毎日の礼拝

毎日のお話

2023/01/10

Uさん(54回生)

コヘレトの言葉 4章 9-10節

 

おはようございます。このようなお話の機会を頂けたこと感謝します。突然ですが、みなさんは子供食堂を知っていますか?子供食堂とは無料またはワンコイン以下でお弁当やカレー、唐揚げ定食など栄養のある食事がとれたり、芋煮やお雑煮など地域の郷土料理が出たりと行われている場所によって違うメニューが楽しめる場所です。さらに子ども食堂の最大の特徴は1人でご飯を食べるのではなく、同じ地域に住む多くの人と関わり、一緒に食べることの楽しみを知ってもらう機会を提供していることです。

 

この子供食堂に私は小学5年生、6年生の計2回参加したことがありました。小学5年生の時に参加したのは、地域のコミュニティーセンターで行われていた子供食堂でした。休日、私が家でごろごろしていたら急に毎週遊んでいるようなとても仲の良い友人から電話がかかってきました。突然「子供食堂に行こう」と誘われたのです。「子ども食堂ってなに?」という状態で、乗り気ではありませんでしたが、その友人からの強い誘いもあり行ってみることにしました。ちょうどお昼時でお腹がすいていたというのもあったと思います。呼び出された会場は、普段から図書館として利用したり、卓球の大会でも使ったことのある慣れ親しんだコミュニティーセンターでしたが、行ってみるとそこでは、話をしながらカレーを食べているおじいさんやあばあさんがいたり、違う部屋では食後の子供たちが楽しそうに遊んでいたりと、見慣れない風景が広がっていました。その幸せなそうな雰囲気を私も楽しみながら友人と豚丼を食べ、その後子供たちと一緒に折り紙をしたりして遊びました。また、驚いたことに食卓には私が話したことのなかった同級生が座っていて、新たな交流の輪を広げることが出来ました。ちなみに彼とは中学時代、一緒の卓球部に入ることになります。皆さんもご存じかと思いますが、入学したばかりの時期に一人でも気の知れた友人がいるという安心感は大きかったです。もし、私が友人から受けた急な電話に出なかったら、私は中学3年間を一人ぼっちで過ごしていたかもしれません。新しい繋がりを作ることの重要さを今更ながら感じます。

小学6年生の時はボランティア委員会の活動の一環として参加することにしました。地域の方と一緒にカレーを作る手伝いをしたり、作ったカレーを運んだりしました。普段、家では嫌々やっている料理も、なぜか率先して包丁を握り、「自分にも人のためにできることがある」という自信がつきました。カレー作りがひと段落して暇になった時、遊ぶ場所あるかな~と思って探しましたが、この子ども食堂には、以前のコミュニティーセンターにあったような部屋がありませんでした。運営している方に聞いてみるとまだ作ってないよと言われたので、子供たちが楽しめるようなバルーンアートや知恵の輪みたいなもので遊ぶスペースをつくったらどうかと思い、地域の方々と協力して見様見真似で作ってみました。

 

裏方として参加してみて子供食堂が地域の人の憩いの場の1つになっていることを知り、同時に私はこの活動を通して人は面倒くさいと思っていたこと、やったことのないこと、行ったことのない場所、そして話したことのない人とも、「とりあえず」やってみる、行ってみる、話してみることで、いつの間にか楽しんで、真剣に取り組み、やり遂げることができるのだと気づきました。初めに「子供食堂は無料またはワンコイン以下で食べ物を提供している所」と言いましたが地域の方はそれだけではなく遊ぶ場所までつくり心から楽しんでもらおうという強い思いを持っていました。子ども食堂自体が掲げている「単に食事をするだけではなく、人と関わりながら食事をする楽しさに気づいてもらう」という目的の成功のために「自分のできることを全力でやる」、そんな精神に満ちていたのです。子供食堂で出会った人から吸収できたものは数え切れません。以前の私は自分から何かしようと思っても他にやりたい人がいれば譲ってしまうような積極性のない人間だったんです。ですが今は少しずつ自分のやりたいと思う心に従い動けるようになってきたのではないかと思います。もちろん、自分が担っている役割をもっと完璧にこなす適任の人が他にいると思うことばかりです。しかし、だからこそ自分から動き、新しい場所に跳び込んでみることで、自分をアップグレードするだけではなく、自分の経験をそこで活かし新しい何かを産み出せるのかもしれません。だから今、私は敬和学園に入学してからフェスティバルの実行委員に取り組んだり、生徒会副会長に立候補したりと、新しいことへの挑戦を続けています。

ただ単純に敬和生活を過ごすのではなく、いつも新しいことに挑戦し、敬和を卒業する日に「文句なし」と言えるよう日々、生活していきたいです。これでお話を終わります。お祈りします。