のぞみ寮通信

のぞみ通信

2011/01/24

のぞみ通信 No.167(1月24日)

<御心のままに>             寮長 信田 智

 
今年新潟に来て34年目を迎える。何と、その内33年間校内に居住している。

いろいろな所で生活したが、私の人生の中で最も長く生活をしている場所が敬和学園の敷地内である。二人の息子は岡山で生まれ、2年間東京で暮らし、その後新潟に来て、さんび幼稚園、太夫浜小学校、南浜中学、敬和学園高校(21回、25回卒業生)と、敬和の敷地を拠点にして育ってきた。
初代校長太田先生に口説かれて、敬和学園に奉職するようになった最初の年は、近くの松浜に住んでいたが、妻が難病を患い6ヶ月間入院し、やっと退院できた。ところが、太田先生がお見舞いがてら家に訪ねてこられ、宗教主任として校内に住み、寮生の生活を見て欲しいと言われた。病み上がりの妻にとっては、精神的に荷の重い事であったと思うが、お断りできなかった。
 今は、二人の息子たちもそれぞれ独立して子供を授かり、東京で生活をしている。長男の子供は5歳になるが、故あって、今まで2回しか会っていない。その2回目が、去年の夏新潟に遊びに来てくれた時である。新潟駅で出迎えた時、彼女は何の躊躇も無く手を差し伸べ、喜んで手を繋いで歩いてくれた。やはり孫はかわいい。幼いなりに、おじいちゃんを喜ばす術を知っているかのようである。
 極め付けは、2泊目の夕方、「昨日はお父さんとお風呂に入ったから、今日はおじいちゃんと入ろうかな」と言ってくれたのである。たとえ年に一度会えるか会えないかであったとしても、子供達には子供達の家庭があり、生き方がある。彼らがそれで幸せに過ごせているなら、我々はそこに入り込んでいく事はしない。時が来て自然に交わる事が出来るようになるかも知れない。それはそれでまた喜ばしい事である。
親の責任は、神様から授かった子どもを成人させ、神様のもとにお返しすることである。それ以上に何を望む事があろう。すべての事は、主の許し無しに起こる事はないと信じる。だから、今の状態もまた神の許しの中にあるものと信じ、そのまま受け止めて、我々は自らの義務と責任を主のみ前に誠実に果たしていけば良いのである。そうすれば、主が必ず最善の道を開いてくださるに違いない。
3年生たちは間もなく、のぞみ寮での生活を修了し自宅学習期間に入る。寮の教師達は、破れもあり至らないところも多々あったが、今出来る最善を尽くしてきたと信じている。あとは主の御手に委ね、新たな飛躍を祈るのみである。
 
 
 
 

 
     寮生リレー通信  (第 84 回)
 

<光風>

『「楽しさ」しかり「大変さ」しかり』 W.J.(1年生 : 新潟県中央区)
 昨年の12月に寮生活における大イベントともいえる「寮クリスマス」が行われました。一年生が「飾り付け」を担当する行事だったので、最初は「ちゃんとできるだろうか…」と不安でした。「飾り付け」は全体のイメージにそって各館が別々に行うことになっていました。光風館では、最初は皆のやる気がなく、正直、私自身も乗り気ではありませんでした。それでも、クリスマスが近づくにつれて、一人ひとりが自分の出来る仕事を見つけて、それに取り組むようになってきました。でも、「飾り」の作成は思うようにいきませんでした。時間が迫っているのに、サボる人や人任せにして遊ぶ人が出てきたからです。それでも、「飾り付け」は当日に何とか間に合いました。会場となった「友愛館」の中は、各館の一年生が作成した「飾り」で、綺麗にデコレーションされることになりました。「寮クリスマス」は、クリスマス夕食会の後、クリスマス礼拝を行い、その後は「お楽しみ会」をしました。副ブロック長が司会をした「クイズ・ヘキサゴン」やコントでは、みんなの楽しそうな笑顔がたくさん見られました。「寮クリスマス」は、大変な行事でもありましたが、楽しい行事でもありました。
 
 
 
 

<めぐみ>

『寮クリスマス』            T.M.(2年 : 岐阜県郡上市)
 今年も、のぞみ寮クリスマスに向けて寮生は様々な準備をしてきました。
 1年生は、初めての学年に任された行事でした。一つのテーマを元にして、各館の副ブロック長が中心になって友愛館の飾り付けをしました。
 2年生は、3年生から受け継いだ仕事を、それぞれの委員会で分担し進めました。私は食事委員で当日の司会進行をしました。予定通りプログラムを進めるという事が、どんなに大変かと言うのを実感しました。他には、食事の準備や、プレゼントにしたクッキーの袋詰め、片付けなどがありました。
 1年生も2年生も、お世話になった3年生の最後のクリスマスがより良いものになるように、本当に頑張りました。皆が協力したお陰で思い切り楽しめ、ゲストの方々にも楽しんでいただけた、嬉しいクリスマスでした。
 
 
 
 

<みぎわ>

『3年間過ごしたから言える言葉』   U.K. (3年 : 新潟県燕市)
 3年間なんてあっという間。分かっていたはずなのに、寮に住めなくなって、友愛館でみんなとご飯も食べられなくなって、みんなで一緒にお風呂に入ることもできなくなるなんて、今の私には想像できません。3年間ってこんなにも早いのか…と感じずにはいられない今日この頃です。
 まだ、私の中では寮生活を終えるという感覚まで達していないので、当然部屋の荷物整理には手を付けていません。たぶん、ずっとここに居る気がして、やりたくないのだと思います。そのくらい寮の存在は私にとって大きかったという事です。寮生活の中で、自分では気付けなかった自分を周りの仲間たちが私に教えてくれました。また、間違っている時には正面から、そして真剣に指摘してくれました。その度に私は深呼吸し、自分のものにしようと必死でした。どのくらい自分のものにできたかは分かりませんが、幼い考えしか持っておらず、自分の事だけで精一杯だった入寮時に比べたら確実に成長できたのではないかと思っています。また、私はたくさんの人に支えられて生きているのだなぁと、寮生活を通して強く感じることもできました。特に両親と家族には感謝の気持ちでいっぱいです。いつも見守ってくれてありがとう。とても心強い存在でした。寮に入って、素直に感謝の気持ちを伝える大切さを学びました。寮生活はこれからの私の人生の中で、大きな糧となるのだと思います。
 3年間なんてあっという間。それは密度が濃く、充実していたから言える言葉でした。伝えきれない感謝をこめて…。私はこれから、前を向いて進んでいきます!
 
 
 
 

<大望>

『3年間』            Y.T. (3年 : 新潟県燕市)
  敬和での3年間はとても早く、そしてとてもたくさんの事を学ぶことができました。その中でも1番学んだことは支え合う事の大切さです。
 寮ではいつも近くに友達がいます。辛いことがあって1人でいたくない時、いつも誰かがそばにいてくれました。そんな関係が寮では当たり前のようにできていました。しかし、その関係を通生とつくりあげるのは難しく時間もかかると思います。そう考えると寮生の繋がりの強さとすごさを感じます。そんな繋がりの中みんなと共に悩み、はげまし合いながらまた、支え合いながら一歩一歩成長することのできたこの3年間の寮生活は僕にとって一生の宝物です。
 卒業するとみんながそれぞれ違う道に進みますがこれからもこの3年間で築き上げてきた繋がりを大切にしながらこれからの人生を歩んでいきたいと思います。
 
 
 
 

~スタッフより一言~

 遅ればせながら、新年、明けましておめでとうございます。2011年も「のぞみ寮生」が夢と希望をもって、強く逞しく成長していけるよう「のぞみ寮」スタッフ一同、寮教育に精一杯取り組んで参ります。本年もよろしくお願い申し上げます。
 新潟は毎日のように雪が舞い、寒い日が続いています。風邪を引く生徒が増えており、インフルエンザに罹る生徒も出てきました。十分な睡眠と食事をとり、体調管理をしっかりするよう指導しているところです。
 3年生が「自宅学習期間」に入ります。さまざまな準備に多くの時間を使って欲しいと思います。3月31日までは「敬和生」であり「のぞみ寮生」です。その自覚をもって3月末までの期間を過ごすよう、ご家庭からのご指導もお願いいたします。      

光風館担任 岩原寅太郎