毎日の礼拝

毎日のお話

2022/11/29

Tさん(55回生)

ルカによる福音書 2章 14節

 今年の二月、私はウクライナ出身のオペラ歌手と出会いました。私が所属するクワイヤーと同じコンサートに出演することがきっかけでした。

 コンサート前日、彼女はお話しをしてくれました。「私は昔、肺が弱かったの。でも、たくさん歌うことで体が丈夫になったわ。歌には不思議なエネルギーがあるのよ。」「…太夫浜は、私の故郷によく似ているわ。」

 私は彼女を特別な人だと思っていました。歌を愛していること。田舎で育ったこと。私と彼女は同じ人間でした。それに気付いたとき、ウクライナで行われている戦争がとても近しいものに感じました。今まで何も知ろうとしなかったことを恥ずかしく思いました。

 本番当日、ドレスに身を包んだ彼女のウエストには、水色と黄色のリボンがあしらわれていました。一見似合わないように見えるそれは、いつまでも私の心に残り続けています。