自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2020/10/02
菜めし・ししゃもから揚げ・茎わかめサラダ・とんこつ野菜スープ・牛乳・ミニエクレア
10月に入り敬和の桜も少しずつ赤く色づいてきた。朝晩の寒暖差も大きくなり、登校時にブレザーを着て来ても日中は暑いという日もあり、体調管理が難しい。昨夕は急な驟雨があり、近くの海上では竜巻があったらしい。秋の日はつるべ落とし、遅バス発車の頃には真っ暗である。
例年、敬和では「秋の陣」なるイベントが発生する。これは、生徒がなんとなくざわざわと落ち着きなく、生活指導の諸問題が発生することである。戦国時代なら「夏の陣」と「冬の陣」だが、敬和はなぜか「秋」。この時期の先生方は一匹の子羊を追うのにあわただしく駆け回り、5限を終えたころにようやく昼食ということもある。
短時間で、少ない労力で、最大の結果を出すことこそ、賢く有能なのだという新自由主義経済では、逃げ出した子羊など真っ先に切り捨てられる存在であろう。あちこち躓き、手がかかり、面倒くさい。しかし、そんな弱い存在にこそ神様の栄光が現れると信じて教育の業を担う教員。その教育環境を保つために日々陰ながら仕事をするエッセンシャルワーカーの職員。
一匹を追い続けるあまり、他の99匹を路頭に迷わせるのか。たまに頂く正論めいた極論に落ち込むことも多い。しかし、敬和の99匹はそんなに自己中心的ではない。次に自分が迷ったら、きっと自分も見つけ出してもらえるに違いない。そう信じて待つことができる群れである。秋の陣はその群れとなるための大切な通過点なのである。
(S・K)