自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2022/01/13
1月12日(水)4限、雲仙クラスの労作です。
昼休み、ある生徒が担任のいる物理教室に飛び跳ねながらやってきた。「先生、今日の労作どこですか?」「もちろん、外だけど。」「え~。それは拷問ですよ。」昨夜から時々降る雪は積もっていない。なぜか?―それは風が強いから。風速10m越え、暴風雪警報が出ていた。労作教室“前”に集合と放送は入れたが、寒風は身にしみる。みんな労作教室の中に吸い込まれていく。教室と言っても、校舎から離れた暖房もないプレハブで、決して暖かくはないが、風は凌げる。今日は仕方ないかと、労作教室内で整列。「敬和の労作で、雪掻きなしで3年間を終わるはあり得ないよね。雪はほとんど積もっていないけど、日陰で凍っている部分のアスファルトを出すよ。」―「え~。」でも私は知っている。彼らは寒かったり、雨が降っていたりの悪条件で、燃えるのである。
思った通り、日陰は凍っている。その上に雪が少し乗ると、滑って危ないのだ。スコップでたたいて氷を壊しながら、どけていく。校舎から離れた美術室や柔道場、クラブハウス。少しでも歩きやすいように、危険の無いように、この労作の先には生徒たちの安全がつながっている。入学当時は何でこんなことしなければならないのかと思っていた彼らは、3年間の労作を通して、損得を考えないで誰かのために何かをすることの喜びを知ったのだ。
ある程度雪を取り除ければ早めに終わろうと考えていたが、みんな一所懸命やってくれて、かなり広範囲の雪をどけることができた。そして、その頃には軽く汗ばむくらいになり、心も温かくなっていた。