労作日記

被災支援活動

2011/06/08

2011年度フェスティヴァル 原案作成までの歩み(1)

3.11 FRI 東日本大震災発生

4.8 FRI 3年生オリエンテーションデー
例年ならば各連合のチーフやテーマ決めを行う日。しかし、これほどまでに多くの死者・行方不明者を出した大震災の直後であり、さらに原発の危機的な状況の中で、あたかも何事もなかったかのように今まで通りのフェスティヴァルを行って良いのだろうか、という大きな問題提起をした。今年のフェスティヴァルを実施するかしないか、一から議論をすることとなった。

■全体での話し合い
ネイティヴ・アメリカンの人々は、話し合いをする際、小さな子どもからお年寄りまで全員が意見を述べる。その方式に習い、学年の全員がチャペルに集まり一人ひとりが意見を述べた。二時間以上の時間を要したが、そこで語られる言葉はどれも気持ちがこもっており、そこにいる全員が耳を傾けた。

<出された意見>
・例年どおりに全力で盛り上がりたい。
・中途半端ならやらないほうがよい。本気で楽しむか、全力で支援するか。
・自粛して献金をするべきではないか。
・フェスティヴァルは私たちの成長の機会なのでぜひ実施したい。
・大変な状況の中でお祭りムードはおかしいのではないか。
・全員が授業や学校生活を大切にできているとは言えない中で、この学年
がリードして フェスティヴァルができるとは思えない。やるとすれば、
ものすごい勇気と決断力を要する。
・被災地に暮らす両親が楽しみにしているので絶対実施したい。
・被災地出身の自分が、今とてもフェスティヴァルをする気持ちになれない。

■クラスごとの話し合い
この全体の話し合いを受け、その後各クラスでフェスティヴァルを行うかどうかの結論を出すための話し合いに移った。その話し合いの基本方針は、「少数派の意見を大切にすること。」担任は一切発言せず、評議委員主導で行われた。声を詰まらせながら語る生徒もあった。

■再び全体で
各6クラスの結論と、その話し合いの内容をシェアした。そのうちのあるクラスは、クラスとして『今年度のフェスティヴァルを実施しない方がよい』という結論を出した。その後全員の多数決をとり、120対40で今年度のフェスティヴァルは行うこととなったが、一人ひとりその決議を重く受け止め、チャペルは水を打ったように静まり返った。