毎日の礼拝

毎日のお話

2025/12/15

大塚 忍(聖書科・労作科)

【聖書:ルカによる福音書 2章 6~7節】

「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」

 

 

 ルカによる福音書は、イエスの誕生を単なる過去の出来事としてではなく、「誰のために生まれたのか」という意味を込めた物語として語っています。
 ジャン・ジオノは『木を植えた男』執筆した後、小説家の条件ついて語っています。小説家は「歴史を語る人間であること、また物語を語る人間であること」と。
 福音書もまた歴史の中で起こった出来事を記しながら、書き手自身の解釈と問いを重ねた物語が語られています。マタイとルカは異なる描写を用いながら、同じ出来事を異なる角度から語っています。特にルカは、飼い葉桶や羊飼いといった、見過ごされ、埋もれてきた人々の側に立ち、イエスがその人たちのために生まれたことを伝えようとしています。大きな声だけが響く世界の中で、小さな声と共に生きるために生まれたイエスを思いながら、私たちはクリスマスを待ち望んでいきたいと思うのです。