自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
小西二巳夫(校長)
前期終了後の職員会議
7月の下旬、前期終了礼拝が終わった直後の職員会議は時間がかかります。それは成績判定会議の場でもあるからです。この会議を経て前期の成績が確定します。とくに3年生はその成績が1年次2年次のそれらと合算されて、五段階評価による評定平均値となって調査書に記載されます。調査書の成績次第で進路が拓かれますが、逆に考え直したりしなければなりません。特別指定校推薦によって進学を考える人には、その大学が求める評定平均値をクリアーしていなければ、学校として推薦することはできません。そういう意味でもシビアな会議です。今回3年生の成績をみて感動しました。評定平均値が4.3以上をA段階といいますが、約60人がA段階だったのです。この数は3年生全体の約3分の1です。この数字に学習にしっかり取り組んだことが表われています。それが別の数字にもそれが出ています。それは欠課時数(日数ではありません)が大変少ないのです。どのクラスも半分以上の生徒が1時間も休まない皆勤か、ほとんど休まない精勤でした。3年生のクラスごとの名簿を目で追いながら、そして本人の顔を思い浮かべながら気がついたことがあります。それは脳裏に思い浮かぶ3年生の表情は一様に素直さにあふれているということにです。
カキ氷の食べ放題はいつからですか
夏休みに入ってすぐの夕方です。部活を終えて迎えを待っていた2年生のA君が、あいさつをした後に言いました。「校長先生、かき氷の食べ放題はいつからですか」。「えっ、あれはなあ、食べ放題とちゃうで、一人一杯やなあ、何回かするつもりやけどなあ・・・」。暑い中で部活に励んでいる生徒に、たまには差し入れをしてやりたいと思うのが人情です。その際、いつ何を差し入れるか、何人来ているか、などタイミングと数を把握するのは至難の業です。そこで数年前から学校前のエミタイのおじさんにお願いをして、部活名と自分の名前を申告すれば、カキ氷などが食べられる方法にしました。お金は後からまとめて払いに行きます。「かき氷の食べ放題」と言うフレーズは今夏最高かもしれません。そして、そういった際のA君の言葉と表情には1年後の3年生に重なる素直さを見ることができました。
ゴロゴロするジャガイモをゴロゴロに詰めて
夏休みに入って2週目の日曜日、新潟教会の礼拝前のことです。部活で寮に残っているBさんが、暑い日差しの中、通称ゴロゴロ(キャスターのついたトランク)を引っ張りながら教会に入ってきました。ゴロゴロの中にはジャガイモがゴロゴロ入っていました。それは彼女たちが寮の空き地を耕して育てたジャガイモです。たくさん採れたとのことで、日頃お世話になっている教会で使ってほしいと、汗だくになりながら運んできたのです。Bさんの行動を目の当たりにしてわたしは思いました。「何と素直な行動がとれるんだろう」。
神様に委ねて、素直さを持った存在に育てることが学校の使命
敬和学園は生徒たちに、しっかり学んで欲しい、しっかりとした成績をとって、しっかり大学等へ進学してもらいたいと、つねに考えています。しかし教師や親がいくら高圧的に「勉強しなさい」といっても、本当の意味で学ぶ人になっていきません。今回の成績判定会議の結果からあらためて確信したことがあります。それは学ぶ姿勢を持つ人になってもらうためには、まずその人の素直な部分を引き出すことだということです。大きく育つためには、そして物事を深く受けとめられるようになるためには、何にもまして素直さが必要だということです。そして、その人の中心に素直さを持った存在に育てることが学校の大切な使命です。素直さを持つ人になってもらうために、大人がじっくり時間をかけて育てるなら、子どもを信じて神様を信じて手立てを尽くすなら、かならずそういう育ち方をするのです。敬和学園の3年生がそれを証明してくれています。わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」(コリントの信徒への手紙Ⅰ 3章6節)