のぞみ寮通信

大望館

2016/10/31

大望館通信 2016年10月31日 第250号

<部屋替え>
 今年度二回目の部屋替えを行いました。毎回この部屋替えは悩みます。だれとだれを一緒にすればいいのか、何階にすればいいのか、考えれば考えるほど深みにはまっていきます。とりあえず今まで一緒になったことのない人同士というのはもちろんですが、他にも色んな思惑の中で決めさせてもらいました。部屋替えをする意味として、いろんな人とコミュニケーションをとってほしいという想いがあります。仲の良い友人との関係を大切にしつつ、今まであまり関わりのなかった人、あまり話をしたことのない人との交流の機会にしてほしいと思います。

2階メンバー

 コミュニケーションとは簡単に言えば、話をする、聞く、といったことです。一緒に生活すれば、特に同じ部屋になれば、仲間の良い部分や悪い部分は必ず見えてくるでしょう。そんな時に、ただ一緒の空間にいる、一緒の時間を過ごすだけでなく、もっと深くて濃い交流をしてほしいと思っています。ふざけあい、語り合い、悪い事は注意する。そんな関係を築いていってほしいと思います。
 ちなみに今回の部屋替えはとてもスムーズに短時間でおこなえました。さらにそのあとの大掃除、部屋掃除も全員で館内をキレイにしようという気持ちが伝わってくるものでした。その甲斐あって、今の大望館は非常にキレイになっているように思います。ここで大切なのが、これを持続させようという意識です。これは数人の人が思っていても意味がありません。全員が大望館の美化に関心を持たなければいけないのです。これは難しいことではありません。ゴミは捨てる、見つけたら拾う、使ったら元の場所に戻す、スリッパを下駄箱にいれるなど、すべて数秒でできることです。この数秒だけでも美化について意識するだけで結果はだいぶ変わってくるでしょう。この部屋替えを機に新しい人間関係、館内の美化に積極的になってほしいと思います。(堀越)

3階メンバー

4階メンバー

大望・光風合同行事

大望行事

礼拝風景

料理男子

 

 

<礼拝のお話>

「人生の先輩」          I.Y(1年) 長野県長野市

 私が持っている将来像についてお話します。私は家が好きなので建築設計士になりたいです。私は車が好きなので車両デザイナーになりたいです。私は軍艦が好きなのでそれ関係の会社に入りたいです。このたくさんの夢を与えてくれたのは、私にとってとても偉大な二人の「じいじ」です。
 一人は、「しげじいじ」と呼んでいる、母方の祖父です。年に3,4回しか会えない二級建築士の祖父です。小さいころは、会社のオフィスで遊ばせてもらった思い出があります。そこで触れた建造物の魅力、さりげなく話してくれた建築士という仕事のやりがいなどが、今の私の夢を形作ってくれました。
 もう一人の「太田じいじ」は近所の優しいおじいちゃんです。物腰がやわらかく、80歳になっても趣味の歩き旅をする元気な人でした。幼稚園の頃から平日も休日もじいじの家に行っては遊んでいました。遊んだといっても庭を下水管が見えるまで掘ったり、ノコギリやトンカチを使ってたんすや椅子を作ったり、一緒に円形の花壇を作ったり、チョークで道一杯に絵を描いたり……。今思えば叱られてもおかしくない事もたくさんしていましたが、好きなようにやらせてくれたおかげで、今はもの作りに対する特別な興味を持っています。また、日本全国いろんなところにも連れて行ってくれたおかげで、私は日本そして外国にも興味を持ち、世界的なものづくり産業に夢を抱くようになりました。太田じいじは二年前に亡くなりました。血縁関係もなければ、古い友人関係でもない……でも、私を孫のように面倒を見てくれて人生で大切なこともたくさん教わりました。今の自分が太田じいじから受けている影響はとても大きいと思います。
 みなさんは、年配の知り合いがどのくらいいますか。教会にはたくさんの年配の方が通っているので、そのつながりでよく話すという人もいると思います。しかし反対に、鬱陶しがったり、忌み嫌ったり、酷い言葉を吐く人もいるかもしれません。ですが、遠い先輩であるおじいちゃんたちは、たくさんの経験と知識を持っています。私が二人のじいじに夢と、今の自分と、たくさんの思い出を恵んでもらったように、たくさんの大切なことを与えてくれる偉人です。今の年頃だとなかなか年配者と話す機会を得るのは難しいかもしれません。しかし、自分に足りないものを見つけたい時、親や同年代に理解してもらえない話がある時、そういう年配者の人に相談するのはひとつの手です。それにそういう年配者と話せる機会は、高校・大学時代が最後になる人も少なくないのではないでしょうか。この寮で同年代の人と生活し、話している今、こういう話をするのもおかしいことかもしれませんが、今だからこそ聞ける年配者の教訓を、自分たちの糧にして次の時代に受け継ぐことが大切だと思います。