毎日の礼拝

毎日のお話

2025/09/25

大塚 忍(聖書科・労作科)

【聖書:列王記上 21章 3節】

「先祖から伝わる嗣業の地を譲ることなど、主にかけてわたしにはできません」

 

 

 列王記上21章の「ナボトのぶどう畑」の物語では、王アハブの要求に対してナボトは「嗣業の土地は神から与えられたものであり譲れない」と拒み、最終的に命を奪われるという物語が記されています。不条理な物語ですが、現代においても世界の至るところで同じようなことが起こっています。

 学生時代に『嵐の中の教会』という本を読みました。ナチス時代の小さな村の教会の出来事が記されています。国家の圧力に沈黙せず「神の言葉は国家の上にある」と叫んだ一人の男の姿が印象に残っています。

 この二つに共通しているのは、大きな力や権威に従わなかったこと、自分ではない者の声に後押しされて、声を上げたということです。人生は選択の連続です。私たちもまた何を大切にして歩むかを常に問われているのです。