のぞみ寮通信

のぞみ通信

2020/12/03

のぞみ通信 2020年12月1日 第258号

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(題字 めぐみ館2年 S.Aさん)

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アドベントクランツ作り (2020年11月28日)

 

 

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 私が寮長となった2016年、最初の寮務会議で先生方に求めたことが1つだけあった。それは「毎日の打合わせを、聖書を読み、祈ってから始めよう」というものだった。前寮長のS先生は、そこにいるだけでキリスト教が感じられるような人格者で、牧師だった。私は、それに比べてあまりにも普通の一教会員にすぎない。その穴を埋めるのは、私たちが日々聖書のみ言葉に触れ、日々自分の言葉で祈ること。一人ひとりの教師が「祈る人」にならなければと思った。それまで、皆で祈るのは週に1回の寮務会議の時だけだった。

 「人は触れるものに似る」。教師が毎日祈り、祈る人になる。それは、自分の限界を知り、神に依り頼むしかない葦のように無力な自分を受け入れることでもある。そんな教師に日々触れる生徒たちは、いつかきっと自ら祈ることを知るだろう。教師一人ひとりが「祈る」という実態をつくれるか?実態が無ければ、それは決して伝わらない。口だけの表面的な教師はいくらでもいる。それでは「人生は表面的でいい」というメッセージを生徒に伝えることになってしまう。内実のある実態のある教師でありたい。

 今、寮生たちは祈っている。先日、みぎわ館の早天祈祷会に参加させてもらった。朝6時半、香ばしい珈琲の薫りの中、聖書を読み、インターネットで短いお話を聞き、一人ずつ全員(10数人)が祈った。驚かされた。それは形式的な祈りではなく、本当に祈っていた。受験に出かけた先輩のため、疲れ悩む友のため、今日のテストのため……。この祈祷会の発案者である3年のIさんが司会をし、森口先生がコーヒーや機械の準備をしてくれた。心温まるひとときだった。また、昨日はめぐみの有志が、寮の全体礼拝で使用する大きなアドベントクランツを作ってくれた。その制作と後片付けを終えてから、生徒たちは円くなって祈ったのだ。こんなに素敵なアドベント(クリスマスの待降節)の迎え方があるだろうか。

 その日の昼食後には、1年生男女4人が食堂のテーブルの上のパーテーション102枚の両面全ての拭き掃除をしてくれた。心配になった調理師が何度も厨房から顔を出して「テスト期間なんだから、もう止めたら?!」と声をかけるが、彼らは笑顔でもくもくと2時間にわたる作業を続けた。

 これら活動は全て自主的なものです。敬和の教育理念「祈り」「労働」を、(のぞみ寮心の習慣)「自主」的に、生み出している生徒たちを心から誇らしく思うのです。

 

 

 

世代交代~各委員会の年間テーマ~

「北区 ハレルヤレボリューション」

S.K(大望館2年・群馬県)

 今年はご存知の通りコロナウイルスにより、のぞみ寮の生活様式は大きく変化しました。敬和が大切にしている礼拝も放送礼拝にかわり、今の一年生は本来の館礼拝を受けたことすらありません。新礼拝委員は発足してから話し合いを重ね、コロナで礼拝の形が変わっても、むしろ今までの礼拝を変えてさらに良いものとするチャンスだと捉え、新しいコロナ禍にあった礼拝を作っていけばいいという結論を出しました。

 このテーマには、のぞみ寮がある北区からの礼拝での神への賛美、つまりハレルヤに、新しさを、皆さんに新感覚を味わってほしいと考え革命「レボリューション」を起こそう!という願いを込めて、このテーマにしました。今は歌えませんが、讃美歌を皆で奏で、聖書を読み、お話を聞いてください。今まで気付かなかった仲間の姿に気付き、より結束が強く、よりよい人間関係を礼拝を通じて培っていければと思います。そして私たち礼拝委員もそうなることを願い、全力でサポートをしていければと思っています。こののぞみ寮が礼拝を通してさらに良い場所になっていくことを願っています。

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「整美しか勝たん!~埃(ほこり)を捨てて、誇り(ほこり)を持とう~」

M.R(光風館2年・新潟県)

 整美委員会のテーマは「整美しか勝たん!~埃を捨てて、誇りを持とう~」です。 

 整美する=自分、又は誰かのために時間を使い、労働をするという思いやりの心だと思います。私はのぞみ寮の生活において「思いやり」は重要なことだと思います。辞書には、「すぐ使えるように準備を整える」とありますが、ただ、キレイにするのではなく、思いやりを持ってキレイにして欲しい=「整美しか勝たん!」という言葉に思いを込めています。「~埃を捨てて、誇りを持とう~」の中には、汚れやゴミを無くし、キレイにするという意味と、キレイになった自分達の館に自信と誇りを持って欲しいという願いを込めています。私は、○○委員長と言う役割は初めてなのですが、きれいな寮で快く生活をしていくために、各館の整美委員と力を合わせて活動をしていきます。どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

「コロナVSオレらの行事」

O.R(大望館2年・新潟県)

 今年はコロナの影響で思うように行事が行えていません。そんな状況ですが、コロナに負けず皆さんに楽しんでもらえる行事を企画していきたいと思い「コロナVSオレらの行事」とテーマを決めました。

 感染症対策に追われる毎日で物足りなさを感じている人も多いのではないでしょうか?行事は寮生活においてなくてはならないものだと私は思います。コロナ禍でも、コロナ禍だからこそ出来ることがきっとあるはずです。制限が多い中ですが、試行錯誤を重ね、新しい行事の形を作っていこうと思います。至らない点も多いですが、52回生行事委員のみんなと精一杯がんばります。よろしくお願いします。

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「 What time is it now ? 」

H.K(みぎわ館2年・神奈川県)

 テーマは、「What time is it now ?」です。生活規律の中で一番に考え、がんばらなければと思ったのが「時間」だったからです。例えば、食事に来る時間、館内へ帰る時間です。ひとり一人が自覚を持ち、決められた時間を意識して生活をしてほしいという願いを込めています。

 前生活委員長は私の館の先輩で、「今の館より住みやすい寮」にと活動している姿がかっこよく、憧れでした。コロナ禍の中、いろいろなことが以前のように行うことが出来ず、制限があるものもあります。今だからこそ、出来る範囲で皆がより快適に過ごせるために何か力になれないかと思います。生活規律委員は、心を込めた活動していきます。

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「めざせ!しんべヱ お残しは ゆるしまへんで」

S.R(みぎわ館2年・静岡県)

 私は友愛館で食事をする時間が大好きです。朝眠くても、一日過ごして疲れていても、大好きな仲間と一緒においしいごはんを食べて、笑って、いろいろな話をするとすごく落ち着くし、パワーをもらえます。テーマは「めざせ!しんべヱ お残しは ゆるしまへんで」です。皆さんにとっても食事の時間が幸せなものになってほしいという思いを込めて「目指せ!しんべヱ」としました。

 そして「お残しは、ゆるしまへんで」には、調理員さん方への感謝を忘れないでほしいという思いを込めています。残食をしないでとだけ言っているように聞こえますが、残食をしないことが感謝を示す一つの方法だと考えます。“苦手なものも少しずつ食べてみる”や“朝昼晩の三食を考えて間食をする”など工夫して、友愛館で食べるごはんを楽しんでいただけたらと思います。

 今は、これまでの食事委員の先輩方と皆さんのおかげで残食の量は少ないです。これからも食事を支えてくれる方々へ感謝をして、おいしくご飯を味わいましょう。

 

 

「ゴミを拾ってゴミ箱へGO!」

H.K(めぐみ館2年・福島県)

 リサイクル委員会の新しいテーマは、「ゴミを拾って、ゴミ箱へGO!」です。このテーマには、色々な思いが込められています。

 まず、コロナウイルス感染予防をしなければならない現在のコロナ禍で、ゴミを触るということはあまり良くありません。そのため、ゴミ捨ては、各館の先生がしてくださっています。また、ゴミ拾いの活動もできなくなってしましました。そこで、この状況でリサイクル委員会にできることはなんだろうと考えました。その結果、「個人個人が出すゴミをしっかりゴミ箱へ捨てる」ということをもう一度確認してやっていくことが大事だという話になりました。

 コロナウイルス感染拡大を防止するために、まずは、自分のゴミは自分でゴミ箱に捨てること。さらに、鼻水をかんだティッシュはそのまま捨てるのではなく、またティッシュに包んで捨てたり、しっかり丸めて捨てたりなど、工夫をしながらゴミを捨てて欲しいです。これから1年間、どうぞよろしくお願いします。

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寮生リレー

「私の望むこと」

M.S(光風館2年・新潟県)

 最近進路のことについて耳にする機会が増えました。2年生も本格的に進路について考える時期です。次の進路が決まっている3年生も多くいます。高校を卒業したら、そう遠くない将来に社会に出て仕事をする事になるんだと思うと、イヤでも将来のことが頭に浮かびます。僕は、仕事を持って働くということに良いイメージを持つことが正直できません。仕事は辛いとか、学生の時の方が楽だったとかいう言葉を耳にするからです。ですが、仕事は生きていく上で大事なことだし、ずっとつきあっていかなければならないものです。どうせなら、やりがいを感じることができたら充実して生きていけると思います。私は仕事を辛いものにしたくないと願ってやみません。これは私の望んでいることの一つです。他にも望んでいることはあります。

 皆さんの望んでいることはいったいなんでしょうか?お金持ちになることでしょうか。大切な人と一緒に過ごすことでしょうか。誰でも自分なりの幸せがあり、望むことがあると思います。しかし、その幸せや望みが満たされてしまったとき、感謝の念を抱くことは意外に難しいのかもしれません。同じ一日を繰り返していると当たり前になるからです。だからこそ、自分の生き方を考えることは大事だと思います。満たされているときでも、満たされていないときでも、自分はどう生きるかを考えると、間違った生き方をするとは思えないからです。だから僕は、いつも自分に問いながら生きていきたいです。

 

 

「今が一番楽しい」

K.M (めぐみ館2年・兵庫県)

 私は、中学一年生の頃に敬和のことをしりました。知人の息子さんが行くと言うことで紹介されました。当時の私は、兵庫県から出る考えはありませんでした。中学3年生になった頃には敬和のことは忘れており、家から近い高校を受験し、無事に合格しました。しかし、私が想像していた漫画のような高校生活は全く無く、やらなければいけない課題の多さに毎日発狂しそうになりながら過ごしていました。そして、些細な出来事がきっかけで学校に行けなくなりました。その頃の私は、色んなことに対してネガティブに捉えていました。そんな時に知人に後押しされ、「自分を変えるチャンスかもしれない」と思い、敬和に転入することを決意しました。しかし家族や親戚、友達、知り合いもいない、行ったことの無い所へ行くことにとても恐怖を感じていました。それでも、何かの縁かもしれないと長い間考えようやく決断し、今に至ります。

 敬和に来て、とても楽しく過ごしています。私の学校生活の中で今が一番楽しいです。突然来た私に、めぐみ館の皆さんやクラスメイト達が優しく接してくれました。私にしてくれたように、私も分け隔てなく優しく人に接することが今よりもできるようになりたいです。先輩や後輩と関係を持つことが目標でしたが、その目標は達成できました。次は、先輩後輩関係無く、バカみたいなことをして笑い合えるような人になることが目標です。そして、来年度入ってくる1年生と私は誰よりも仲良くできる、そんな先輩になりたいです。寮で過ごしている期間はまだ短い私ですが、これからもお願いします。

 

 

 

教師からの一言    女子寮 森口 みち子

 災いの中にも恵みあり。今年度初めに寮長が述べた言葉です。言葉の通り、恵みを感じる毎日をのぞみ寮生と共に送っています。日々いろんなドラマがありますが、今学期は特に「祈り・祈る」が私のキーワードです。食事の時に、起きがけに、寝る前等、いろんなタイミングで自分のこと・仲間のことを祈り、祈り合う寮生の姿を目にします。彼らのお陰で私の祈りの機会も増えました。より豊かに共に歩み共に学び、共にここで確実に生きています。感謝。