のぞみ寮通信

みぎわ館

2011/02/14

みぎわ館 第69号(2月14日)

<今がチャンス!>
 
 「私って、本当に幸せ者なんです!」


 ある3年生が嬉しそうに言います。なになにどうしたの?と聴くと、自宅学習期間を目の前に、後輩からたくさんのプレゼントをもらったとのこと。プレゼントといっても、何か物をもらったという訳ではありません。
 「Yとお茶会することにしていて、行ったら私の好きな杏仁豆腐ならぬ牛乳寒を作ってくれてたの!その時点で狂喜乱舞していたのに、更に、前に好きだって話したイチゴタルトとミルクレープってケーキまで用意していてくれて!すごいでしょう!それからまだあるの!今度は、元部屋のYとMと(もう一人のYはお風呂だったんだけど)話ししよーって約束してて、行ったら、二人がソファーから出てきて『ありがとう〜ってつたーえたーくてー♪』って歌い出したのー!」と一気に話してくれました。
 後輩からの心のこもったプレゼント、何より嬉しかったことだと思います。そんなプレゼントが送れる1、2年生たち、素敵です。そんなプレゼントを送ってもらえる3年生、同室やその他で関わる後輩とも心が繋がる関係を築いてきた証拠ですね。先輩からたくさんの愛情をもらった1、2年生は、自分のテイストを加えながら、後輩に愛情を注いでいってくれることでしょう。
 

                  
先日、真剣な顔でカレンダーを片手にメモをとる1年生がいました。後輩を迎えるまで、どれくらいの時間があるのか数え、学年ミーティングを行う日を検討していたようです。1、2年生だけになったみぎわ館は、少し静かで寂しい気持ちにもなりますが、今が取り組み時です。新入生を迎える前に、自分達の学年のつながりや、みぎわ館全体のことをミーティングなどで話し合うことができる時だと思います。先に出てきた先輩のように後輩にどんなことを残せる自分になるのか考えてみるのも一つかもしれません。今あるチャンスを大切にし、生かしていってほしいと思います。      

(冨井)

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

<みぎわ生活> 

 

 1月31日(月)がとうとうやってきてしまいました。この日は3年生が実質みぎわ館で寮生活をする最後の日。2月末に帰寮しますが、その時は滞在日数2日間で「寮生活!」というものとはちょっと違う雰囲気です。(部屋もないし、なんだかお客さん気分…という声が昨年も一昨年も聞こえていました。)
 31日は午前で学校が終了し、午後からはみぎわ館にて最後の「まとめ合宿」でした。自分の部屋から全ての荷物を運びだし、隅から隅まで掃除をし、自分たちが出した引っ越しに関わるゴミの処分と、後輩たちへの感謝の気持をこめて共同場所の大掃除など。3時間程度の作業でしたが、さすがは3年生。段取り良くこなし、予定メニューをすべてクリアしてくれました。合宿の時って、チームワーク(その学年の関係性)がとてもよく見えるのですが、やっぱりそこは3年生。1年の時の合宿ではひと悶着あったりもしましたが(笑)、それからの年月と仲間との関わりがこうもチームを変えるのか!と驚かされたくらい素晴らしいチームワークでした。もちろん、チームが激変するには個人の大変身があるわけですから、一人一人の大きな成長もしっかり見せてもらえ、私にとってはとても嬉しい・頼もしい時間となりました。
 
 まとめ合宿のプログラムはこうでした。大掃除→一緒に夕食→礼拝→お茶会&夢を語ろう会→ご当地宴会→最後の夜を満喫!です。最初のプログラム、大掃除が終了した時私は「これでのぞみ寮での最後の労作が終わりです。」と言いました。すると、S.H.さんが「え!?私、今まで寮で労作したことないけど!」と発したのです。この言葉、聴いた瞬間びっくりしたと同時に、私の大掃除疲れはふっ飛び、とっても幸せな気持ちになりました。寮では働く機会がたくさんあります。それも毎日!のはずなのですが、Sさんのこの言葉です。3年間の寮生活を通して、いつの間にか芯から人のために働ける人になったのだなぁと、嬉しくなりました。
 3年間、気が遠くなるほど長いようであっという間。この3年間で親元を離れ、友と苦楽を共にする中で自分が磨かれ、生き方を見出していくのだと思います。それは寮生たちの人間関係に対する日々の努力、自分探しなどによるのですが、そこに「寮」という一風変わった環境でストイックに生活できるからこその大きな変化=成長なのではないかと、41stを通して改めて考えさせられました。
3年生たちのラストメッセージに共通した想いは、「いい事ばかりじゃない寮生活。だけど、乗り越えてこれたのは素敵な仲間と家族の支えのおかげ。ありえないこの3年間で自分は大きく成長できた。」と言う事でした。この環境に慣れ、仲間と打ち解けるまでに時間が掛かったと振り返る人もいましたが、今では貴重なものだったと実感してくれています。「自分らしさ」を追求した41st。「自分」であることを認め合える仲間とみぎわで出会えた喜びを今後の糧として歩んでほしいと思います。  

(森口)
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
<きっかけ>
 
 ある1年生が口にしたこんな言葉が私の胸を揺さぶりました。「いっぱい注意されたし、怒られたけど、先輩が私の『自分探し』のきっかけです。」と。これは、みぎわ館の3年生を送る会の時に1年生から3年生へメッセージを伝えた際、私の心に残った言葉の一つです。
入寮当時、みんなと自分は違う…そんな風に自分を斜めに見ていた彼女。初めて同じ部屋になった3年生から指摘を受ける毎日。厳しい・恐いと思っていた注意にも、この1年を掛けて、愛情や期待が込められていることに気付きだしました。そんな中、不意打ちでもらったバースデーカードに、人前では泣かない!と心に固く誓っている彼女の涙腺が緩み、極めつけはその3年生が聖書に残してくれた最後のメッセージ。みぎわで出会えてよかった・大好き・期待してる・とても大きく成長したね、など胸が熱くなる言葉で溢れていました。今、彼女はその全てを宝物とし、励みとし、寮生活をがんばっています。あなたによって私は変えられた。そんな風に感じられる後輩、感じさせてあげられる先輩、そんな関係をみぎわ館内で築き上げてくれた3年生たちには、心の底から感謝です。
仲間からたっぷりの愛情を受け、心が満たされ、受け入れられている喜びを感じ、自分でいいのだという自信を持てるようになると、その感情がほかの仲間への愛情・支えという形で表現されていきます。毎日それが繰り返され、とても優しい循環となってみぎわ館を潤してくれているのです。
先輩から受け継いだその優しい循環に、42nd・43rdの新たなエッセンスを加え、さらに素敵なものへと進化させていって下さい。   

(森口)