クラブ活動

混声合唱部

2019/05/09

<混声合唱部> クラシックストリート出演

 5月5日(日)クラシックストリート出演 ~揺れる時代の中で~

 

 時間が全てを押し流していく。悲しい過去、破れた夢、甘いロマンス、一編の詩、握った拳と悔しさ、少年の憧憬、老人の郷愁、少女の涙、誰の目にも触れられなかった絵画、電子の海を飛び交う無数の会話、世界のどこかで響く銃声と倒れる人々、すべてはセピア色に変色し、流れる今という川底に、地層のように堆積し埋もれていく。元号が切り替わり、まるで私たちは旧人類のように置き去り。平成生まれが、2000年生まれが初めて学校に入学したときに驚かれたように、今度は令和生まれがやってくるのだ。

 私たちは今を生きる。しかし今とは、未来にとっての過去だ。クラシックが古典的、という意味ならば、我々の文化、音楽もいつかはクラシックな存在となる。私たちは、未来にとってのクラシックなのだ。

 だから私たちは歌う。今という瞬間をこの体に、心に刻み込むために。体験の共有こそが人間にとっての過去の意味だ。音楽を共有した30分。この時間は永遠だ。この体験が過去となり、記憶の中だけのものとなっても、それが美しく川底の泥の中で輝くことがある。そんな宝石を人生の中で幾つ持つことが出来るか、きっとそれが大切なのだ。

 この日来て下さった多くの観客の皆様。きっと初めて、何となく足を運んでいただいた方もいらっしゃるだろう。それぞれの人生が交差し、道が交わり、コンサートを終えまた道は別れる。その一瞬の交差にまばゆい輝きが生まれ、その後の人生を照らすような、そんな演奏を今後も追及していきたいと思う。ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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