のぞみ寮通信

みぎわ館

2012/12/05

みぎわ館 第148号(12月3日)

< 支え合い・高め合い >

 「もう12月!?早すぎでしょ!?」11月も終わりに差しかかろうとしたある日の寮生の叫びです。冬休みまであと3週間。寮のクリスマス行事や讃美歌発表会も間近に迫ってきましたが、今、取り組まなければならないのは、テスト勉強!
 テスト一週間前に入り、12時消灯になった各部屋を点呼に回ると、もくもくと机に向かっている姿がありました。「こんなに勉強したの、初めて!」とか「勉強していてね、分かると面白いよ!」という声を聴かせてくれます。
 ある部屋では嬉しい声を聴きました。「今日、4人で一緒に勉強していたんです。そしたら、一人が『全然分からないー!!』って投げ出しそうになって。そしたらもう一人が『私がこの二日間で40点取らせてみせる!』って教え始めてね。それからすごく頑張っていたよ!二人ともすごかった!」それはいいことを聴いたと、教えてもらっていた子の部屋に点呼に入り、「今日、○○に教えてもらって頑張ったんだって!?」と聴くと、照れくさそうに「そうなんです。教えてもらって、良く分かりました!明日も頑張ります。」と話してくれました。
 また、ある部屋では嬉しい光景を目にしました。余りに静かだったので、“勉強しているのだろう”と、そーっとドアを開けると、額がくっつきそうな距離で共同テーブルを囲んで勉強していました。三人がノートを広げたらそれだけで埋まってしまう狭さなのに!思わず笑ってしまいましたが、本人たちはいたって真剣。数学の問題を解いている二人の二年生は、答えを確認し、間違っていれば、解き方の説明をしてもらっています。その輪に入って嬉しそうに勉強する一年生。“なんていい光景なんだろう”と感動して他の部屋を回ると、ありました!同じように額をくっつけて勉強している部屋が!
 「二人でやると、怖いものなしだよ!」と意気揚々と話すので、なになにどういうこと?と尋ねると、「一人でやっていると分からなくなって、すぐに諦めそうになっちゃうけど、二人だと教え合えるし、『嫌だー!』って声も笑いに変えられる。勉強の楽しさ見つけた感じ!今日一日ですんごい進んだよ!」と、勉強したノートを何枚もめくって見せてくれました。
 同学年や学年を越えた繋がり、同室のメンバーの支え合いの力が何気ない日常のおしゃべりから、勉強にまで広がっています。支え合い、高め合う姿を見せてもらえて、驚きと喜びでいっぱいになりました。いよいよテストが始まります。自分の努力と仲間との支え合い・高め合いが良き結果につながりますように! (冨井)

 

 

 

 

 

< 礼拝のお話  >

*Y.M.(1年生)
 私の座右の銘は、「思いわずらうことなく愉しく生きよ」です。この言葉は、私の好きな作家、江國香織さんの本の題名になっています。この本のあらすじを簡単にご紹介します。
 犬山家の三人姉妹が主人公のお話で、この犬山家の家訓が「思いわずらうことなく愉しく生きよ」です。長女は、夫からDVを受ける主婦で、次女は何年も同棲している彼氏がいるのに浮気相手が何人もいるキャリアウーマン、三女は、人を心から好きになることがよくわからない大学生です。三人ともそれぞれに大きな問題を抱えているため、なかなか思うようにいかないばかりか、次々に大きな問題が勃発します。しかし、彼女たちは自分を信じ、胸を張って堂々と生きていきます。
 特に私は、次女の考え方が好きです。自分のしていること、思っていることに自信を持ち、人生を愉しむために生きる彼女がとても輝いて見えました。たとえ浮気をしたとしても、彼氏が出て行ってしまったとしても、迷わずに自分の信じる道を真っすぐに歩む彼女を見て、憧れを抱きました。それから、私は、一日一日を悔いの残らないように愉しく生きようと思って過ごしています。
 好きなだけ本を読み、美味しいものをたくさん食べ、友達と飽きることなく話して笑い、精一杯恋をします。日々の生活は、愉しいことばかりではありません。大切な人とけんかをしてしまったり、テストがあったり、やらなければいけないことばかりで愉しくないことの方が多い時ももちろんあります。そのような時は、面倒だからといって逃げようとせずに、きちんと向き合いたいと思っています。
 しかし、それは口で言う程に簡単なことではなく、向き合うのが辛い時があります。実行に移せないとしても、自分の気持ちの持ち方だけは忘れずに、確立していたいと思っています。全てが愉しいことだったら、どれが愉しいことか、幸せなことか分からなくなってしまうと思うので、しっかりと愉しさを味わうために、辛いことにも向き合います。こう考えると、辛いことさえ、愉しみを引き立てるためのスパイスのように思えてきませんか?このように私は、毎日をとことん愉しみます。
 人生は一度きりです。私はY.M.に生まれたことに誇りを持ち、日々の生活を一生懸命愉しみながら過ごしたいと思います。これは、自分が人生の終末を迎えた時、自分の一生は愉しかったと思うか、愉しんだと思えるかにつながると思います。自分の生活を、自分の人生を自分自身でかけがえのない愉しいものとすることは、きっと素敵なことです。自らの手で自分の人生を最高に愉しく輝くものにしていきましょう。

 

 

 

*N.M.(2年生)
 私は世界史に出てくるアレクサンドロス大王が好きです。B.C.334に4万人の兵士を引き連れ、東方遠征をして領土を拡大したことで有名な人です。なぜ好きかというと、「受け入れる」ことをしていたからです。
 国を大きくすると、普通は反乱が起きやすいのですが、彼の時代はほとんどなかったというのです。その大きな理由の一つに、他地域の文化・民族の融合をしたことがあります。彼は、色々な地域の文明や民族の共生を目指しました。彼にとっては、反乱を防ぐための政策にすぎなかったのかもしれませんが、考えや文化を「押さえつける」のではなく、「共有したり、取り入れ合ったりする」ことは、市民にとって大きな支えになったのだと思います。
 また、B.C.333のイッソスの戦いでは、マケドニアが勝ちそうになったのを見たアレクサンドロス大王の敵軍であるペルシアの指揮官のダレイオス3世は、家族と財産を残して逃げてしまいます。アレクサンドロス大王は、ペルシアの捕虜を寛大に扱い、残された敵軍の娘を、後に自分の妻として迎え入れたのです。
 この話しを聞いた時、とってもステキだと思いました。誰かを受け入れることは、簡単そうに見えてとても難しいと思います。しかも、敵軍の娘となれば、スパイかもしれないと疑ってしまいそうなのに、彼は彼女を大切にしたそうです。
 皆さんは、人を受け入れることができていますか。私は正直できていません。自分の考えや意見を言うのも大切ですが、人の意見や考えを「あ!そうとも考えられる!」と受け入れるのも大切なことですよね。「100%全て受け入れる」のは難しくても、少しずつ受け入れていけばいいと思います。まずは、受け入れる姿勢を持つことが大切だと思います。
 アレクサンドロス大王のように、相手を受け入れ、相手の声に耳を傾けていけば、今まで見えなかった何かが見えてくるかもしれません。「受け入れる」ことを大切にして、視野を広げていきたいです。