のぞみ寮通信

のぞみ通信

2021/06/16

のぞみ通信 2021年6月2日 第263号

題字 めぐみ館2年 Y.Kさん

 

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日本海シーサイドライン夕日ツアー(5月4日)

 

自分にとって真の楽しみとは

数学科 青栁希望

 この時世において、様々な制限の中で前向きに生きていくために「日常に楽しみを見つける力」が役立つと思います。あるいは「世の中を面白がる力」などとも言い換えられるかもしれません。おかれた状況の中で楽しみを見つけたり、目の前のものを面白がったりすることができれば、日常はより豊かになります。一見簡単そうに聞こえますが、実はこれらはなかなか高等な技術のいることなので、いくつかのポイントを紹介します。

 「日常に楽しみを見つける」「世の中を面白がる」ために大事なことの一つ目は、自分が「楽しいな」「面白いな」と思う感覚は他人に合わせる必要はないということです。しかしながらどうも私たちは、一般論や世間の目をとかく気にしがちで、自分の興味の対象がなにか珍しいものだったりマイナーなものだったり、あるいは一見くだらないことだったりすると、なんだかそれを堂々とやってみたり、公言したりするのがためらわれてしまう事がよくあります。特に、こどもから中高生になって、さらに歳をとっていくにつれて「自分が本当に面白いと思うもの」よりも「みんなが面白いと思っていそうなもの」のほうに興味関心の対象がスライドしていくような気がします。みんなで話題を共有して「楽しいね」という時間ももちろん素敵だとは思いますが、一方で「自分が本当に面白い」と思う感覚って、意識していないとだんだん自分でも気づけなくなっていってしまうというか、無意識的にふたをしていってしまう、そんな気がしていて、それは本当にもったいないことだと思います。なので、自分が心から「面白いな」って思う感覚に自覚的に敏感になる事はとても大事なことだと考えます。

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 先日テレビ番組で、タモリさんが「家電の動作音で賛美歌を演奏する」という企画をやっていました。実にくだらない企画ですが、タモリさんはめちゃくちゃ楽しそうにやっていました。タモリという人は、趣味が多くて色々なことを楽しんでいる人というイメージがありますが、それは一見「くだらない」とか「ふつうこんなことはしない」と思われていることを、そんな先入観や世間の声は気にせずにあえてやってみて、しかも本気で面白がろうとしているからこそのイメージではないかと考えます。何かを本気で面白がることって意外と簡単ではなくて、やっぱりそのためには自分の興味関心に対して自覚的に敏感になる必要があると思います。

 「楽しみを見つける」ために重要だと思うことの二つ目は、積極的に教養を身につけるということです。「教養」ということば、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。学校の勉強のイメージでしょうか。たしかに勉強をすることでたくさんの教養を身につけることは出来ますが、それ以外にも教養を身につけるチャンスは日常の中にたくさん転がっていて,なんだか面白いな,とちょっとでも思うことがあったら、それが新しい教養を身につける入り口だと私は思います。

 我が家には4歳と2歳の二人のこどもがおりますが、こどもは自分が面白いと思うものとか,興味のあるものに対してまっすぐに向かっていくんです。4歳の長男はいま「家紋」が好きで、「家紋大図鑑」という渋い本を読んでます。彼はいまとても家紋に詳しいのですが、別に彼はそれを「勉強」などとは思っていません。純粋に自分が面白いと思うから、本を読んだり、覚えたりするわけです。先日、祖母の13回忌でお寺に行ってきました。住職の方のお経はこどもにとってなかなか退屈な時間で、息子も途中で飽きてしまい「まだ終わんないのー?」みたいなことを言い出します。困ったなあと思っていたら、なんと、お寺の壁に様々な家紋がかかれているではありませんか。それで息子に「ほらあそこに家紋があるよ」と教えたところ、彼は目を輝かせ、そこからはおとなしくずっと家紋を見て過ごしていました。

 「日常の中に楽しみを見つける」ということを実現するためには、教養の引き出しは多ければ多いほどいいはずです。その引き出しの一つ一つが世の中を面白がるためのフック・きっかけになります。制限の多い時代だからこそ一層「教養を身につける」ということを意識してみるのはいかがでしょう。学校生活や寮生活は、教養の宝庫です。何の分野でもいいと思います。家紋でもいいし、昆虫でもいいし、なんなら好きなアイドルグループなんかでも。そこから世界を広げていくといいと思います。是非自分の興味のある分野について積極的に教養を身につけにいく、自分の引き出しをどんどん増やしていくことをお勧めしたいです。

 とはいえ、中には「自分が興味のある事なんかなんにもないよ」という人もいるかもしれません。特にいま皆さんは制限の中で本当に多くのことを我慢しながら生活しています。こんな制限だらけの日常の中に、楽しみを見つけることなんか不可能だよ!と日常に対して憤りのような気持ちを抱いている人もいるかもしれません。そんな人にとって、きょうの聖書箇所が一筋の希望になればいいなと思います。「わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。」(テモテの信徒への手紙6章17節)

 聖書においては、この世の中のすべては私たち自身も含めて神様によってつくられたものです。その創造主である神様は私たちに、ただ物を与えてくださるだけではなくて「すべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる」のです。

 

 たとえば食事です。もし食事という行為が、生きていくために必要な栄養やエネルギーを摂取する、それだけの目的だけのためにあるのだとしたら、極端な話、サプリメントみたいなものを決まった時間に摂取すればよいわけですが、これは本当に味気ないです。美味しい食べ物がなければ,人生においてどれほどの楽しみが減ることでしょう。神様は私たちに「食欲」を与えて下さって、それと同時に食べ物を備えられて、私たちに「食事」という楽しみを与えてくださっています。あるいは美しい景色です。自然の美しい景色を皆さんも何度も見たことがあると思います。でも「何回も見すぎて見飽きちゃったからこんな景色もう見たくないよ」とはなりません。見飽きることのない自然や景色の美しさは「永遠の美しさ」とも呼べるものかもしれません。それほど神様が用意されたものは完全で、私たちを楽しませてくださいます。「ゲームが楽しいな」とか「SNSが楽しいな」みたいなこととは,全然次元が違うわけです。

 そこへゆくと、楽しみなんか全然ないよ!と思っている場合でも、実はそれは身の回りの「楽しみ」に気づいていないだけなのかもしれません。楽しみは既に与えられていて、それを見出せるかどうか、それを面白がれるかどうかは私たち次第なのではないか。退屈で仕方がない、つまらない世の中に憤りを覚える、そんなときにこそ視点を変えて、アンテナの高さを変えて、神様が与えて下さる「楽しみ」、永遠的な真の楽しみを味わえるように、本当にいま大変な時ですけれども、ぜひ能動的に求めていってほしいと切に願います。

 神様が与えてくださった楽しみのうち、私が最も重要だと思うものを最後に紹介します。それは人と交わる楽しみです。私たちはいろいろな人と出会い、親しくなることによって、励まされたり、慰められたり、生きる力をもらったりします。人は人と交わることで楽しみ、元気になるものです。みなさんは導かれて、のぞみ寮という集団の一員となりました。そして、多くの寮生と出会い、交わりのときをもつことができる。これは間違いなく神様から与えられた「楽しみ」に違いありません。

 自分にとって真の楽しみとは何なのか、そのことを追い求めながら、感謝の気持ちをもって歩む。それが、この大変な時代を生き抜くための、新しい知恵であり、新しい世界を拓くためのヒントなのではないでしょうか。

 

 

 

~寮生リレー・寮祭~

 

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~光風館 「ウォーターボーイズ」~

 

「それ、着るんですか?」  F.I(光風館1年・群馬県)

 僕たち光風生の寮祭の出し物は「ウォーターボーイズ」でした。ご存じの方もいると思いますが、簡単に言うと「踊り」です。なぜこれにしたかというと、統一感がある、面白いなど、ととにかく寮祭に打ってつけだったからです。

 色々あって本番まで時間がありません。一人一人が必死になって練習し、分からない振り付けは教え合ったりして、なんとか本番に間に合いました。衣装は、水着の代わりに黒いビニールを使いました。正直、面食らいました。

 そして呼吸を整える暇もなく本番がスタートします。踊りを着々とこなしていき、練習通りに終えることができました。皆で猛特訓した日々は忘れないでしょう。あっという間に終わりました。

 寮祭が終わって数日後、あることに気が付きました。それは自分が素を出して話せていることです。きっとあの寮祭のおかげでしょう。一皮むけた感じがします。皆で一つの山場を乗り越えたことで見える景色が変わることをこの寮祭で学べました。そして、このような山場はこれから先いくつもあり、自分たちを待っていることでしょう。

 山を登るときは、また、みんなで協力しあって素晴らしい光風生に成長したいです。

 

 

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~めぐみ館 「シンデレラ」~

 

「楽しい思い出、成長できる場」 M.K(めぐみ館1年・新潟県)

 私は、今回の寮祭を通して、色々なことを学び、感じることができました。そう思った理由は2つあります。

 1つ目は、寮祭を「楽しい」と思えたことです。先輩方からは、寮祭は「恥を捨てる場」と話を聞いていました。私は、人前に出て人を笑わせることが苦手で、恥ずかしいという気持ちから逃げてしまうことがありました。しかし、私は今回の寮祭で恥ずかしがらずに本気で自分の役を演じ切り、人を笑わせることが楽しいと思うことが出来ました。

 2つ目は、寮祭を通して、めぐみ館の人達や同級生の寮生の人達と話やすくなったことです。特に男子寮生の人達とは寮祭をきっかけに、話す機会が増えました。また、めぐみ館の人達とも普通に話せるようになりました。とても嬉しく思います。

 私にとって寮祭は楽しい思い出となり、「成長できる場」だと思いました。これからも、寮ではもちろん、学校でも皆と楽しい思い出を作っていきたいです。それと共に成長していけたらいいなと思っています。

 

 

 

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~みぎわ館 「自動販売機の仲間達」~

 

「新しい仲間を迎えて」 K.H(みぎわ館2年・茨城県

 みぎわ館に可愛い1年生と新しい仲間のRさんと豊田先生がやって来ました!

 2年生は、去年から楽しみにしていた寮祭、1年生とRさんは新たな場所での挑戦。きっと私だけでなく、それぞれ思うことがあったと思います。

 今年のみぎわ館は自己紹介とダンス、新しく劇にも挑戦しました。舞台は、敬和にできた自販機。主役はその自販機に住む個性的なジュース達です。上品なミルクティーから、元気いっぱいのサイダーまで。ダンスはマルモリを踊りました。

 2年生で計画しているとき、自分達が思っていたよりも1年生のことを全然知らないことに気付き、お互いを知る為の企画を行いました。企画は大成功し、その後、1年生も積極的に意見を出してくれたので安心して練習ができました。

 しかし、寮祭2日前にRさんが体調不良で寝込んでしまいました。その為、変更点が多く、沢山話し合い、意見がぶつかり、涙も流れました。けれど、最終的にこの人になら任せられる、私達なら大丈夫というお互いを「信じる心」が一つにしてくれました。多少の疲れも見えましたが、それ以上に笑顔が多かったから乗り越えられたのだと思います。

 今年の寮祭を通して、一人ひとりが成長できたと強く思いました。

 

 

「寮全体の絆を深める」 I.K(大望館3年・兵庫県)

 今回、僕は寮祭がいかに寮生にとって大事な行事なのかを知れました。

 僕が寮に入った理由の一つに「楽しみたい」というものがあります。これは僕だけでなく、寮生のほとんどが思っていることだと思います。先輩、後輩関係なくすべての人が楽しめる「寮祭」という行事では、僕らが願った「楽しみたい」と言う気持ちに沢山応えてくれたのです。

 寮祭では、行事委員として運営に携わらせていただきました。僕は、企画をすることがあまり得意ではありません。しかし、他の行事委員のメンバーと分担し、一緒にやることで会議や準備の一つ一つがとても楽しくできました。

 僕は普段、男女関係なく、後輩と仲良くなりたいという願いもあります。しかしきっかけが少なくて話せないままでいました。そんなとき、寮祭というきっかけが与えられました。

 普段は接点がなく全然話したことない後輩や同級生とも話す機会が沢山ありました。寮祭と言う特別な行事だからこそ、話すきっかけができたり、お互いの名前などを知る機会ができたりして、のぞみ寮全体の絆をより深められるのだと思います。

 そんな寮祭を行事委員の仲間と一緒に作れたことに感謝と誇りを持ちます。寮祭という素敵な行事を通して、これからも「楽しい」が生まれるよう願っています。

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~ 司会をする行事委員 ~

 

 

 

~ゴールデンウィーク~

 

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~阿賀町の月山登山(5月7日)~

 

「身を任せてみる」 M.D(光風館2年・滋賀県)

 今回の山登りは、自分の中で初めての経験でした。コロナの影響で外出できない中、このような体験ができて良かったと思います。

 僕たちの年代だと、友達と出かけるといえば、ショッピングセンターやカラオケなどの施設に行くことが多いです。友達と一緒に自然に触れる機会は少ないので、普段とは違った雰囲気を楽しむことができました。

 自然の空気は綺麗でした。山を登っている時も気持ちいいし、外出制限の影響もあって、外に出ることがなかったので、良い気分転換にもなりました。標高が高い山ではありませんでしたが、登ってみると意外にも息が上がるぐらいのしんどさを感じました。登っている途中に見える景色はとても綺麗で、非日常を感じることで、普段のストレスなどがなくなっていく感じがしました。

 自分から経験がないことに一人で挑戦することは難しく感じますが、今回のような行事に参加するなど、身を任せることで、何か新しい発見が見つかったように感じました。たまには、視点を変えて普段はしないことに取り組んで、今後も成長できればと思います。

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~女子寮 早朝散歩~

 

 

「成長の第一歩」 U.C(めぐみ館2年・新潟県)

 私は、今年のゴールデンウィークは帰省せずにずっと寮にいました。帰らなかった理由は色々ありますが、一番は家に帰ってずっとぐうたら過ごすだけの生活をするよりも、寮にいて充実した生活を送りたいと思ったからです。そのことに気付き、帰らないと決意したのはゴールデンウィークに入る前日の夜でした。今では「帰らない」という選択をして良かったと思っています。

 寮に残っていた人たちと朝早く起きて海へ散歩に行ったり、普段は乗らないスケートボードに乗ってみたり、夜に映画を見ながら寝たり・・・・・・。もちろん、寮の先生方が企画してくださった海へのドライブや寮長先生の陶芸教室、山登りにも参加しました。いつもの休日では出来ない少人数だから出来ることを沢山して、本当に充実した連休を過ごすことが出来ました。

 家にいることで出来ることだってあるし、家にいることが悪いという訳ではありません。私も去年の自分だったらきっと残らなかったと思います。家に帰ってゲームをしたりスマートフォンを使ったりしたいと思っていたからです。でも、何かにチャレンジしたい、視野を広げたい、自分を変えたいとずっと思っていました。これも一つの成長のチャンスだと思いました。

 今回のチャレンジを第一歩として、これからも色んなことに挑戦して成長していきたいです。

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~陶芸教室(5月3日)~

 

 

 

「教師の一言」  女子寮 小林 渚

 一年越しの寮祭開催となり、心から嬉しい!と感じることが出来ました。

 「やりたい!」という気持ちを形にして、皆で涙が出るくらい笑い合う一瞬一瞬が、本当に楽しく幸せに感じることが出来ました。コロナ禍2年目の歩みであっても、感染症対策を万全にし、今自分達ができる自分達なりの楽しみを精一杯創り出し、共に喜びを分かち合う素晴らしさを教えてくれたのぞみ寮生に心から感謝の気持ちでいっぱいです。