のぞみ寮通信

大望館

2011/10/24

大望館通信 第180号(10月23日)

<開かれた門>
 

 大学合格者第1号が出ました。しかも、受験を受け終えて帰ってきた一言目に「絶対に落ちた」と言い放ったK君が合格したんです。この合格には皆がびっくり。一番びっくりしていたのは当の本人ですが、ダメだと思っていた分そのうれしさもハンパじゃないみたいです。では何故そんなに諦めていたのか?そのエピソードをここで紹介しましょう。
 その日のために彼は膨大な時間と労力を費やしました。まずは願書に添える文章作りです。頭の中では色んな事が思い浮かぶのですが、それを言葉にしようと思ってもなかなか表現できません。時間だけが過ぎていき、期限はあとわずかです。少し書いてはやり直します。夜も遅くまでホールの電気を点けてもらい机に向かいますが、ペンは進まず、時間は進んでいきます。意を決したようにとりあえず何か書いていこうと調子よくなってきたところで、“バツン”電気が消えます。頭に来て次の日の朝先生に怒鳴りに行きます。「何で電気が落ちるんですか!!」返り討ちに会います・・・。
 そうやって出来上がったものを願書に添えて送ってとりあえずは安心。あとは当日の面接試験だけです。でも、どのみち今回の自己推薦での入学試験で合格するとは本人も思っていません。とりあえず面接試験を受けて、次の試験につなげよう、そんな気持ちでいたんです。ですから、文章は必死になって取り組みましたが、面接の事はそれほどだったようです。出発前日「練習したか?」と聞いたら「あ・・・」といって、初めて寮で面接練習したぐらいです。
 なぜそんなに余裕をかましていられたのか?それは過去、彼の受けた大学を受験した君たちの優秀な先輩たちが、自己推薦では不合格となり、その次の試験で合格をもらっていたからです。当然、彼も同じことになると思い、今回は願書を出すまでが勝負であとはとりあえず・・・。ってな感じでいたんでしょう。しかし、そんな余裕で受けるはずの面接試験が、18年間の人生でこんなにも必死になって受けることになるとはだれが想像したでしょうか?
 

 前日から大学のある京都に入っていました。叔母の家が京都にあるため、そこから受験会場に向かえばなんてことありません。このなんてことないはずの事がえらい事になってしまったんです。
 面接試験当日、あいにくの空模様。スカーっと晴れた朝なら気持ちよく面接して気持ちよく落ちられるのに、何かを予感させるような雨。ま、どのみちダメなんだから・・・。そんな気持ちで早目に叔母さんの家を出たK君。試験会場の京田辺駅へ電車に乗っていきます。新潟と違って電車は待ってればすぐに来ます。時刻も調べる必要なんてありません。思っていたよりも早く目的地、京田辺駅へ着いたんでしょう。大学に向かって歩いていきます。
 歩いていると、何か違うような気がします。何が?道が・・・。「以前来たとき、こんな坂あったっけかナ?」何気なく鞄のなかの受験要項を確認してみます。「エ・・・!?違う、道が違うんじゃなく駅が違う!!」気が付いたその時からもう何も見えなくなったのかもしれません。
 彼の行く大学はキャンパスが京田辺と今出川の二カ所にあり、何を思ったのか彼の受ける学部のない京田辺のキャンパスに向かってしまったわけです。
 この大きなミスに気が付いた彼、こりゃ大変です。諦めてはいますが、どこかで「もしかしたら・・・」なんてことも考えてはいますし、試験に間に合わないなんて、そんなことは自分の計画には入っていません。とにかく受けなければ次にもつながりません。余裕モードは飛んでいきMAX本気にならなければなりません。ここから今出川までもどうやっていくのやら?考えてるだけではしゃーない。とにかく今出川へ!!
 雨の中、傘もささずに猛ダッシュ。近くにいた見知らぬおじさんに聞きました。「ここから今出川に行くにはどうしたらいちばん近いですか?」後に彼はこう振り返ります。「もしかしたらあのおじさんはイエス様だったのかもしれない。あのおじさんが行き方を教えてくれなければ、僕はどうなっていたのか分からない」それはまるで行き方だけではなく生き方を教えてくれた、そう感じたことでしょう。
 とにかくそれからは必死です。これまでの人生で最も必死になった日、だったでしょう。道行く人にクスクス笑われたって言ってましたから、おかしいぐらい必死になって、正しい試験会場に向かったわけです。
で、なんだかんだで面接にもギリギリで間に合い無事受けることが出来たんですが、雨でびしゃびしゃ、息も切れていて、見た目はボロボロ。面接試験を受けはしたけれども、あまりに必死になったためそれどころじゃなく何を話したのかも、わからない、覚えていない。「間違いなく落ちた」そう感じざるを得ない出来だったらしいです。
それが結果はまさかの合格。なぜ?もしかしたらその日一番必死になったその姿が、面接官の先生たちに、大学の門を必死にたたいている姿に写ったのかもしれません。いや、そうとしか考えられません。その必死さが、面接をした先生たちの心を動かしたんでしょう。大学の先生にはこう写ったことでしょう「あんなにボロボロの姿にまでなって必死になって門をたたいている学生が、はたして今までいただろうか?」
さて、以上は私の想像なんですが、一つ言えることは、普通に何事もなく受験することが出来ていたならば今回の結果はついてこなかったでしょう。そう考えれば、その日雨が降っていた事からすべてが成功の始まりだったのかもしれません。
何よりも見えない力がここにも働いたという事は確実に言える事です。

(澤野)
 

 
 
 

<悪徳商法にご注意!?>
 

先週の日曜日の夜のことだったでしょうか、3年生のKくんがやや暗い顔をして左手をひらひらと振りながら話しかけてきました。「りんさん聞いてくれ~やっちゃったよ~」。おっ、何かまたおもろいことがあったな!?とすでに心の中はワクワク、でも表情は至って冷静に「どうしたん?」と聞いてみます。どうやらKくんは日曜日の昼間、新潟一の若者のショッピング街、「万代ビルボード」に彼女とデートに行ったようです。ビルボードの入り口近くにアクセサリーショップがあるそうで、彼は二人して買うつもりもなくウインドーショッピングをしていたそうです。まぁ、見るのはタダです。なんぼでもどうぞ…とそこへスッと立ちはだかる女性店員!Kくんカップルに向かって「これなんかとってもお似合いですよ~」と様々な商品をごり押ししてきます。アクセサリーショップですから、そんなに安いものばかりではありません。買うつもりなんて全くなかったKくんの目に焦りが…「ヤバい。彼女を横にして、こんなに商品勧められたら…引くに引けないじゃないか!!!」いや、ね、ぼくなら「またぐるっと回ってきて考えますー」なんて言って、そそくさと離れますね。でもそこはKくん。どんどんどんどんお姉さんの話術に引き込まれていき…そして気付いた時には……1つ5,000円、合わせて10,000円のお買い上げ!どーもありがとうございます。いやはやまんまと買わされてしまったKくん。これは、別に悪徳商法じゃないですよね(笑)…Kくんは人がいいんだってことにしておきましょう。でも、10,000円…即決するにはあまりにも高すぎる…さすがはKくん。まぁその後彼はその指輪を二人してとても気に入ってつけていますので、結果オーライでしょうか。ぜひ彼の左手薬指に注目です!

(浮田)