のぞみ寮通信

のぞみ通信

2020/10/01

のぞみ通信 2020年9月30日 第256号

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(題字 めぐみ館2年 S.Aさん)

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「世代交代」礼拝委員が初めての全体礼拝に挑戦

 

 

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 後期の開寮礼拝から約一月が経ちました。9月の猛暑の中、発熱者が続き、自宅に帰る者、隔離室で休む者、ホテルに移動する者が複数名いましたが、生徒の「寮の新しい生活様式」への協力と寮務教師の献身的な活動と保護者の皆様のお祈りのお蔭で、これまで一人も命を落とすことなく、PCRに回るも陽性者を出すことなく、生活が守られたことに心から感謝しています。

 私からすれば生徒が生きていてくれさえすればいい、そんな願いの日々でした。しかし、生徒達の姿は、私の目には眩しいくらいの輝きを放っていた一か月だったように思います。

 先日、部屋替えが行われました。光風館の3年生は、その組み合わせを「くじ」で決めたそうです。普通は寮生活最後の部屋を仲良しと過ごしたいと願うものですが、彼らは悩んで話し合った末にそう決断したそうです。その様子を感慨深げに澤野先生が報告してくれました。私が嬉しかったのは、彼らがあえて困難な道を選んだことです。凄いなと思わされました。つい先日の新ブロック長長を決める時もそうでした。ブロック長4人の中の代表を決める時、4人全員が立候補したのです。1時間以上話し合っても結論は出ず、結論は翌日に持ち越しになりました。それでも話し合いで決まらず、結局「くじ」になりました。その理由を聞く私に、Nさんは「誰が長になっても、みんなで協力すると意見が一致したので」と爽やかに語ってくれました。

 コロナ禍の中、生徒は私たちの想像以上に、悩み考え成長しています。そうでなければ、めぐみ館のブロック長に2年生が全員立候補したり、光風の3年生の姿や新ブロック長の4人の決断のような有り様はないと思うのです。おそらく彼らの中に、生きていることへの感謝と何事かにチャレンジしたい思いが無意識にでも湧き出している、そんな風に私には思えるのです。

 行事委員長の大望館のH君は、昨日「逃走中」という大勢参加できるレクを企画してくれました。私がその理由を聞くと彼は「みんなに楽しんでほしかったんです」と。災いの中、生徒達は生きる術を自ら探究し、ここで精一杯逞しく生きています。みぎわ館のある3年生部屋は、寝る前に3人で祈るそうです。その話を聞いて、私は涙が出そうになりました。どうぞ寮生の健康と成長のために引き続きお祈りください。

 

 

 

 

~フェスティバルより~

「人と関わることの大切さ」

N.Y(みぎわ館1年・新潟県)

 私は敬和に入って、以前よりいろんな人と関わるようになりました。最近クラスの人ともよく話をするようになり、フェスティバルの準備でもたくさんの人と活動しました。その中で分かったことは、一人一人みんな素敵な長所を持っているということです。この人はこんなこと出来てすごいなって思ったり、こんな考え方もあるんだと気付いたりすることがたくさんあります。それはとても面白いし、人の長所に気付くことで自分の学びになることもたくさんあります。最近ではフェスティバル準備でみんなを上手くまとめている人を見てすごいなぁと思いました。私は大変な時、いつも自分のことで頭がいっぱいになってしまうのに、その人は周りを見て、配慮し、アイディアを出して周りにしっかり伝えていました。その人の姿を毎日見ながら、最初はすごいなぁと思うくらいでしたが、徐々に私もそんな人になりたいと思うようになっていきました。

 みぎわ館での毎日の生活ではたくさんの人と関わって過ごすことができます。その中でみんなの長所にたくさん気付き、よく見て、吸収し、少しずつであっても成長していきたい、なりたい自分になっていきたい、自分探しをしっかりしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします!

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「アートチーフを経験して」

W.H(みぎわ館3年・新潟県)

 私は今年度のフェスティバルでアート部門のチーフとして連合活動に参加しました。アート部門は今年度初の試みで、チーフである私も右も左も分からない状態でのスタートでした。それゆえに、大変なことや困難なことが多かったように感じましたが、それと同時に大きな気付きや成長もありました。

 元々、人前で発言することや行動することが苦手な私には思っていた以上に大きな壁がいくつもあり、自分がチーフになって良かったのだろうかとフェスティバル当日まで不安で押しつぶされそうになる日々が続きました。しかし、そのような中でも諦めずに連合旗を完成することが出来たのは仲間の支えがあったからだと、終わった今改めて気付かされています。

 ある人は一緒に夜遅くまで学校に残り、制作に協力してくれました。寮に帰ってからは仲間がたくさん声をかけ励ましてくれて、思い返してみると多くの仲間が私のことを支えてくれていました。感謝すると同時にほんの少しですが自分に自信を持てた気がします。

 今回のフェスティバルは、私にとって成長するための大きなチャンスだったと思います。以前はあまり前には出ず、見えないところで誰かのサポートをすることが多かったのですが、アートチーフを経験し、リーダーシップを学び、人前ではっきりと発言できるようになりました。そして、フェスティバルで新しく出来た仲間をこれからも大切にしたいです。

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「多くの人に支えられたフェスティバル」

H.H(大望館3年・新潟県)

 私にはひとつ自負していることがあった。それは人と巡り合う運が良いということ。

「やっと準備期間が始まった!」と楽しくなったが「みんながこの雰囲気を楽しめる環境を作れているのか?」と不安もあった。仕事はどんどん増えたが、そんな忙しさも楽しくて仕方がなかった。1・2年生が楽しそうに取り組み、初対面の私にも気軽に話してくれた。合唱・ダンス・競技の本番前、みんなで士気を高め合い、一体感を感じたことも、終わった後の楽しそうな表情を見たことも嬉しかった。この時、やはり人と巡り合う運が良いということを再認識した。

 表彰の時が来て結果は6位。私の心の中は、悔しい気持ちでいっぱいだった。しかし、隣の総合チーフから「連合の人が『やっぱり俺らのNo.1はHさんっすよ』って言っていたよ」と声を掛けられて「そんな風に言ってもらえるのか」と泣きそうなくらい嬉しくなった。最後の挨拶では何を言ったのか覚えていないが、連合のみんなから言われた言葉を思い出し、その場で泣いてしまった。でも、そんな涙も恥ずかしくなく、誇らしさを持っていた。

 予想外のことが多かったが、全て良い方向に行き、楽しい、嬉しいと思えることしかなかった。それは周りに恵まれ、みんなが良い方向へ導いてくれたおかげだと感じている。今回で学んだことは、自信を持って行動すれば成功するということ。どんな時でも一人じゃないということ。自信がなかった私も多くの人に支えられ、自信を持つことが出来た。改めて全ての人へ感謝したい。

 

 

 

『寮生リレー』~後期の生活に思いを乗せて~

「さらなる成長を目指して」

F.K(光風館3年・新潟県)

 思い返せばあっという間に過ぎていったのぞみ寮生活。51回生にとっては進路、そして卒業に向けての準備をしなければならない大事な時期。そんな中、寮では3年生最後の部屋替えをすることになった。ミーティングが始まり、最初に提案されたものは「自分が苦手な人の名前を言う」と言うものでした。そして「仲が良い人同士だけの部屋」にはならない様にすると言う案が出ました。この案には全員が納得しました。しかし、最後の部屋替えなのになぜ自分が好きなメンバーと一緒になれないのかと疑問に思う人もいました。確かに過去の先輩たちは、仲の良い人同士が同じ部屋になっていました。私もその光景を見て「三年生になったら誰と同じ部屋になろうか」を考えていました。自分が一緒にいて楽しい人となれば寮生活が今よりもっと楽しく過ごせると。最後を飾るための一つの思い出になると思います。そうした意見もあったので「好きな人同士で組み合わせる」と言う案も出してみました。すると、前からこの人となりたいと決めていた人はスムーズに決まったものの、誰となろうかと考えている人がいて、なかなか決まりませんでした。

 最終的には第一案の方が偏ることなく決められるということで、第一案に決まりました。割り当ての結果、良くも悪くもないという人も少々いましたが、私はこの部屋替えで、三年生がさらに成長出来ることを願っています。

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「全員立候補~めぐみ館52回生の思い~

T.T(めぐみ館2年・長野県)

 私たちめぐみ館52回生は今回のブロック長選挙に全員立候補しました。みんなで何度も話し合い、ブロック長は決してその館の偉い人ではなく、館のみんなが心地よく生活できるようにするためにサポートする立場の一人であると考え、誰がブロック長になっても全員で支え合いながら52回生らしいめぐみ館にしていくと決めたからです。もちろん中には立候補したくないという人もいました。「私にはできない」と言う彼女に皆、「大丈夫、助けるから」と温かい言葉をかけていました。「皆で助け合うこと」これは寮生活において当たり前のことかもしれませんが、私たちにとって大きな成長でした。

 私たち52回生には人任せにしてしまうところがありました。副ブロにすべて任せてただ自分たちがやりたいことだけやっていたように思います。ミーティングも面倒臭いオーラ全開の人や不機嫌な人など空気が悪いときは本当に最悪でした。そんな私たちがこのままではいけないと気づき毎日ミーティングを重ね、みんなで助け合っていこうと一つになれたことは本当に大きな一歩です。ブロ長選挙当日、一人ひとり自分の思いを演説しました。52回生とならできる、自由あふれる楽しい館にしたい。それぞれの思いをみんなから聞けてとても嬉しかったです。

 「全員立候補」はのぞみ寮としては珍しいことなのかもしれません。でもこれは特別なことをしたわけではなく52回生らしさが出せた結果なのではないかと思います。これからも52回生らしさを大切に、皆で支え合いながら世代交代を進めていきたいと思います。

 

 

「全員で卒業するために」   

S.R(大望館1年・新潟県)

 入寮してから約四ヶ月が経ち、夏が過ぎ、少し涼しく感じるようになりました。今年はコロナウイルスの影響があり、期待よりも不安のほうが大きかったです。「いつになったら学校が始まるのか。いつ入寮出来るのか」という待ち遠しさもありました。そして、待ちに待った入寮。僕は期待があった反面「先輩と仲良く出来るか。上下関係が厳しいのではないか」などの不安もありました。しかし、入寮日当日の鬼ごっこによって、その不安はすぐに無くなりました。その後も先輩方に良くしてもらったり、相談に乗ってもらったり、同じ空間で寝たりすることで「寮生活が楽しい!」と思い始めました。その反面、今の生活で改善したいところもありました。そこで、僕はあることに挑戦してみようと思いました。それは、副ブロック長選挙への立候補です。

 大望館53回生はグループを作ってしまいがちです。それが改善したいところでもありました。僕はグループを作ることに反対しているのではなく、グループを作ることによって喋る友達が限られてしまうことに反対しているのです。僕たち大望館53回生は「全員で卒業する」という目標を掲げています。その目標を達成するためにも選挙へ立候補しました。しかし、結果は落選。その日はとても残念で落ち込んでしまいましたが、全員が楽しく生活し、そのまま全員で卒業したいので、これからも前を向いて歩み、副ブロック長のサポートをしていきたいと思います。そして、僕の長所である“人を笑顔にする”というものを生かして生活していきたいと思います。

 

 

 

【教師からの一言】 女子寮 小林 渚

 フェスティバルはできないかもしれない。そんな不安を抱えながらスタートした今年度。与えられたのは一日だけ。その一日を精一杯楽しみ、キラキラと輝く寮生の姿がありました。「神様、ありがとうございます」この言葉に尽きます。コロナ禍の中であっても決して立ち止まらず、前を向いて、与えられる日常を一歩一歩力強く前進する寮生達。大きな励ましと希望をもらっています。