毎日の礼拝

毎日のお話

2025/09/30

與那城 初穂(聖書科)

【聖書:コリントの信徒への手紙二 4章 6-7節】

「闇から光が輝き出よ」と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。ところで、わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。

 

 

 明日から修養会が始まりますね。各学年やピースルームにはそれぞれ「ありのままで生きる」「声を聞く」「小さな“わ”から大きな“わ”」「賜物を活かす」というテーマが与えられています。
 さて、今年「こころの時代」という番組で稲葉香さんという方を知りました。彼女は美容師であり、同時に22年間ネパールの山々を歩き続けてきた人です。若くして関節リウマチを患い、美容師として働く夢を断念しかけ、将来への不安や絶望に沈みました。しかし24歳で光を求めて旅に出た経験が転機となり、ヒマラヤで歩く喜びを見出します。帰国後は美容師を続けながら登山を続け、やがてリウマチを抱えながらもチベットを旅した河口慧海の本に出会い、彼の足跡をたどるようになりました。昨年は仲間と共に約540キロを歩き、中国国境近くまで到達しました。度重なる痛みに苦しみながらも挑戦を続け、今では「リウマチがあったからこそ面白い人生になっている。リウマチくんありがとう」とさえ語ります。
 パウロは、闇のような苦難の歩みの中で、自分という存在が確かに神に認められていることを知り、光の中へと引きづり出されます。壊れやすい「土の器」のままだけれど、苦難は続くけれど、自分もあなたも光の中を歩んでいることを伝えていきます。彼自身、病を抱えており、癒されることを何度も願ったけれどかないませんでした。けれども、足枷のようにとらえていた病が、実は彼を前へと踏み出させる力にもなっていることを発見するのです。
 修養会もまた、自分や他者、社会を見つめ、自らと対話する大切な時です。新しい発見を与えられる二泊三日となることを願います。