自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2012/11/26
<いざ決戦の時>
11月も後半に入りました。いつの間にかシャツ一枚で過ごすには厳しくなり、寮には暖房も入るようになりました。あっという間に雪も降りだすのでしょうか?今は季節的には秋なんでしょうが、雨ばっかり降っていて、紅葉も楽しめません。釣りにも行けません。気分はすっかり冬です。
そんな中にある今の状況ですが、気分は冬だなんて言ってられないのが3年生です。願書を無事に出し終え、ホッとしているのもつかの間、次はいよいよ本番勝負です。とは言ったものの、そのほとんどが面接のみで、小論文や筆記試験がある者は、ほとんどいません。
面接試験、みんなはどんなことをイメージするでしょうか?面接をされる君たちはおそらくめっちゃ緊張するので、あんまり良いイメージはわかないと思いますが。面接をする方からすると、あまり緊張されてては困ります。
だって、そもそも特別指定校や指定校といった、いろんな形の推薦で受験をするわけです。面接をしてくれる相手の学校からすると、面接試験をする理由は「どんな生徒なのか?」を知りたいのです。決して、ミスをさがして減点していき、その数の多い生徒を探し、不合格にする。そんなための面接ではありません。むしろ、合格にするための面接試験と捉えてもいいぐらいだと思います。
緊張感は大事です。でも、緊張しすぎて何もしゃべれないのも困ります。で、どうすればいいのか?簡単です。面接しに行こうとするから緊張しすぎる訳です。会話をしに行くと考えればいいんじゃないでしょうか。その会話の中で、自分の事をいっぱいアピールしてくればいいんです。
自分をアピールするという部分において、君たちは色んな物を持っています。だって、敬和学園でしかも寮生なんだから…。君たちにしか味わうことのできない高校生活を送ってるんです。そこに一人一人それぞれ違った体験があり、成長があるんです。それを是非、面接のときに堂々と語って来て欲しいものです。それは間違いなく成功への道のカギとなるはずです。
とにかく、3年生は今がまさに決戦の時、今年はどんなドラマが生まれるでしょうか?過去には色んなことがありました。
「緊張しないでいつも通りに会話しておいで」と送り出したら、面接の先生に質問された時、意味が解らなかったので、「は?何言ってるかわからないんで、もう一回言ってください。」なんてことを口にしてしまったなんて先輩もいます。「面接で話が盛り上がったので、思わずそんな風に言ってしまった。」なんて言ってましたが、話が盛り上がる?どんな面接だったんでしょうか。言いたいことはわかりますが、ちょっとフレンドリーすぎるでしょ。でも、その先輩は、合格しました。しかもその大学はけっこう名の通った大学です。その大学の面接で、その言葉を出すかと、帰ってきた時の報告を聞いて怒ったくらいです。
近い過去では去年のことです。逆に必死になって面接を受けて、まさかの合格を手にした先輩もいます。そのエピソードは次に紹介しましょう。
<開かれた門>
その日のために彼は膨大な時間と労力を費やしました。まずは願書に添える文章作りです。頭の中では色んな事が思い浮かぶのですが、それを言葉にしようと思ってもなかなか表現できません。時間だけが過ぎていき、期限はあとわずかです。少し書いてはやり直します。夜も遅くまでホールの電気を点けてもらい机に向かいますが、ペンは進まず、時間は進んでいきます。意を決したようにとりあえず何か書いていこうと調子よくなってきたところで、“バツン”電気が消えます。頭に来て次の日の朝先生に怒鳴りに行きます。「何で電気が落ちるんですか!!」返り討ちに会います・・・。
そうやって出来上がったものを願書に添えて送ってとりあえずは安心。あとは当日の面接試験だけです。でも、どのみち今回の自己推薦での入学試験で合格するとは本人も思っていません。とりあえず面接試験を受けて、次の試験につなげよう、そんな気持ちでいたんです。ですから、文章は必死になって取り組みましたが、面接の事はそれほどだったようです。出発前日「練習したか?」と聞いたら「あ・・・」といって、初めて寮で面接練習したぐらいです。
なぜそんなに余裕をかましていられたのか?それは過去、彼の受けた大学を受験した君たちの優秀な先輩たちが、自己推薦では不合格となり、その次の試験で合格をもらっていたからです。当然、彼も同じことになると思い、今回は願書を出すまでが勝負であとはとりあえず・・・。ってな感じでいたんでしょう。しかし、そんな余裕で受けるはずの面接試験が、18年間の人生でこんなにも必死になって受けることになるとはだれが想像したでしょうか?
前日から大学のある京都に入っていました。叔母の家が京都にあるため、そこから受験会場に向かえばなんてことありません。このなんてことないはずの事がえらい事になってしまったんです。
面接試験当日、あいにくの空模様。スカーっと晴れた朝なら気持ちよく面接して気持ちよく落ちられるのに、何かを予感させるような雨。ま、どのみちダメなんだから・・・。そんな気持ちで早目に叔母さんの家を出たK君。試験会場の京田辺駅へ電車に乗っていきます。新潟と違って電車は待ってればすぐに来ます。時刻も調べる必要なんてありません。思っていたよりも早く目的地、京田辺駅へ着いたんでしょう。大学に向かって歩いていきます。
歩いていると、何か違うような気がします。何が?道が・・・。「以前来たとき、こんな坂あったっけかナ?」何気なく鞄のなかの受験要項を確認してみます。「エ・・・!?違う、道が違うんじゃなく駅が違う!!」気が付いたその時からもう何も見えなくなったのかもしれません。
彼の行く大学はキャンパスが京田辺と今出川の二カ所にあり、何を思ったのか彼の受ける学部のない京田辺のキャンパスに向かってしまったわけです。
この大きなミスに気が付いた彼、こりゃ大変です。諦めてはいますが、どこかで「もしかしたら・・・」なんてことも考えてはいますし、試験に間に合わないなんて、そんなことは自分の計画には入っていません。とにかく受けなければ次にもつながりません。余裕モードは飛んでいきMAX本気にならなければなりません。ここから今出川までもどうやっていくのやら?考えてるだけではしゃーない。とにかく今出川へ!!
雨の中、もささずに猛ダッシュ。近くにいた見知らぬおじさんに聞きました。「ここから今出川に行くにはどうしたらいちばん近いですか?」後に彼はこう振り返ります。「もかしたらあのおじさんはイエス様だったのかもしれない。あのおじさんが行き方を教えてくれなければ、僕はどうなっていたのか分からない」それはまるで行き方だけではなく生き方を教えてくれた、そう感じたことでしょう。
とにかくそれからは必死です。これまでの人生で最も必死になった日、だったでしょう。道行く人にクスクス笑われたって言ってましたから、おかしいぐらい必死になって、正しい試験会場に向かったわけです。
で、なんだかんだで面接にもギリギリで間に合い無事受けることが出来たんですが、雨でびしゃびしゃ、息も切れていて、見た目はボロボロ。面接試験を受けはしたけれども、あまりに必死になったためそれどころじゃなく何を話したのかも、わからない、覚えていない。「間違いなく落ちた」そう感じざるを得ない出来だったらしいです。
それが結果はまさかの合格。なぜ?もしかしたらその日一番必死になったその姿が、面接官の先生たちに、大学の門を必死にたたいている姿に写ったのかもしれません。いや、そうとしか考えられません。その必死さが、面接をした先生たちの心を動かしたんでしょう。大学の先生にはこう写ったことでしょう「あんなにボロボロの姿にまでなって必死になって門をたたいている学生が、はたして今までいただろうか?」
さて、以上は私の想像なんですが、一つ言えることは、普通に何事もなく受験することが出来ていたならば今回の結果はついてこなかったでしょう。そう考えれば、その日雨が降っていた事からすべてが成功の始まりだったのかもしれません。
何よりも見えない力がここにも働いたという事は確実に言える事です。