自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2009/09/28
また歴史が一つ…
信田 智 寮長
敬和学園は開校以来42年間、豊かな自然に恵まれ、美味しい空気、美味しい地下水を当たり前のようにして、ふんだんに頂いてきた。ところが、近年水質検査の基準が厳しくなり、今までさほど問題にならなかった敬和の井戸の水質が、厳密に問われるようになり、2本の井戸を閉鎖しなくてはならない事態に至りました。今ある3本の井戸で対応する事、また、新しい井戸を掘り対応する事も選択肢の一つでしたが、やがて別の井戸が基準に合わなくなったとき、寮を抱える学園として、その対応に苦慮する事が予想されたので、我々としては残念無念な思いで、美味しい井戸水(夏は本当に冷たく、流水で果物や野菜を冷やすことも出来た。また、スポーツ等で汗を流した後の井戸水は、何より疲れを癒してくれるものでした。)を水道水に切り替える事を決断しました。
しかし雪国において、融雪のために使う水の量は、日常の使用量に比べても大きな割合を占めるので、区域を限定し井戸水と水道水の2系統に振り分ける方針を立て、夏休み一杯をかけて切り替え工事を完了しました。今まで、蛇口をひねれば手がしびれる位の冷たい水が出ていたのが、生ぬるい水が出てきて、あれ!温水になっていたのかと、不思議な感覚になり、敬和の歴史の一つが、また変化した事を実感させられました。
人間の進化は、素晴らしい文明を生み出し、科学技術の進歩は豊かさと便利さをもたらした。しかし、進化はある面での退化を生み出した。我々が子供の頃は、汚い手で平気で物を食べていた。おそらく、今とは比較にならないほど多くの雑菌を体内に入れていたであろう。それでも皆元気であった。今は非常に衛生的に様々な菌を消毒して防いで知る。しかし、菌に対する耐性が弱くなり、病気にかかり易くなってきた。
科学技術の日進月歩の発達は、様々な魅力的な新製品を生み出し、私たちの欲望を駆り立てる。お金さえ出せば、欲しい物は何でも手に入る。しかし、欲しい物を手に入れても、すぐにバージョンアップした新製品が出回る。心満たされる間がなく、慢性的な飢餓状態を生み出し、豊かな人間性を奪っていった。
初代校長の太田先生は、新しい施設が出来るたびに、敬和学園を白く塗った墓にしてはならないといわれました。白く塗った墓とは、聖書の中でイエス・キリストが言われた言葉ですが、外側がどんなに美しく、立派に見えても、内側には強欲と、穢れたものが満ちている人たちのことです。敬和学園は、たとえ施設が整えられ、便利になっていったとしても、敬神愛人の精神を失って、白く塗った墓としてはならない。
寮生リレー通信 (第 72 回)
<めぐみ館>
「わたしの仕事」 H.H.(新潟県長岡市)
私がセクレタリーなった理由は、元々生活規律委員長をやりたかったんですが、なれなかったので、第二希望だったセクレタリーになりました。
セクレタリーの仕事は、毎週水曜日にめぐみ館全員の週末の外出・外泊を10時15分までに表に記入してもらい、それを元に休日点呼表に写しチェックがないかを確認するのが主な仕事です。一見、地味で簡単な仕事に見えるかもしれませんが、これが意外に難しくて大変なんです。消灯後遅くなってしまったりすると、寝てしまう人も中には居るので、その人を先に見たり、書いてない人を確認して呼んだりしなきゃいけないので、真っ先に確認します。
休日点呼表にマーカーを塗るのですが外出者と外泊者の区別が一目見ただけでわかるように、色を変えて塗ります。最初のうちは慣れなくて、色を変えて塗らず見にくい表が出来上がったりもしました。また時間がかかるので、10時に締め切って確認し終わるのが大体40分~50分くらいかかっていました。ですが、今では10時15分に締め切って、終わるのが大体15分と早くなりました。しかしセクレタリーの仕事がさまになってきた頃には、2年生に引き継がなきゃいけなくて、もうすぐ関われなくなっちゃうんだと思うと少し寂しいです。ですが、2年生に仕事を教えていると1年前の自分もこんな感じだったのかな?と懐かしく、あの頃からもうこんなに時間がたったんだと思うと早い!!と思ってしまいました。
セクレタリーは週に1回だけで、地味な仕事だけれど私はこの仕事が大好きです。先生と話して消灯後になっちゃうこともありましたが、教師秘書なので頼りにされているんだなと思いました。セクレタリーを1年間やってみて、最初は面倒くさかったけど慣れたら、本当に楽しく仕事をすることが出来ました。セクレタリーで本当によかったです!!
<大望館>
「大望館寮務室係」 H.Y.(新潟県長岡市)
私は大望館で、寮務室委員を任されていた。寮務室委員と言えば、その責任は重大で激務、、、。
普通進んでなろうとは思わない役職だ。しかし、私は一年前に寮務室委員に立候補した。その理由は、自分の力を試したかったから。そして、私以外に寮務室委員を担うほどの力量のある人物がいなかったからだ。そう私は、頭脳明晰、成績優秀、私が寮務室委員になる事に誰もが頷いた。こうして私はみんなからの期待のもと寮務室委員となった。
寮務室委員の仕事は主に「牛乳注文」(寮務教師に牛乳を買ってきてもらうように頼む)と「冷蔵庫チェック」(大望館に唯一ある冷蔵庫の治安を管理する)の二つ。ちょっと聞くと簡単そうだが、裏では日夜壮絶なる努力がなされている。特に牛乳注文は激務だ。牛乳注文は寮務教師(帆苅仰也先生)との、二人三脚なのだ。いつも忙しいのぞみ寮の先生方。そんな先生に牛乳を買ってきてくださいと頼まなくてはならないのだ。
寮務室委員は先生に常に気を配りタイミングを見計らってなければならない。故に、寮務室委員はいつも神経を尖らせてなければならない。休まる所を知らないのだ。
最終的に私が何を言いたいのかと言うと「世界(次期寮務室係)、頑張れ!!」その一言に尽きる。
<みぎわ館>
「私の日課」 O.S.(新潟県上越市)
みぎわ館には「おはよう放送」という係りがあり、寮生の目覚ましと天気予報代わりとなっています。私は去年の9月からこの係りでした。みんなを起こすため朝7時に放送を入れる、これが私の1年間の日課でした。世代交代をするにあたり、私の一言目は「朝ゆっくりできる!」でした。7時に放送を入れなければならないので5分前に起きてもバタバタ。これがなくなると分かり嬉しいと思う反面寂しさもありました。というのも、朝一番で大好きな空を眺め、事務室の前の一言カードを見てほんわりとした気持ちで一日を始めていたからです。廊下の窓から7時前に友愛館に向かう先生方、早天祈祷会から帰ってくる人、いろいろなものを見て「今日はいい日かなぁ」なんて考えたりもして…。起きるつらさ以上に自分なりに楽しんでいたなと思います。「つらいことは自分なりの楽しさを見つければどんなことでも楽しさに。」これがこの一年で学んだことです。引き継いでくれる3人。みんなそれぞれに朝のちょっとした時間の楽しみを見つけてほしいなぁと思っています。
<光風館>
「食事委員になって」 O.K.(宮城県気仙沼市)
私はこの度のぞみ寮食事委員を担うことになりました。食事委員の仕事とは、夕食時の席の配置、自館の食当日の連絡及び掲示、食前の司会や食後の食べ残し処理、自館の食当全てに参加し、班員と同様の役割を行う等です。食事委員の仕事は決して楽な仕事ではありません。私は副ブロック長に次ぐ忙しさを持つ委員会だと思います。
そんな食事委員に、何故私が立候補したかと言うと理由は大きく分けて2つあります。まず1つ目は自分を成長させたいと思ったことです。私は現在、部活に所属しておらず、毎日が自由でした。そんな毎日では、この寮生活の意味が失われるのではないかと思いました。何らかの形で堕落した日々を有意義に変えたい、そう心の中で強く思っていたからです。2つ目は寮生活する上で何かに挑戦したいと言う思いがあったからです。私は今まで強制でもなければ、面倒やダルイといった事から、このような仕事は逃げ続けてきました。卒業するまでに、この怠け癖を改善し、何かを最後までやり遂げたかったのです。やはり内容も大変で、正直なところやり切れるかどうか不安や戸惑いがあります。ですが、その反面、遣り甲斐のある仕事だと私は思います。
この委員会を通して少しでも、心身共に自分が成長できたら良いと思います。まだまだ未熟な身ですが、寮運営する一員としての責任と自覚をしっかり持ち、悔いの残らないよう励んでいきたいです。
『セクシャリティ教育」』 ―「のぞみ寮」としての取り組み―
「のぞみ寮」では、一昨年度より「セクシャリティ教育」なる取り組みを行っております。一年生の寮生保護者の皆様には、この取り組みについてお知らせする機会がございませんでしたので、この紙面を借りてご説明させていただきます。
「セクシャリティ」は、「男女の性に関わる人間の営み全てを指し、生き方・考え方・行動の仕方で表わされる性」のことで、「性プラス生」といった視点で人の性を捉えようとする言葉です。「のぞみ寮」は、「ぜひ、性についての教育を寮で行って欲しい」との寮生保護者からの強い要望、頻繁に見聞きする若者たちの性に関わる様々な事件、そして何よりも、寮生保護者の皆様より大切なお子様をお預かりしている寮として責任から、この「セクシャリティ」の「教育」を始めた次第です。
ご存知のこととは思いますが、敬和には「異性と無断外泊したことが判明した場合には、理由の如何を問わず退学とする」という、唯一にして非常に厳しい「生徒指導原則」と呼ばれる校則があります。「のぞみ寮」は、この指導原則の拠りどころとなる考え方を重んじます。私たち寮務スタッフは、これを大切にしつつも、「性」を「汚れたもの」として封印してしまうのではなく、「異性との出会い」は、互いの人格を高め合い、喜びを分かち合い、責任を担い合う、そんな豊かな生き方を生み出すものであることを寮生たちに学ばせたいと考えています。性に関する不安や悩み、性に対する憧れや欲求などについても正しく受け止められ、人生を本当の意味で楽しみながら生きて欲しいと願っています。
「セクシャリティ教育」で扱う内容(テーマ)は下記の通りです。また、教育の方法(形態)につきましては、寮務スタッフによる講義の他、新潟医療福祉大学健康科学部看護学科の学生との「ピア・エデュケーション(仲間教育)」、さらには、より専門性をもった大学の先生をお招きして講義をしていただくなど内容(テーマ)に応じて工夫を凝らしております。
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「生物学的性」領域 |
「性的主体形成」領域 |
「社会文化的性」領域 |
| 性器(1年対象) | 男女の人間関係(2年対象) | 妊娠・出産(3年対象) |
| 人口妊娠中絶(3年対象) | 性交(2年対象) | 性差・性役割(3年対象) |
「のぞみ寮」が行う「セクシャリティ教育」は、「積極的で開かれた」をモットーとしております。寮生保護者の皆様におかれましては、この取り組みに対する、ご感想やご意見、内容(テーマ)についてのご要望などがございましたら、お気軽に各寮担任までお知らせくださいますようお願い申し上げます。 (文責:岩原)
スタッフから一言
この度、めぐみ館では多くの課題が上がったことで、改めて私の力の至らなさを実感し、課題が目の前に突きつけられました。皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
今、課題を通してめぐみ館41回生はそのピンチをチャンスに変えようと動きだしています。本当のつながりを求めミーティングを開き、今までにない忌憚無い活発なやり取りから手探りのコミュニケーションが始まっています。そんな41回生の一人が、こんな事を言ってました。
「今回の事で、自分が変わった事を礼拝で話す事沢山あるんです!早く、話したいです!」以前は生活規律などなんのその、と言う具合で皆からヒンシュクを買うほどの勝手気ままな生徒でしたが、苦手な早起きにも関わらず、ラジオ体操して、自分改革にまっしぐらです。・・「変われた自分、変わろうとしている自分」・・この姿勢は彼女だけに留まらず、学年全員の一人ひとりから見られます。
この様な変革には多くの先生、保護者の方々からのご協力、お力添えがあったからこそです。
(めぐみ館担任 榎本 かな)