月刊敬和新聞

2009年11月号より「通生の一歩先を歩んでいる寮生」

小西二巳夫(校長)

寮体験プログラム
 「『母さん、敬和学園で充実した高校生活をさせてくれてありがとう。ぼくは幸せな子どもです。・・・一つだけわがままを言わせてもらえるなら、寮生活をしたかったです』と息子に言われました」、とある敬和の会で卒業生の保護者の方が話してくれました。寮教育は敬和学園の教育の中心にあります。寮が在ってこそ敬和教育が成り立ちます。それは寮が人間教育に始まり人間教育に終わる場所だからです。以前から願っていたことがあります。通生に何らかの形で寮教育を受けてほしいということでした。それを具体化したのが10月に実施した「寮体験プログラム」です。日曜日夜の全体礼拝から金曜日の放課後まで五泊六日のプログラムに10人が参加してくれました。参加者の感想文には、日頃は当たり前で気づかない親の愛情と存在への感謝が素直に綴られています。親子関係を見直すきっかけになったようです。それと同学年の友人への畏怖が書かれていました。寮生活は楽ではないけれど楽しいことを知り、中身の濃い一日一日を過ごしている寮生を目の当たりにして、大いに刺激を受けたようです。

寮生の人間的成長
 寮体験プログラムは通生だけではなく寮生にも意味あると考えています。寮生活を始める通生を目の当たりにして、しばらく前の自分を思い出します。あれこれある寮生活のきまりを教えることによって、成長した自分を知ることができます。それに父母への感謝等も通生を通してあらためて受け止めなおすことができるのです。通生を自分たちの生活に受けいれるためには、それなりの準備が必要です。気遣いをすることが求められます。それが寮生のさらなる成長につながると考えました。 寮体験プログラムを通してあらためてわかったことは、寮生は人間的成長において通生の数歩先を歩んでいるということです。

保護者への感謝の手紙
 その寮生に日ごろ考えている親・家族への感謝を、各地の敬和の会で保護者にお渡しするため、手紙にしてもらいました。2年生のそれを紹介します。「母へ いかがお過ごしですか。こちらはいろいろありますが楽しくやっています。さて、敬和にきて早1年半が経ちました。長期休みに家に帰った際に見せる私の姿は成長していますか。私は寮に入り毎日悩んでいます。約6割は人間関係のことです。自分の何が人を傷つけるのだろう。どうすればもっと心を開いてくれるのだろうか。最近少しずつですが、人をイラッとさせる部分をしっかり認めることができました。・・・寮生活でしっかり大人になるための鍵を見つけます・・・。このような悩みを抱え込んでも親身になって相談に乗ってくれる友達が同じ寮の中にたくさんいます。こんな素敵な場所に行かせてくれた母や父にすごく感謝しています」。

輝いた高校生活
  同じ2年生の一人が次のように書いています。「お父さん お母さん。今自分は敬和学園の寮で過ごしていますが、毎日がとても楽しいです。9月に入り残りの敬和生活が半分を切ってしまったと思うと胸が痛くなりますが、まあ元気にわいわいやっています・・・。まずお母さん。「生活に何か必要なものはちゃんと足りているか?」「お金は送らなくて大丈夫か」と電話でこっちの生活を心配してくれてありがとう。何も心配要りません。そしてお父さん、敬和学園を強く勧められ、最初はあまりの乗り気でなく、不安でしたが、今は上に書いたとおりとても楽しく、たいそうな言い方をすると、自分は今「輝いた高校生活」をしているのかもしれません。この学校に入らなければ会えなかった友だち、先輩・後輩、先生たちがいます。その人たちに出会えたことと、この学校を勧めてくれた父にとても感謝しています。自分は今とても恵まれていると思います。敬和学園でこうして充実した日々を送っていられるのも、父と母のおかげです。本当にありがとう」。 自分の学校生活を輝いているといえるのは、それだけ磨いてきたからです。自分で、そして周りの助けを借りながら、するべき体験を重ねていく、それが人間を磨くことになります。ますます輝いてもらいたいとの願いを持って、日々の人間教育に励みたいと思います。