毎日の礼拝

毎日のお話

2021/11/30

阿波加 寛(社会科)

コヘレトの言葉 1章 18節~2章 1節

秀才だった男が落ちぶれ、虎になって行方知らずになる。現代文の授業で誰もが読むこの『山月記』という物語を通して妄想を広げてみましょう。秀才だった彼が落ちぶれたのは運が悪かったからでしょうか。いえ、私の妄想だと彼は〈何かに熱中することのできないニヒルな人物〉でした。やればできるのにやろうとすると心の奥から「それやって役に立つの?何熱くなってんの?」と斜に構えた声がして、水を差してしまうのです。皆さんもそういう賢いゆえの無気力感をこのテスト期間に何度も耳にすることでしょう。この声を無視するのか、従うのか、自分なりの答えを叩きつけるのか、がまさにこのテスト期間に求められているのです。