のぞみ寮通信

大望館

2009/06/21

大望館通信 第142号

<民族大移動>
 フェスティヴァルが終わってほっと一息。なんてしていられません。この作業は大変なもんです。この時に感じるはずです、いかに自分の物が整理できていないこと、不必要なものの多いこと、どうしたらなんであんなにゴミが出るんでしょうか?

 その理解に私は苦しんでいます。そして、今日の大掃除の事を想像しただけでブルーになります。そう、部屋替え。しかも今回は年に3度ある部屋替えで唯一全員が一斉に部屋移動する、まさに民族大移動。
 

 この民族大移動というネーミングを付けたの誰だか知っていますか?部屋替えの度にこうして通信に載せるとき、この言葉を使わせてもらっています。私が大望館の寮務教師として来た時に部屋替えの光景を見たとき、まさに大移動でした。そして思いました。これから本当にここは生活するスペースとして使用する事が出来るのだろうか?その時、寮の教師として一緒に働いていた野間先生、野間先生は(現在は学校で担任と宗教主任として働いていますが)、寮務教師を10年やっていました。その先生が、さらりと「こんなもんですよ。今年はまだましですね。」と言うんです。その野間先生が「民族大移動」このネーミングを付けました。以来数年間、部屋替えの度にこの言葉を使い、野間先生が寮にいた頃を懐かしく思い返しています。
 

 先生は更に続けて私に教えてくれました。「この大移動で、現大望生たちの力が見えてくるんです。今のこのひどい状況を、いかに早く手早くもとの状態に戻せるのかこれで見えてくるんです。数年前まで、この状況が中々戻らず、いつまでも続いてそのうちまた部屋替えの悪循環だったけれど、最近はすぐにもとに戻るようになりました。」
 さて、野間先生がいた頃の大望館と今の大望館。どれだけ進歩いや進化したか?今日わかります。今日の大掃除、期待しています。結果は次週へ・・・。(澤野)

 

<ブーム>
 今大望館はこれから若者で大流行するだろう髪形を予測して、何人かの生徒が時代の最先端を進んでいます。中にはいきなりそんな髪型にしたもんだから、日焼けをした者もいます。中にはフェスティヴァルカットをして直そうと思い、バリカンをあてたけれど、数ミリの髪が金に染まっているところと黒のところまばらで、ゴージャスなヒョウ柄。仕方なく、電動ヒゲ剃り頭にあてて、つるつる。「どうせ将来お坊さんになるから・・・。」なんてことブツブツ言ってましたが、でも確かに君ん家お寺だかだからね。だからって、何も今・・・。
 でも大丈夫だよ。多分ブームが来るからその髪形。髪に一生懸命油塗って髪型整えたところで、満足するのは、本人だけ。他人はそんな事何も見やしないよ。君たちのほうが男らしくてカッコイイよ。ドライヤーなんて要らないし、むしろそんなんしてたら熱くて大変なもんだヨネ。
 君達が最先端。その日を信じて・・・。(澤野)

 

 <礼拝のお話>
Y.M.(2年)
 皆さんの中で知っている人もいるかと思いますが、私の家系はアレルギー体質で私は花粉症、猫アレルギー、ほこりなどのハウスダストへの反応、食べ物は合成添加物はダメ、卵アレルギーも発祥しています。中でも卵アレルギーには一番気を遣わなくてはなりません。

 

 世の中の食べ物には「まさかこんなものにまで」と思わされるものに卵が入っていることがよくあります。パンの多くには卵を使っていますし、お菓子なんかにも卵入りのものがあります。例を挙げていたらキリがありません。うかつに人から貰ったものを食べると地雷を踏んでしまいます。そんなこんなで、私が食べられるものは皆さんのような一般人よりものすごく少ないのです。しかし、私が食べられるものが少ないということは、世の中はそれだけ卵に依存しているということでしょう。気がついていないんでしょうか?食べ物だけにとどまらず、人間関係でも同じことが言えるでしょう。友人や家族など知らず知らずのうちに依存しているのではないでしょうか?

 

 私たちは現在寮生活をしています。一年生も慣れたでしょうか?上級生は当然なれたことでしょう。そうしたら今度は寮生活によって卵アレルギーの私が卵を除去するように、家族と離れてその依存に気が付き、感謝するべきではないでしょうか?

 

私が気になるのは、電話口で親に向かって平気で投げかけられる言葉。「~だって言ってんじゃねえかよ!」とか「ざけんじゃねーよ!」とか。本当にそんなことでいいんでしょうか?余計なお世話かもしれませんが、少し自分の身のふりを考えたらどうでしょうか。見ていると情けなくて、恥ずかしいです。
 それに気が付き、改めて感謝することができたならもう一歩大人に近づけるのではないでしょうか?

 

<ひとこと>
 あえてY君の礼拝のお話を載せました。反抗期なんでしょうか?電話口で親に投げかけられる遠慮も何もない言葉。寮生活のストレスをそこで発散しているのかも知れませんが、それはあまりにも甘えすぎ。時々そんなやり取りを耳にすることがありますが、正直気分のいいものではありません。
 ありきたりの言葉を並べさせてもらいます。一体誰のおかげでここにいるんですか?金銭的な面では当然の事ですが、君たちは現在たった一円でさえ自分で稼ぐことはできません。親元を離れて誰からの援助も無く、自活していくことなんて到底無理なことです。何よりも、私自身も親になってよくわかりましたが、親が子を思う気持ちは計り知れないものです。君たち一人ひとり、親があってからこそ今があること忘れないでいてほしいです。
 そして、親孝行をしたい。そう思うんなら、いっぱい辛い思いして、しんどい思いして、楽しい思いもして、恋もして、ここでの生活を全うしてください。そこから得られた成長、それが何よりの親孝行です。(澤野)