自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2020/12/07
ごはん(ふりかけ)・サバ塩焼・和風サラダ・白味噌野菜スープ・牛乳・ミニエクレア
サバにアンケートを取ったところ、人からもたれる印象で一番困るのは「サバだけに、サバサバした性格ですね」と言われることだそうだ。それはまさに思い込みによる偏見で、たとえそうではなくても、サバサバしているように脳内で補正をかけ、納得されてしまう。
しかし、とサバの一匹は言う。「しかしね、サバの中にもあっさりした奴も脂がのったのもいる。塩焼きを好むのも、味噌煮が一番相性がいいのもいる。それが個性というものだ。あんたら人間も、日本人なら全員手先が器用で折り紙で鶴が折れると思われても困るだろう」
こんな話は初めて聞くわけではない。あきらめの早い納豆、甘ちゃんのキムチ、高所恐怖症のふりかけ。人間も食材も、作られたイメージから脱却しようともがく。それは集団の中で個を獲得する自我の目覚めである。今日のサバは脂がのり、塩焼きと相性抜群。それは「私が食べたこのサバ」の話であり、600人が600通りのサバとの物語を紡いでいるはずなのだ。
きっと授業もそうで、35人いれば同じ授業を受けていても35通りの感じ方、35通りのドラマがそこにある。可能性はこの秋の空のように無限である。
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