毎日の礼拝

毎日のお話

2026/02/27

藤巻 伸(地歴・公民科)

【聖書:ヘブライ人への手紙 13章3節】

「牢につながれている人々を、自分も共に捕らわれているつもりで思いやりなさい。」

 

 

「オメラスの地下牢」架空の都市オメラスは、飢饉や争いがなく、人々が幸福に暮らす架空の理想郷。その繁栄は地下牢に一人の子どもを生贄とすることが条件。住人は、この子が不幸でいることが幸福の絶対条件であると理解しており、子どもを解放すれば、オメラスの幸福は失われると知らされている。この物語は「数百万人の幸福が、一人の不幸を条件に成立しているとしたら、その幸福は心の底から震えるおぞましさを感じないか」というアメリカの哲学者の問いをもとに製作された。誰かを犠牲にしてでも自分は幸福でありたいと心から願えるか?その誰かに自分が選ばれる可能性があっても、このシステムに賛同するか?この物語は、現代社会の豊かさが、見知らぬ他者の犠牲の上に築かれているという倫理的な問いを投げかけている。今日の聖書箇所は、「牢につながれている人々を、自分も共に捕らわれているつもりで思いやりなさい。」と言いかえられる。辛いと声を出せない、辛さを我慢している。そんな声をあげられない弱い立場の人に寄り添えるようにありたいと思う。十代の自分にそのような余裕はなかったが、他者の立場を、自分事として共感できる心を育んでほしいと思う。