今日のランチ

今日のランチ

2022/06/23

今日のランチ(2022.6.23)

ワカメごはん・鶏から揚げ・キャベツサラダ・味噌汁・牛乳・オレンジ

0623

 

 

 今日のランチはから揚げだ。労作で玉ねぎの収穫をしているときに、「今日のランチはから揚げだ~!」と一人の生徒が叫ぶと、周りにいた数人の生徒が「やったー!」と声をあげる。から揚げと聞いただけでおなかが空いたようで、「腹減ったー!」と続いた。「空腹こそ最高の調味料」そんな格言があるが、彼らにとって今日のランチは最高であるに違いない。


 確かに、敬和のランチメニューでもから揚げはトップ3に食い込む人気メニューだ。から揚げと言えば、子供は誰でもよろこぶに違いない。我が家も例外ではない。
 子供たちに今日の夕食は?と問うと必ず出てくる。しかし、聞いたはいいが揚げ物を作るには勇気がいる。過去に自分の指を揚げてしまった経験があるからだ。よって、つい最近まで、から揚げを食べたいと言い出し、妻の帰りが遅くて私が料理をするときには、流行の店から揚げを買ってきて、まるで自分で揚げたかのようにお皿に盛って千切りのキャベツを添える。親父の作るから揚げは母親のものよりもうまいらしい。そりゃそうである。

 

 が、先日、大手スーパーでその店のから揚げのあげる前の状態のもの。調味料に漬け込んである鶏肉が冷凍されていて、解凍して唐揚げ粉をつけ自分であげるものを見つけた。けっこう値は張る。たしか500グラムで千円だ。しかし、出来上がったものを買うよりは安い。子だくさんの我が家には3つは必要。意を決し、数年ぶりに揚げ物に挑戦した。指をあぶらに入れないようにと、上から鶏肉をインすると、かなりの勢いであぶらが跳ね上がる。コンロはもう油まみれだ。このままにしておくと間違いなく怒られる。片づけをちゃんとやろうと心にとめておきながら、鶏肉を揚げていく。備え付けの野菜はスーパーで買ってきた千切り状態のキャベツだ。それにインスタントのみそ汁をお湯でとく。炊きあがったご飯をよそぐ。完璧なから揚げ定食。さて、お味は?1500グラムのから揚げは一瞬でなくなった。残り物を食べるつもりでいたが、残らなかった。感想を聞くと当然、「おいしかった」とかえってきた。
 すでに味付けられたものとはいえ、自分で揚げるという手間をかけた料理が「うまい」と言われ、言われるだけでなく、すべてが食べつくされるというのは、本当にうれしい。出来上がったから揚げを買ってきて、偽って自分が作ったと言い張り、それがおいしいといわれるのとは比べ物にはならない。この嬉しさが、次は味付けも自分でという意欲を駆り立てた。そして子供たちが喜ぶ顔を見るためにとそのための手間をかける。だからおいしいはずである。

 

 手間をかけた料理はうまい。だから敬和のランチはうまい。うまいといわれるために手間をかけてくれている。そのことを今日のから揚げは改めて気が付かせてくれた。

(S.M)