のぞみ寮通信

のぞみ通信

2024/06/25

今週ののぞみ寮(16号)「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」

【聖句:マタイによる福音書 5章 9節】

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」

 

 

 6月15日(土)初めての取り組みとして「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」に参加しました。野間寮長からの呼び掛けに応えてくれた寮生7名と共に、「沖縄戦」についての勉強会を通して『平和の礎(いしじ)』について知る機会となりました。

 『平和の礎(いしじ)』は沖縄県平和祈念公園内にあり、第二次世界大戦で亡くなった方の名前が国籍・軍人・民間人の区別なく刻まれています。「6月23日沖縄慰霊の日」を憶えて、24万2046名の名前を読み上げるプロジェクトが3年前から始まりました。今回、私たちは沖縄県出身者200名と新潟県出身者300名の名前を担当し、インターネット中継で名前を読み上げました。今回、心を込めて真剣に取り組む寮生ひとり一人の姿に私自身が心揺さぶられました。

 昨年度から敬和学園のぞみ寮は「平和を紡ぐ人となるために」をスローガンとして掲げています。たったひとりの最初の一歩は小さくても、仲間と出会って共に歩み出す一歩は大きく勇気をもらいます。そのような平和を願う若者がここにいることを心から誇りに思います。(片岡)

 

 

「平和のバトンを次に繋いでいきたい」 S・M(めぐみ館2年・新潟県出身)

 私がこの活動に参加したきっかけは、自分のやるせない思いからでした。毎日のようにテレビから流れてくる戦争のニュースや、増え続ける被害者の人数を見ながら「どうにかして現地の人を助けられないだろうか?何か少しでもやれることはないのか?」と、日々頭を悩ませていました。「戦争を忘れない!」と言うのは簡単ですが、それをどう実行すればよいのか考えていたところ、この活動がある事を知りました。

 最初は「読むだけならば、他のボランティアよりはまだ手軽だろう」と考えていましたが、いざ名簿を受け取ると、紙自体は軽いのに、人の名前を預かるという重みを感じました。名簿に書かれている人は、もう79年前に亡くなっている方々なのに、その方々の人生に思いを馳せると、全く知らない人たちなのに一人ひとりの人生があって、家族がいたということを改めて感じて涙をのむような気持ちになりました。けれども、私の声で読み上げることで、少しでも戦没者の方々の気持ちが浮かばれるよう、誠心誠意向き合って読みました。

 私には戦争を止められるような力はないけれど、いざ初めて平和に繋がる活動を行って、自分にできることはまだたくさんあるということを学びました。のぞみ寮の目標である「平和を紡ぐ人となるために」その一歩のためにも、今回の活動を胸に刻み、平和のバトンを次に繋いでいきたいです。ありがとうございました。

 

 

 

T.J(3年)

 僕が今回「平和の礎」名前のお読み上げに参加して感じたことは、家族に集団自決させる戦争の恐ろしさと、人が人を殺すという残酷な事実でした。「平和の礎」に参加したきっかけは、友達が参加していたと言うことと、ちょっとした興味本位だったのですが、今は、参加して本当に良かったです。

 最初に手渡された名簿に目を通した時、読み間違えをなくすために名字ごとに蛍光ペンで区切っていました。年齢の欄を見ると、50歳、48歳、18歳、16歳、2歳と並んでいて、この人たちは家族だったことに気づかされました。たとえ、6歳の子どもであったとしても、情報を外に出さないために、国から渡された手榴弾で自決をする。その現実が信じられませんでした。私たちは今、戦争を繰り返さないために、過去の人たちの悔しい思いや苦しみをこの「平和の礎」」や昔の資料を通して思い起こす必要があります。今回「平和の礎」に参加して、戦争の悲惨さに改めて気づかされました。このことを忘れないために、少しでも多くの人に「戦争はいけない」という思いを伝えていきたいと感じました。

 

 

「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」ホームページ https://okinawa-ishiji.net

 

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