のぞみ寮通信

のぞみ通信

2009/10/16

のぞみ通信 No.155(10月16日)

<厳しい現実の中で>              寮長 信田 智

 

 

狭い寮の応接室兼寮長室に入ると、不思議な彫刻が壁にかけてある。白いキャンパスの中に、つややかに磨きあげられ、深遠を思わせる暗黒と、つややかな木肌が重なり合った、味のある単純な形の彫刻であり、風景である。その白いキャンパスに暖かみのある鉛筆で「形の中に風景があり 風景の中に形があることの不思議」と、美術の古川先生の素敵な言葉が、手書きで記されている。
なんとも言えず心を引き付ける言葉と、海や、波、風、鋼鉄の不思議な乗り物など、様々な形や風景等を想像させる。この作品を一目見て気に入り、応接に飾らせていただくことにした。味気ない部屋に、不思議な感覚を与えてくれる作品を前にして、ふと心を空にして、想像の世界に入っていく。

 
それにつけても寮の現実は厳しい。女子寮の問題が一段落したかと思えば、次は男子寮、息つく暇もない。寮担任は毎日のように、休みを返上し、問題を起こした寮生一人一人の家庭訪問を行い、この数日で実に4000km以上も走り続けている。せめてもの救いは、女子寮と同時発生でなかったこと、と思っていた矢先に、今度は、新型インフルエンザの発生。一気に寮生9人に広がり、急きょ学校的判断によって学校は休校、寮は閉寮される事になった。(寮閉鎖後自宅に帰った生徒のうち、4人の感染者が報告された)

 
熱が出て医者にかかり、インフルエンザの検査で陰性と出た生徒も5人いた。もし、寮が閉鎖されなかったならば、おそらく寮全体に蔓延していた事は間違いないであろう。校長の迅速な決断に感謝する。ピストン輸送で、寮生を医者に連れて行った教師も、超濃厚接触でダウンした。感染者は寮に閉じ込められ、部屋から出る事も出来ず、さぞかし心細く辛い日々を過ごしていたことであろう。家庭にいれば、親の温かい看病を受けることも出来たであろうに、と思うと切ない気にもなってくる。よくがんばって耐えてくれたと思う。皆逞しくなった。

 
特に病気の時などは、親の有り難味が身に染みて感じられるものです。辛い経験、困難な経験を通して、離れていてこそ感じられる、親への感謝の思いが一層強くなってくる。これもまた大いなる成長への一歩である。

 

 

 

 

寮生リレー通信  (第 73 回)

 
 <めぐみ館>
「Change the Megumi-めぐみはできる子 笑顔の子」 
K.A.(2年:新潟県新潟市) 
 私がブロック長になった理由は色々ありますが、やはり一番の理由は、めぐみ館をより良い館にしていきたいという気持ちからでした。今までのめぐみ館は、ルールや上下関係が厳しく、各学年の問題もたくさんあったと思います。そんなイメージだと寮生活を楽しく過ごすということは難しいし、せっかく先輩、後輩と一緒にくらしているので、もっと交流し、仲良くしていきたいと考えています。今のめぐみ館は、40回生が少しずつめぐみ館のイメージを変えてくださり、だんだん明るい館になってきています。なので、私たちは、40回生の色を引き継ぎ、自分達の色も加え、もっと明るく楽しく、やる時はやる館にしていきたいです。
 そんな私たち41回生が考えた今年のめぐみ館のテーマは、「Change the Megumi-めぐみはできる子 笑顔の子」です。メインテーマ「Change the Megumi」の意味は、40回生から変わりつつあるめぐみ館を、41回生の色も加えていき、より良い館にしていこうということです。サブテーマ「めぐみはできる子 笑顔の子」の意味は、ルールなど、これまでやってきていることはしっかりとやり、その中でも笑顔を忘れないで生活していこうということです。これから1年間、めぐみ館は、このテーマでみんなと協力して頑張っていきます。
 ブロック長になり、悩むことも増えてしまうかもしれませんが、1人でためこまないようにしていきたいです。1年間、よろしくお願いします。

 

 
 <大望館>

O.T.(2年:秋田県北秋田市)
 みなさんは日々の寮生活にどんなことを感じていますか?楽しいですか?つまらないですか?充実していますか?辛いですか?・・・。人それぞれ感じるものはあると思いますが、運営委員の世代交代が始まる今、「もっと寮を良くしていきたい。」「よりよい寮作りをしていきたい。」こんな思いを胸に抱いている人はいないでしょうか?
 今回、のぞみ寮のテーマを決めるにあたって、「よりよい寮とはどんな寮か」、「どんな寮にしていきたいか」を各委員長たちと話し合いました。たくさん意見が出ましたが、主にまとめると次の3つになります。「みんなが笑顔で楽しく、過ごしやすい環境をつくりたい。」「楽しい雰囲気の中でも規則は守る。けじめのある生活にしたい。」「自分が通学生ではなく、寮生であることの誇りと自覚を持って欲しい。」この3つから、どんなテーマにするのか話は進み、悩みに悩んだ結果、テーマは決まりました。「ステキな冒険はじまるよ!!! 4寮編成のぞみ寮 出合い 友愛 爆発 輝き」です。
 4寮編成とは4つの館が繋がって1つの「のぞみ号」という汽車に例えました。乗組員である僕たち寮生は、マナーやルールを守る必要がありますし、各自の役割を果たさなければ、汽車は前に進みません。また、汽車がどのように進んでいくのかは、乗組員がどのように動かすかに委ねられています。サブテーマの意味は、自分や他人との「出合い」、誰にでも大きな愛を惜しまない「友愛」、個性やテンションの「爆発」、笑顔と優しさの「輝き」を原動力にし、のぞみ寮の未来に向かって、ステキな冒険へと走り出そうというものです。
 今までの1年間にあったたくさんの出来事を踏まえて、今僕たちは出発点にいます。3年生から仕事を引き継ぎ、新しい”冒険”が始まります。「自分たちで作り上げていく」という思いを忘れず、これからの1年間を過ごしていきましょう。
 次に大望館の今年のテーマです。テーマは「破壊、挑戦、友情」です。
現在の大望館は、飲酒や喫煙などの理由から多数の自宅謹慎者が出てしまいました。自宅謹慎者が出てしまった今、寮生活での気の弛みや規則を守ることが、疎かになっていたと気づかされました。「規則を守る人は規則によって守られる」という言葉があるように、よりよい寮生活は、みんなが規則を守ることによって成り立つものだと考えます。しかし、厳しい規則もあるのが現実です。縛り付けることが、よりよい寮生活に繋がるとは思えません。今回考えた「破壊、挑戦、友情」は、先ほどの気の弛みや縛りつけの「破壊」、引き締まった生活やみんなが心地よい寮生活に変えるために「挑戦」すること。以上の2つから深まって生まれる「友情」と言う意味です。みんなが住みやすく、思いやりのあふれる寮、大望館を目指して、3つの言葉を胸に、これから歩みを進めていきたいと思います。

 

 

 

 <みぎわ館> 
「分かち合い」        

U.K.(2年:新潟県燕市)
 みぎわ館の新ブロック長になりましたU.K.です。私は昨年から1年間、副ブロック長として運営委員会などに出ていましたが、5人以外はすべて先輩達だったので、参加するよりも、ほとんど聞いていると言ったような感じでした。ですが今では、副ブロック長だった私達もブロック長となって、司会をし、その会を進めていかなければいけない立場になっています。時が過ぎるのは本当にあっという間だと改めて感じています。今までの時間がこんなにも早く感じたのは、この寮生活が充実していたからだと思います。私はその充実の中の1つに、副ブロになった事が大きかったように思います。大変だった事悩んだ事も数え切れないくらいにありましたが、同じ立場にいた他の館の4人の副ブロみんなで共有し分かち合うことができ、5人の信頼関係も深まりました。今、もうすでに始まっているブロック長としての生活も周りのみんなの力を借りながら充実したものにしたいです。
 みぎわ館でも41thが中心の生活に代替わりしました。そこで考えたみぎわ館のテーマ、それは・・・「Love Share 泣いて 笑って みぎわ族」です。私たちは、良いことだけでなく悪いことも、泣いたり、笑ったり、怒ったり悩んだり、喜んだり・・・とすべての感情は愛につながっていると考えました。そのすべてがつながっている愛をみんなで分かち合いたいという想いを込めてこのテーマに決めました。「みぎわ族」には、どこかの民族のように、みんなで団結して、1人1人が輝けるような、よりより館に突き進みたい!と言う思いが込められています。このテーマを中心として、そして40thが言い続けてきた、初心と感謝も常に忘れないでいたいです。
 私はブロック長ではありますが、決して自分だけで、できるとは思っていません。みぎわ館の家族みんなで、つくっていきたいと思います。私も支えてもらいながら、みんなを支えていきたいです。

 

 
<光風館>
「共感共栄」を目指して     

K.M.(2年生:長野県長野市)
光風館では、9月に光風館の新運営委員を決める激しい選挙が行われ、新しいリーダーが選出されました。私自身は、光風館のブロック長に選ばれることになりました。例年、ブロック長は、副ブロック長がスライド式になります。でも、今回は違いました。なぜならば、私たちの代には、副ブロック長が二人いたからです。結果的に、私が光風館の代表を務めることになりましたが、私たち元副ブロック長は、これまで通り、お互いに協力し合いながら、また相談し合いながら、実質的には二人体制で今後の光風館の運営を担っていきます。
光風館の新しいテーマですが、「共感共栄―友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」としました。何事においても共に感じて考え、そして共によい光風館を創り上げていこう、そんな願いを込めました。9月中の引継ぎ期間に、私たちはいくつかの悲しい出来事を経験しました。二度と同じようなことが起きないように、お互いの価値観や良さを認めながら、また、常に相手を思いやる気持ちを忘れずに、濃密で素敵な人間関係を築いていきたいと思います。僕たち光風館生は、これからの一年間、この新しいテーマの下で生活していきます。今後どんな壁にぶち当たるかはわかりません。でも、そんな時でも全員で協力し合い、光風館生であることの誇りを忘れずに、「のぞみ寮」の歴史に残るような、そんな館を築いていきたいです。

 

 

 

<スタッフから一言>

                  
 「夢の仕事に就けたら、いろんな人に敬和を伝えたい。」今月初旬に行われた“関東敬和の会”で39回生が語った言葉です。在学中の自宅謹慎指導を振り返りながら、「寮生だったから学校を続けられた。」という彼は、現在、朝に夕に新聞配達をしながら学生生活を送っています。
 会場の亀戸教会に集った方は、卒業生、卒業生や在校生の保護者、敬和を志望する中学生と保護者でした。懇談会の中で、多くの保護者の方が「寮生活を通しての人間的成長を期待して、敬和への進学を勧めた」ことを知り、寮教育に携わる責任の大きさを感じたと同時に、励まされる想いでした。
 校長の講演を通して敬和の教育を考え、生徒の現状や成長の様子、敬和の変と不変の部分を共有し、充実した時間となりました。卒業生や保護者の方の言葉は、敬和生活や寮生活に希望を抱きながらも不安を抱える、未来の敬和生の大きな支えとなったことでしょう。今後、開催を予定している地区もあります。お近くの方は是非ご参加ください。

めぐみ館担任 冨井 愛