毎日の礼拝

毎日のお話

2026/05/07

與那城 初穂(聖書科)

【聖書:出エジプト記 20章 2節】

「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。」

 

 

 5月3日は「憲法記念日」でした。憲法の「前文」には、「この国は何を大切にするのか」という願いが記されており、作家・井上ひさしはそれを「この国のかたち」と表現しています。そこには、平和を願い、人々が恐れや飢えなく生きられる社会を目指す思いが込められています。憲法には多くの条文がありますが、その前にまず「何を大切にするのか」という原点が語られていることに、大きな意味があります。しかし、その大切なものは、目には見えにくい。平和の実現にも、基本的人権の尊重にも時間がかかりますし、「ここまでできたら完成」というものでもないからです。『星の王子さま』にも「肝心ことは目に見えない」という有名な言葉があります。

 学校生活では、テストの点数や順位、部活動や行事の成果など、目に見える結果に意識が向きやすくなります。6月のフェスティバルに向けて忙しくなる中で、結果ばかりを追い求めると、自分にも周囲にも余裕がなくなってしまうことがあります。そんな時こそ、「自分たちは何を大切にしたかったのか」と立ち止まることが大切です。

 十戒もまた、「人を支配せず、人に支配されず、互いを尊重して生きる」という原点の上に与えられた戒めです。憲法の前文、『星の王子さま』の言葉、そして十戒。それぞれ時代も背景も異なりますが、共通しているのは、「目には見えにくいけれど、本当に大切なものを忘れない」ということではないでしょうか。