自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2024/05/13
【聖書:マルコによる福音書 8章 36節】
「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。」
チャペル前の掲示板の聖書の言葉が新しくなりました。
「あなたがたの光を人々の前で輝かせなさい。」(マタイ5章16節)
これは3年生の学年聖句です。
2年生のSさんが連休中に書いてくれました。
ぜひ、見てください。
さて、2,3年生は今日から、1年生は明日から定期テストが始まります。
それぞれの学年にとって最初のテストですから、しっかりと取り組んでください。
今日は、勉強することの意味について述べた「世界の名言」をいくつか紹介したいと思います。
「魚を与えれば1日食べていける。魚の取り方を教えれば、一生食べていける。」(管仲、中国、紀元前700年頃)
中国の賢者、管仲(かんちゅう)という人の言葉です。
魚を与えられても、食べてしまえばおしまいです。
しかし、魚の取り方を教われば、その技によって一生、魚を取ることができて食べていける、
だから、生きて行くための技術を若い頃に身につけることが大切だというのです。
今、聞いても全く古さを感じさせない、説得力のある言葉です。
「教師は扉を開けてくれるが、中に入るのはあなた自身だ。」(紀元前250年頃、中国の格言)
教師はあなたを扉の前まで連れてきて、扉を開けてくれるが、教師にできるのはそこまでです。
あなた自分自身が、「中に入ろう」と思わなければ入ることはできません。
勉強も同じです。自分自身が「やろう」、という気持ちになることが大切です。
同じような格言に次のようなものがあります。
「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない。」
どこかで聞いたことがあると思います。
本人が水を飲もうと思わなければ、周りがいくらお膳立てをしてもだめだ、という意味です。
何事も自分がその気にならなければ変わりません。
人がどのように生きるのか、それを最終的に決めるのは自分自身です。親でも教師でもありません。
「勝利した時よりも敗北した時のほうがはるかに多くのことを学べる。」(アフリカの格言。1650年頃)
成功よりも、人間は失敗から多く学ぶことができる、という意味です。
失敗の大切さを訴える名言は他にもたくさんあります。
「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことだ。」(アメリカの実業家ヘンリー・フォード)
「成功を祝うのはいいが、それよりも大切なのは失敗から教訓を得ることだ。」(マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ)
「主を畏(おそ)れることは知識の初め。」(旧約聖書・箴言1:7)
主とは、神様のことです。
では、「神を畏れる」とは、どういう意味でしょうか。
よくわからない時、私は逆の状況を考えてみることにしています。
神への畏れをなくしたとき、人はどうなるかを想像してみるのです。
神を畏れないとは、どんな悪いことをしても、他人にばれなければかまわない、という考えにつながります。
その考え方の行き着く先が、どういう状態かは想像つくと思います。
やりたい放題、人間不信、社会の破滅です。
昔から、日本人は「誰も見ていなくても、お天道様が空から見ているよ。だから、悪いことをしてはいけないよ」と子どもたちに教えてきました。
神への畏れを忘れた人間の知恵は、世界に平和と幸福をもたらすことはありません。むしろ、破壊をもたらします。
今、人類は核兵器や人工知能AIなど想像を超える科学技術を手にしました。
神への畏れを失い、私利私欲のためにそれらを用いるとき、それは人類を破滅へと導きます。
だから、神を畏れることが、すべての知識の初めになければならない、と聖書は教えます。
「世界を手に入れて、魂を失うな。叡智(えいち)は金銀より尊い。」(ボブ・マーリー、1980年)
ボブ・マーリーはジャマイカのシンガーソングライター、ミュージシャンでレゲエ音楽の先駆者の一人です。
この言葉は「ザイオン・トレイン」という曲の歌詞の一節です。
この歌詞は聖書の言葉の影響を受けて生まれました。
「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。」
自分の命、自分の魂は何物にも代えることのできないものです。だから決してそれを失ってはいけない。
魂を失うとは、人間としての尊厳を失うことです。
彼は人種差別に反対しました。人種差別は相手の人間としての尊厳を否定するものだからです。
魂を失わないこと、そして叡智を身に付けること。
人は魂を失うことなく、命の道、愛の道を歩むときに、金銀にもまさる叡智が授けられる、そのようにボブ・マーリーは歌います。
私たちもそのような道を歩む者でありたいと願います。
今日はいくつか、世界の名言を紹介しました。印象に残る言葉はあったでしょうか。
これらの言葉が、皆さんの日々の学習を、少しでも励ますものとなれば幸いです。
それでは、今週の定期テストにしっかり取り組んでください。
今朝の敬和