クラブ活動

混声合唱部

2022/09/13

<混声合唱部> 快挙達成!Nコン関東銀賞受賞

 混声合唱部は9月11日、さいたま市文化センター大ホールで開催された、第89回NHK全国学校音楽コンクール関東甲信越ブロックコンクールにて銀賞を受賞しました。Nコンの関東大会は大変レベルが高く、新潟県が入賞することは高校部門では史上初かもしれません。そんな中で今回の銀賞の受賞は、部活動の一人一人の誠実な歩みの足跡が、歴史の中に確かに刻まれた瞬間でした。

 今年私たちが自由曲に選んだのは、シリアで銃撃に遭い亡くなったジャーナリスト山本美香さんの残した文章をテキストとして再構成した『ぼくの村は戦場だった−あるジャーナリストの記録−』から「111000000」と「ねがい」でした。組曲には現実を直視し、世界に伝えようとするジャーナリストの矜持や少年兵の苦悩などが描かれ、「111000000」は推定一億一千百万個も世界中にばら撒かれ、土の中に潜む地雷がテーマの衝撃的な歌です。幻肢痛や無差別殺傷など普段の合唱では決して出てこない言葉が矢のように飛び交い、痛みのうめきが世界の現実を容赦なく突き付けてきます。常に緊張感をはらみながら曲は駆け抜け、その先にあるのはもう一曲の「ねがい」。これは紛争地から避難した11歳の女の子の言葉を曲にしたものです。「戦争や争いをやめてください 子どもに笑顔がもどるように…(中略) 殺したり破壊したりするものをぜんぶとめてください 子どもに幸せな笑顔がもどるように」という切なる平和への願いを歌い、曲は終わります。

 この曲を今年歌うことは大きな意味があったと考えています。世界情勢がこのようになった現在、世界の苦しみと平和への祈りを、キリスト教主義の学校が歌うことはある種の使命であるようにも感じました。最初は詩が本当に重く、歌うたびに心に痛みを覚えたのも事実です。しかし、地雷の事、戦争の事、世界の現実の事、勉強会などを重ね学ぶうちに、この曲にあるのは痛みだけではないことに気付きました。本当に困難な中にあって、それでも明日を願って今日を生きようとする人間の強さを感じました。今年は本当に困難な事が多い夏でしたが、彼らはその歩みの中で、曲の中の人々の想いや力強さ、未来への希望をリンクさせ、最後は本当に大切な、かけがえのない一曲になりました。

 状況は常に変わり、悔しい思いもしました。しかし常に仲間が友に居て、支え合い、助け合い、1+1の力を2の何倍にもして、新しい扉をこじ開けたのです。彼らの無限の可能性と、不可能を可能にした努力の日々。特に3年生はその3年間の積み重ねの集大成として、先輩方の想いも乗せて演奏し、成就させました。そこには多くの人の支えがあり、部員一同感謝の思いでいっぱいです。この感謝を伝えるべく、11月の定期演奏会コスモスコンサートに向けて準備していきたいと思います。ありがとうございました。

 

 なお、今回の演奏は10月2日(日)Eテレ14:00~17:00でハイライト放送されます。10月5日(水)16:00~18:30にNHKFMでもラジオ放送される予定です。どちらも関東甲信越向けですが、「NHKプラス」や「NHKネットラジオらじるらじる」ですと全国でご覧頂けます。