お知らせ

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2024/12/02

今週の校長の話(2024.12.2) 「敬和のまなび」

【聖書:箴言 1章 7節】

「主を畏(おそ)れることは知恵の初め。」

 

 

昨日からキリスト教ではアドヴェントに入りました。

アドヴェントはクリスマスを待ち望む期間です。

アドヴェントに入ると、このようにアドヴェント・クランツにろうそくが灯されます。

今日、灯された第1のろうそくは「希望」を意味します。

 

さて、今日はテスト3日目です。この週末、しっかり勉強に取り組めたでしょうか。

1、2年生は、卒業後の進路について考えなければならない時期になりました。

敬和の卒業生には「敬和を卒業して離れてみると、敬和では当たり前に思っていたことが、当たり前ではないことに気づかされることが、たくさんあった。」と言う人がよくいます。

 

私は、その一つに敬和の学習があると思います。

例えば、新潟県内の私立高校では、ほとんどの学校が特別進学クラスを設けています。

優秀な生徒を集めて受験でよい結果を出すことを目的にしたクラスです。

もちろん敬和にはありません。敬和生ならば、特進クラスなど敬和的ではない、と直感的にわかるはずです。

ところが敬和以外ではそうではありません。私立ならば特進クラスがあって当たり前という感覚です。

 

ところで、このことを敬和は勉強しなくてもよい学校なんだ、と誤解してしまう人がいますが、それは間違っています。

むしろ、人間的な成長に必要な学びに、しっかり取り組んで欲しいと願っています。

2,3年生になると個人選択制カリキュラムになるのもそのためです。

 

昨年、千葉県からの学校見学がありました。中3の娘さんを中心にご家族5人で来られました。

応接室にお通しすると、祖母の方が、「お久しぶりです」と挨拶されました。

その方は、私が28回生の担任をしたときの生徒の母親だったのです。

見学に来られた中学生は、私が担任した生徒の妹の子供でした。

おばあさまは、孫の学校見学に同行されたのです。

おばあさまは、二人の娘を敬和に送ってくださり、そのうちの一人が、私が担任した生徒でした。

当時、おばあさまは、ご夫婦で新潟県内の教会の牧師をされていました。

見学が終わったとき、おばあさまが言われました。

「あの頃は、今と違ってSNSなどのない時代だった。

敬和に子供をやらなければ、世の中や社会のこと知ることができない、

地元の公立高校や他の私立高校では、社会の本当のことを学べないと思った。だから、牧師家庭で経済的には厳しかったが、なんとしても子供を敬和に送りたかった。」

 

私は貴重なお話を聞くことができたと思いました。

SNSの時代の今も敬和でしか学べないこと、社会を生きる上で他では学べないことを敬和学園が教えていれば、その教育を求めて全国から、いや、全世界から生徒は集まるだろう、

そのように思ったからです。

敬和には、今もさまざまな特色ある授業や、修養会など他の学校にはない教育プログラムがたくさん準備されています。

ぜひ、敬和での学びを深めて欲しいと思います。

 

ところで、敬和の卒業生には大学でよく勉強すると高く評価されている人が、意外と多いのです。

以前、キリスト教の大学の先生方と研修会でご一緒したとき、敬和の卒業生の様子を聞いて歩いたことがあります。

他の高校とちがって受験勉強を経験しないで、推薦で入学した敬和の生徒のことが心配だったからです。

ちゃんと大学の勉強について行けているのか、気になったからです。

ところが、多くの先生は、「敬和の卒業生はよく勉強していますよ。」と言ってくださいました。少しほっとしました。

 

「大学に行くために、高校でやっておいた方がよいことがあったら教えてください」と私が聞くと、ある先生が「英語はしっかりやって来た方がいいですよ」と教えてくれました。

 

私はこのことを次のように考えてみました。

多くの敬和生は、受験勉強をしてこなかったことに対する不安から、大学の勉強について行くために1年のときから必死で勉強する。

敬和生は、大学に入ってから本当の勉強の面白さに目覚めるのかもしれない。

そして3年、4年とたつうちに、他の高校の卒業生よりも、実力をつけて行く人が意外と多いのではないか。

それで、大学の先生から「敬和の卒業生はよく勉強しますよ。」と言っていただけたのだ。このように思いました。

 

しかし、英語だけは違う、英語は今までの積み上げがものを言う、受験勉強で鍛えられてきた学生には、単語力など知識量でかなわない。

推薦で入学した学生のそこが弱点だ、だから、高校時代に英語だけはしっかり勉強をしてきて欲しい、そのように大学の先生は言われたのだと思います。

貴重な助言だと思いました。

 

敬和生の勉強の弱点として、テストが終わるとやったことをすぐ忘れてしまう、ということがあります。

そのため、知識が定着しない、積み上げられた知識量が少ない。

これは英語に限ったことではありません。

私たちは、このことを自分たちの弱点と自覚し、それを補う学習をしなければならないと思います。

 

やはり知識は必要です。

憶えなくてもネットで調べればいい、と思っている人もいるかもしれません。

しかし、ある程度の知識量がないと、何を、どう調べてよいかも分かりません。

敬和生は意識して、基本的な知識、いわゆる基礎学力を身につけることを日頃から、心がけて欲しいと思います。

また3年生で、推薦で大学への合格が決まった人も、4月の入学までの期間、英単語を徹底的に憶えるなど、入学に向けての備えをして欲しいと思います。

 

今日の聖書です。

「主を畏(おそ)れることは知恵の初め。」(箴言1章7節)

主とは、神様のことです。

神を畏れることを忘れた人間の知恵は、世界に平和をもたらすことはありません。

たとえ科学技術が進歩し、生活が豊かになっても、そこに幸福な世界は生まれません。

神の正義を軽んじ、進むべき正しい方向を見失うとき、人間はお互いを傷つけ、最終的には終わることのない争いへと陥ってしまいます。

ですから、神を畏れること、それがすべての知恵の初めになければならない、と聖書は教えるのです。

それでは、今日の定期テストにしっかり取り組んでください。

 

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今朝の敬和