021年は、大雪でスタート!!“ソリ遊びを満喫”

 

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 2021年になりました。どうぞ今年もよろしくお願いします。

 首都圏は一日の新規感染者数が2000人を超えている中、今ここに、体調不良を訴える人は一人もいません。年末年始の皆さんの体調管理、帰寮する直近の健康観察と分散登校を無事に過ごし、こうして元気に帰寮してくれたことが本当に嬉しいです。

 日頃から校長から言われることは「あたりまえのことをあたりまえにやりなさい」です。要は、基本的生活習慣の徹底です。朝は7時に起床し、朝食をとり、8時半に登校して……消灯時間に寝るというようなことです。卒業間近の高校3年生に、今更こんなこと言わなきゃなんないのか、とも思います。寮は「生活の場」です。その基本が十分ではなかったことに寮長として大きな責任を感じます。

 長い間、「のぞみ寮は敬和教育の柱」と言われて来ました。寮生が敬和学園を支えている、というのです。実際、いろんな場面でそうだったのでしょう。のぞみ寮教育の目的は、「基本的生活習慣の身についた高校生を育てる」ではありません。もちろんそれはそうなのですが、そのうえで「のぞみ寮心の習慣 自主・自立・自制・思いやり」を身につけ、「敬神愛人」の精神を有する生徒に育ってほしい。これらの心の習慣は、どんなに学校で勉強しても身につきません。実際に自分が生きて、他者と交わって、苦しんで、その中で他者を思いやり、思いやられてみて、はじめて分かります。これらの習慣を身につけましょう。この心の習慣を身につけた人は、卒業後、どんな世界へ行っても必要とされる人間になります。敬和学園設立当時の学園関係者の共通の願いは「この問題の多い世界(戦争と分断の時代)に、愛と平和を実現する自立した若者をどうぞ育てて下さるように!」です。

 コロナ禍は、現代の世界的試練です。「新しい生活様式」の中で楽しく有意義に生きるために工夫しましょう。ワクチンや特効薬ができるまで耐えましょう。神様は私たちが耐えられないような試練を与えられません。皆、疲れ傷ついています。今こそ、互いに思いやり、支え合いましょう。そして祈りましょう。神と共にあるとき、私達に足らないものはありません。(1月11日 開寮礼拝より)

 

 

 

 

のぞみ寮クリスマス ~ディナーメッセージ ~

「神様からの最高のプレゼント」

K.K(大望館3年 神奈川県)

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 皆さんはクリスマスをどのように過ごしていましたか?パーティーをしたりプレゼントを貰ったりといろいろあると思います。私は小さい頃から教会に通っていたので、クリスマスは家族で教会へ行き、キャロリングをしていました。これらに共通することは、「誰かがそばにいる」ことだと思います。クリスマスとは「あなたはひとりじゃない。誰かがそばにいるよ」と告げてくれているものだと私は思うのです。

 私の敬和生活は、いつも誰かがそばに寄り添ってくれました。知らない人もいるかと思いますが、私は1年前に半年間にわたり、声が出なくなりました。その時、私は人とのコミュニケーションを失ったので孤独感に襲われました。想像してみてください。今まで話せていた人と話せなくなり、自分の想いは伝わらなくなります。そんな中、声が出ない私に声を掛け続けてくれる仲間の存在がありました。私はそのような仲間のおかげで、今を過ごせています。

 私はこの敬和に入ったことで、大いに自分が成長出来たなぁと感じています。私は中学時代にあまり勉強に励めませんでしたが、敬和では友達や先輩のおかげでここまで頑張ることが出来て、無事に卒業出来そうです。寮の礼拝委員会ではとても苦労もありましたが、やりがいがありました。やめなくてよかったと思っています。部活動では、声が出ない時期も部活動の仲間や顧問の先生に支えられ、無事に3年間過ごすことが出来ました。改めて思うことがあります。それは、私の敬和生活は、誰かがそばにいて、誰かがずっと寄り添ってくれたということです。

 昨年のクリスマス、半年間出なかった声が急に出ました。なぜ急に声が出たのかわかりませんが、家族はそのことを「神様の奇跡」だと喜んでくれました。でも、「神様の奇跡」は声が出たことだけではありません。私の敬和生活もきっと「神様の奇跡」の連続だったと思います。敬和生活3年間は「奇跡の連続」だったし、「神様からの最高のプレゼント」だったと思います。改めて、寄り添ってくれた仲間と先生方、そして神様に感謝したいと思います。本当にありがとうございます。皆さんも素晴らしいクリスマスと敬和生活をお過ごしください。

 

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「黎明」

N.R(めぐみ館3年 長野県)

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 この3年間で、私に影響を与え私を変化させたものは、ここで出会った人との関わりです。この敬和学園で出会った人たちは、私をとても刺激しました。

 私が敬和学園に入学した理由は、特に何もありません。家を出るのもありかな、という軽い気持ちで来ました。キリスト教の学校ということ以外、敬和がどんな学校かなんて何も知りませんでした。

 私は敬和に入学して、何も考えずに敬和生活を送っていました。自分のやりたいこと、自分にできることをやり、楽しい毎日でした。すべてが順調というわけではありませんでしたが、特に何か目的を持って行動していたわけでもなかったので、適当に日々を過ごしていました。そして、いつの間にか周りの人とある「差」が生まれていたのです。

 世代交代をした時期、周りの人の口癖が「忙しい」になっていました。私はその時全く忙しくありませんでした。自分がやりたいことが何かわからず行動力のない自分になっていました。「忙しい、忙しい」という彼らはとても輝いて見え、何も考えずに来た敬和だけれど、このままではもったいないと感じ、私は初めて自分を変えたいと強く思いました。

 このことが、私がもっと行動力を持ち、積極的に自分の能力を生かせることはないか、と探したきっかけです。そして、評議委員に手を上げたときも背中を押してくれたのは友人で、ダンスチーフに全力で取り組めたのも、隣に全力で取り組む友人がいたからです。自分にできることを探し、協力して作り上げることも経験しました。

 周りの人は、私に沢山の気づきを与えてくれました。成長し続けるためにはお互いの行動範囲を狭めるような関係ではなく、そのような関係を大切にすべきだと思いました。

 私は3年間で沢山の人と関わるようになりました。仲良くなる人を限定してその輪の中で生きる。そんな狭い輪は必要ないし、どんな人とでも関わりを持つべきだと気づきました。また、私は人との関わりの中で、愛と感謝の気持ちを持つことの大切さを日々心に留めています。

 これらのことは全て、決して私一人で気づき変わったわけではありません。沢山の人との出会いと、その人の人間性に触れ、気づかされ、変化してきました。

 何も考えずに入学した敬和での3年間は、とても充実した成長の3年間になりました。めぐみ51のみんな、沢山の気づきをくれて、出会ってくれて、ありがとう。私を支えてくれている人に感謝でいっぱいです。お母さん、おばあちゃん、おじいちゃん、寮の先生方、関わるすべての人、本当にありがとうございます。

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礼拝講師 日比野則彦先生の演奏

 

 

 

のぞみ寮クリスマス

~飾りつけの活動は、各館1年生で~ 新しい試みにもチャレンジ

 

「大変だけど、楽しかった ~大切な仲間と共に~」

R.Y(大望館1年 東京都)

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 うっすらと雪が積もり、より一層冷え込んだ12月は、大きな学びの月になりました。大望館の副ブロック長になり約3ヶ月が経ち、初めての敬和での冬、初めての寮クリスマスと初めてのことが立て続けにありました。

 特に、寮クリスマスではみんなのことを引っ張っていくことが出来るのかと不安と隣り合わせでした。予想は的中し、なかなか意見がまとまらず、飾りつけのプランが変わることもあれば、やる気のある人とあまり関心のない人との間に溝が出来てしまいました。寮クリスマスが果たして成功するのか、一年生全員が楽しめるものになるのか、見当もつきませんでした。さらには、今年の寮クリスマスでは新しい試みとしてスライドショーを作成することになり、スライドの編集作業に追われました。しかし、共通しているのは大変ながらも楽しかったということです。結果、前日の飾りつけ準備の時までに間に合わなかったものの、当日にはセッティングが出来ました。またスライドショーも完成し、流すことが出来ました。寮クリスマスを通して様々な意見をまとめ、1つの「もの」を作り上げる。目的は明確だけれども、その過程はとても複雑で楽しいものでした。 

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年通りではなかったものの、いつもとは違う形で楽しめたのではないかと思いました。この大きな学びを通して、改めて成長するためには仲間の存在が大切だということを感じることが出来ました。

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飾り付けのミーティング(光風館1年生)

 

 

 

寮生リレー

「勝負する」

I.K (光風館1年 新潟県)

 皆さんは、この2021年をどのような目標を立てて、過ごしていこうと思っていますか?僕の今年の目標は、『勝負する』です。今までの僕は様々なつらいことや、大事な局面に自分から勝負せずに逃げ、言い訳をして物事にしっかりと向き合ってきませんでした。『勝負する』じゃなく、『挑戦する』の方がいいと思う人もいると思います。僕も最初は『挑戦』と『勝負』のどちらにしようか悩みました。なぜ、『挑戦』にしなかったのか。それは、『挑戦』というのは新しいことをやったけど『勝負』をしなかったということが自分への甘えで、逃げ道になってしまうと思ったからです。人は逃げ道を断たれることで気持ちに区切りがつき、物事に積極的に取り組めると思います。

 今までの自分は『挑戦』という言葉に甘え、いくつもの事に『挑戦したから』と自分の中で言い訳を作っていました。「それではだめだ!」今年は勝負の年!」だと思ったのです。『勝負』の『勝』は勝つという意味もあります。勝つために勝負するのです。それなら、勝負して勝つにはどうしたらよいか?積極的に物事に取り組む……つまり甘い自分との戦いに勝つ!

 今、この文章を書いている時も様々な誘惑がありますが、耐えながら書いています。これが勝負の始まりだと思っています。

 今年は『自分との勝負』、賭けるのは自分のこれからの人生。どちらに天秤がひっくり返るか。今年の終わりに、甘い自分に打ち勝っているのか?それとも、流され負けてしまっているのか?とてもワクワクしています。

 

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「ステップアップ・レベルアップ」

W.R (みぎわ館2年 新潟県)

 今学期の時間は、3年生に上がるための準備期間だと捉えています。3年生になると言うこと。進みたい道を確実に決めること。そして、後輩を支え、安心して過ごせるよう見守っていくということです。今まで以上に大変になりますが、何より後者の方を大切にしたいと思っています。

 コロナ禍の中ですから、これから迎える新入生には、不安で窮屈に感じてしまう人も多くいるでしょう。

 かつての私は、ひねくれていて、臆病で、卑屈で、誰より孤独でした。誰よりも「目」が汚れていました。それでも,みぎわ館の仲間達や先輩方、先生方は私を受け入れてくれ、がれきの中から、本来の自分を救い出してくれました。そのおかげで、私の心は晴れ、満たされて、成長を感じながら過ごすことが出来ています。

 だから、私は後輩達のお手本に、そして安心出来る人になりたいと思ったのです。

 そのために、私はこの後期の後半の時間は、今まで以上に他者のために動き、日常のありがたさを大切にしたいと思います。

 「自分の進む道」「自分らしさ」「なりたい自分」を確かなものにしていきたいです。ここで出会った仲間達と過ごしながら……。

 

 

【教師からの一言】  女子寮 小菅 真子

 感染拡大防止のため、約束事と行動制限のある寮生活だが、人と関わることの温かさの中に恵みがあることを実感する。3年生のラストメッセージからも敬和での出会いで磨かれた心情が語られ、3年前のあどけなかった表情を思い浮かべながら、胸が熱くなる。表現は様々だが、「楽しい」=「幸せ」ではなく、一つ一つの出来事を積み重ねた先に幸せがあり、そこにはいつも仲間の温かさがあったことを語る3年生が多くいる。携わることの自覚と責任の大きさをあらためて心に思う。のぞみ寮生一人一人の幸せを祈り、感謝して過ごしていきたい。

 2021年もどうぞよろしくお願いいたします。