のぞみ寮通信

大望館

2022/06/14

大望館通信 第318号 「礼拝お話ピンチヒッター」

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 平日の夜に行われる各館礼拝では、生徒がお話を担当しています。お話の内容はその人らしさが出ます。例えば、自分が育ってきた環境や過去の出来事から学んだこと、敬和生活で感じていることを伝えたり、社会情勢や世界の出来事に対して自分の考えを伝えたりしています。しかし、時には礼拝のお話を作り上げるのが間に合わないこともあります。以前は、讃美歌を歌い、聖書を読み、その場でお祈りをして礼拝が終わっていたのですが、今の大望館は違います。そのような時にピンチヒッターが現れるようになりました。ピンチヒッターを担ってくれる人は、自分が担当する数日前にお話を作り上げていたり、自分のノートにいくつもお話が書いてあったりするのです。ピンチをチャンスに変える、まさにピンチヒッターを担ってくれる大望生に心から感謝しています。礼拝の時間はお話をする人だけでなく、奏楽する人やお話を聴く人みんなで作り上げていくものです。礼拝をさらに良い時間として作り上げていく彼らの姿を見て、いつも励まされています。

 先日、ピンチヒッターを担ってくれたN・T君(3年)のお話を掲載します。たくさんの出会いの中で感じたことをストレートに表現してくれました。ぜひご覧ください。

 

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「出会いから始まる奇跡」 N・T(大望館3年・沖縄県出身)

 みなさんは、出会いから始まる奇跡を感じたことはありますか?僕はたまに思うことがあります。「なぜダンスチーフになったのか?なぜここにいるのか?」ダンスチーフには自分で立候補しましたが、僕はこのように疑問を持つ時に、これは出会いから始まる奇跡だと考えるようにしています。

 僕が新潟で生まれて、小学校は新潟と兵庫で過ごし、中学校は沖縄で過ごし、高校をここ敬和学園で過ごしている。これも全て生まれてからの17年間が出会いから始まる奇跡のように感じています。僕が敬和学園に来てダンスチーフになったのも、生活規律委員長になったのも、少しずつピアノが上達したのも、全てが出会いからの始まった奇跡です。もしも、僕がダンスを全然習っていない素人だったら、ダンスチーフになんか立候補していません。そもそも考えれば、僕が敬和学園を知らなかったら、もちろんここにはいません。お母さんが僕を産まなかったり産めなかったりした場合、僕は今、生きていないのです。だから、僕は今こんなに平和に生きて、礼拝でお話をして、一日を過ごせていることに心から感謝しています。ここ敬和学園に来て、大望館3年生11人と2年生9人と1年生6人と寮務教師と教育実習生に出会えたこと、とても感謝しています。当たり前ではなく、とても貴重なことで、そう簡単ではない奇跡物語なのです。みなさんもこの奇跡物語を忘れないでほしいです。

 今、世界では会いたくても会えない親子や学校に行けない子どもたち、難民の人々などがたくさんいます。その人たちのことを覚えて、今この時を大切にして生活しましょう。ここにいるひとり一人が感謝出来ますように、祈りを合わせましょう。