月刊敬和新聞

2022年8月号より「自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる」

校長 小田中 肇

私の自慢は生徒です
 中学生と保護者がよく学校見学に来られます。応接室でお話しをした後、校内を一緒に歩いて案内します。授業の様子や体育館・チャペルなどを見学します。そのとき私はいつも「生徒を見てください、敬和の一番の自慢は生徒です」と言って案内します。ありのままの生徒の姿や表情を見て欲しいと思うからです。どの生徒も素晴らしい表情を見せてくれます。廊下などですれ違うとき、見学の中学生と分かるとみんな優しく挨拶してくれます。私の自慢は生徒です。

 隔てるものがない 
 敬和学園の敷地に足を運び入れてまず感じるのは、自然豊かな環境のすばらしさです。正門からのゆるい坂道をのぼると正面には大きなプラタナスの樹がたっています。学園の自然は四季を通じてさまざまな表情を見せてくれます。それは敬和の教育に欠かせないものです。敬和学園には自由で開かれた風が吹いています。
 敬和学園の特徴の一つは、教師と生徒の間の強い信頼関係です。創立以来、生徒と教師が協力して学園を造ってきたという歴史がこの信頼関係を生みました。今も週一時間「労作」という授業があります。生徒と教師が一緒に農作業や清掃、雪よけなどを行います。共に汗を流すことで絆はいっそう強くなります。

 土台がある
 敬和学園高等学校はキリスト教の学校です。55年前、新潟市の開港百年記念事業の一環として、市と県の協力を得て創立されました。「新潟にもキリスト教の学校を」というキリスト教会の長年の夢がかなえられたのです。
 キリスト教の中心にあるのは神様の愛と正義です。この二つがキリスト教の教えの中心にあります。それは敬和学園の教育の土台になっています。敬和学園の「敬」は神への畏敬(いけい)を、「和」は隣人愛を意味します。
 では敬和学園で学んだ生徒には、どのような進路が備えられているのでしょうか。毎年、約半数の生徒が四年制大学に進学します。数多くのキリスト教大学から指定校推薦枠をいただいていますが、その中にはいわゆる難関校も含まれています。多くの生徒が敬和での学びを発展させるために、この推薦制度を利用します。それはこれらの大学が敬和学園高校の教育を高く評価し、豊かな人間性を備えた敬和生のような学生に入学して欲しいと願っているからです。
 また敬和学園大学に毎年30名以上が進学します。高校での学びをさらに発展させるために高校・大学が連携して7年一貫教育に取り組んでいます。同じ教育理念に立つ敬和学園大学は、高校にとってもっとも信頼のできる進学先のひとつです。
 卒業生に牧師が80名以上いることも大きな特徴です。牧師以外にも教育・福祉・医療関係を中心に敬和の卒業生がたくさん活躍しています。今も全国から敬和の教育を求めて入学してくる生徒がいます。ある大学の先生は「敬和はキリスト教のエリート教育をしている」と言われました。敬和学園には揺らぐことのないキリスト教という土台があるからです。 

一人ひとりが主人公 
 私たちは、生徒一人ひとりが、「人を、自分を好きになって欲しい」、そのような願いをこめて教育に取り組んでいます。人を受け入れ、自分を好きになることは思ったほど簡単なことではありません。
 敬和の自由で開かれた校風の中、生徒はその三年間の学びと経験によって、少しずつ変えられて行きます。敬和の生活では、さまざまな機会に相手の存在を認めることの大切さを学びます。自分と合わない人、苦手な人もいるかもしれません。それでも、協力して一つのことをやり遂げることによって、苦手だった人が、かけがえのない存在へと変わっている。そう感じられる瞬間を経験して欲しいと願っています。
 敬和学園は学校行事が盛んです。それらは生徒が中心となって作り上げます。やらされるのではなく、自分たちでつくる、だから生徒たちは学校行事の中で、いつも輝いています。
 学習についても同じことが言えます。一年生は英語、数学、国語を習熟度別に学習します。2,3年生では個人カリキュラム制を採用し、自分が学びたい科目を選択して時間割をつくります。それによって、生徒の自主的に学ぶ姿勢が引き出されます。他の学校にはないユニークな授業が展開されています。

 あなたも、この敬和学園で三年間の学校生活を送ってみてはいかがですか。入学を心よりお待ちしています。