毎日の礼拝

毎日のお話

2025/06/26

大塚 忍(聖書科・労作科)

【聖書:使徒言行録 12章 12節】

「こう分かるとペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家に行った。そこには、大勢の人が集まって祈っていた。」

 

 

 使徒言行録12章12節に登場する「マルコと呼ばれていたヨハネ」に注目しました。新約聖書で最も古いとされるのは、パウロの「テサロニケの信徒への手紙一」です。パウロは復活したイエス・キリストを「神の子」として語りましたが、生前のイエスには直接会ったことがありませんでした。

 一方マルコは、母マリアの家にイエスの弟子たちが集って祈っていた環境で育ちました。幼い頃、イエスに抱かれたり、母からイエスの言葉や行いを聞いて育ったのかもしれません。彼はパウロの宣教旅行に同行しましたが、途中で意見が対立し、別行動を取ることになりました。

 パウロが復活のキリストを語り続けたのに対して、マルコは地上を生きたイエスがなぜ「神の子」と呼ばれるようになったのかを伝えたいと考え、『マルコによる福音書』を記したのだと思います。多くの学者はマルコと福音書記者を別人と見なしますが、私は新約聖書学者の田川建三先生の「同一人物である」という説に共感しています。マルコがいてくれたおかげで、私たちは人として生きたイエスの姿に触れることができるのです。