自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2009/12/06
<叫び>
「先生やばい!」先々週の土曜日だったと思います。兵庫出身のK君。
入って間もなくスパイクになれず、ラグビーの練習中に足をくじいてしまったらしく、時間が経つにつれて段々痛さがましてきてどうしようもなくなり、急患センターへ。行った先の急患センターは新型インフルエンザの患者らしき人だかり。その中ひとりケンケンして受診室へ。帰ってきた彼の足にはギプスがはめられていました。ヒビが入っている疑いあり・・・。
しばらく彼は松葉杖生活を余儀なくされました。しかし、痛みが和らいできてどうやらヒビは入っていなかっていなかったんだろうと判断したのか、その生活のあまりの不便さに、彼は信じがたい行動をとるのでした。
事の発端は、風呂につかったことから始まります。ギプスの中に水が入ってしまった事。これがきっかけとなりました。何処から聞いたのか、水が入ったらカビが生える。そんな情報を耳にしていたK君。自分の足にカビが生えている。そんな状況を想像していてたまらなくなり、ギプスを外そうと小さなノコギリでギプスを切り始めたのです。
切り始めてしまったらもう後には引きかえせません。日曜日の夕食後。何故またそんな時間にそんな事を始めるのか?周りの冷ややかな目がある事にも気がつかず、一生懸命自分の足への作業に夢中になっています。その姿を見た私が周りの目に耐えきれず、大望館へ移動し彼の作業の続きをする事にしました。
作業をして気が付いたこと。それは、ギプスは自分で外すものではないという事です。小さなノコギリを駆使してもなかなか先には進みません。そしてついには礼拝の時間へ。仕方なく中断して礼拝に参加し、続きは自習時間中。翌日からは第4定期テスト。勉強を早くしたいから、早く外したい。でも一向に外れる気配なし。
そこへ、天使の登場。その光景をただ1人温かく見守っていてくれていた同じくK君。彼が持ってきてくれた、ニッパー。このアイテムがその作業を一気にはかどらせてくれました。しかし、ギプスは切るというより、ニッパーで握りつぶすという表現のほうが正しかったと思います。何とか一本の切り口がつながったとき、私の腕はパンパンになってしまっていました。
さて、つながったはものの、彼の足のギプスの形状は何の変化もなし。つながった切り口を開けようと広げてみても、ちょっとやそっとの力では広がらない。仕方なく、本気を出してフルパワーで開ける事に・・・。深呼吸をして、雄たけびをあげ、再トライ。再度大声をあげ自分の持っている力全てをギプス広げに注ぎました。ん・・・!いけるかも!?そう思ったK君。広がった切り口から足を引っこ抜こうとする。しかしその時、私は力尽きてしまったんです。
私の指はギプスとK君の足に挟まれ、その痛みに絶叫。K君も痛かったのでしょう。同じく絶叫。その状況から脱せたのはこの出来事を温かく見守っていてくれたK君。彼の助けによって、何とかもとの位置へ。これではダメだと気がつき、再度トライする前に、時間をかけまたニッパーでその切り口を大きくする事に。
最後に彼の足がギプスから脱出に成功した時、私とK君は思わず、熱い勝利の握手を。しかし、その代償に私の指にはくっきりとギプスの痕が・・・。そして、腕は臨海状態。その勝利に浸っているところに、米沢出身のH君が冷たく一言。「医者に行けばいいのに・・・」 おっしゃるとおりです。
<最後の戦い>
3年生の受験が一通り落ち着きました。金曜の朝大望館最後の戦いに前ブロック長が出陣。しかし、その前ブロック長、何故か元気がありません。「あーもーダメだ、何で俺はこんなんなんだ!」これから人生の大勝負であるひと時に向かおうとするのに、えらくネガティブな発言。
それもそのはず、出発の日の朝、早天祈祷会に出てから受験に向かいたい。でも、出ていたら飛行機の時間にバスが間に合わないかも・・・。そんな事を周りに言っていたもんだから、その心掛けに感動した私は、「それじゃあ朝食後すぐに空港に連れて行ってあげるから・・・」しかし当日の朝、早天祈祷会に現れず。その日は担任の学先生も最後に彼を励まそうと思ったんでしょうか?早天祈祷会に来ていたにも関わらず、彼は起きてこず・・・。励まされるどころか、「君には何も言うことがない。」と一言。
そんなこんなで、自信をつけるどころか、自分のおろかさに嘆きながら、彼は大阪へ・・・。その結果は?ただ、祈るしかありません。
(澤野)