のぞみ寮通信

のぞみ通信

2020/11/04

のぞみ通信 2020年11月2日 第257号

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(題字 めぐみ館2年 S.Aさん)

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~ 全体礼拝前の一時、聖書と共に ~

 

 

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 10月22日(木)夜23時、私は寮生全員に次のように語りました。

「みなさん、こんばんは。今日は大切な報告とお願いがあります。よく聴いて下さい。

 昨日から今日にかけて7人の寮生が病院に通院しました。現在6名が寮内で隔離後、ホテルに移動となりました。症状は、微熱やのど痛などの風邪の初期症状ですが、なかには『味覚がない』と言うコロナ特有の症状を訴えている人もいます。

 それを受け、医師からは『当該生徒の新型コロナウィルス感染を前提とした動きをしてほしい』とのことです。すでに隔離をしていますが、万が一を考え、寮生全員が濃厚接触者であると考えなければなりません。さらに医師は『寮生全員、明日は学校には出席停止』と。明日以降、ホテルに移動した生徒のPCR検査を実施することになりました。その6名全員の陰性が確定するまで、残念ですが、学校には登校できません。受験や太夫浜コンサートを間近に控え、大変心苦しいのですが、医師の指示を経ての校長判断です。

 どうか皆さん、のぞみ寮生みんなの健康のためにお祈りして下さい。PCRに回った生徒たちのこと悪く言わないで下さい。好きで病気になっているわけではありません。このような時こそ、互いに支え合い、励ましあいましょう。お祈りします。(祈り)」

 この館内放送の後、内線電話が次々に鳴った。週末の予定や部活のこと、不安でたまらないといった寮生の動揺が伝わって来る。私は一つ一つ応答しつつ、やりきれない思いになった。隔離の生徒たちの症状は風邪の初期症状だ。寮では日常のこと。だとすると、この「緊迫した非日常」が、今後「日常」になるということだ!

 しかし、この残酷な非日常の中で、私にはもう一つの事実が確かに見える。それは、生徒を支える多くの温かい手だ。校医は、保健所にかけ合い、申込当日という本来あり得ない早さで寮生をPCRに回して下さった。保健所は、その午前中に検体採取に敬和まで来て、雨の中傘もささずに「今日の検査に間に合いそうです」と正午過ぎに出て行かれた。13時に保健所に着けば、明日結果が出るそうだ。校医と保健所の迅速なお働き、寮務教師の献身的な働き、学校教員のサポート。どれをとっても寮生を守るために注がれた温かい手だった。PCRの検査結果は全員が陰性でした。私だけがオロオロする中、導いて下さった神様の温かい御手を感じた3日間でした。保護者の皆さま、お祈りを本当にありがとうございました。

 

 

 

 

「世代交代~のぞみ寮と各館の年間テーマ発表!!~」

 

みそ汁~さまざまな具材の寮生いかがですか?~

のぞみ寮ブロック長長 N.H(みぎわ館2年・長野県)

 のぞみ寮のテーマは、ズバリ!「みそ汁~さまざまな具材の寮生いかがですか?」です。

 皆さんは“みそ汁”と聞いてどんなイメージを持つでしょうか?きっと多くの人が“温かい”イメージを持つのではと思います。このテーマには、みそ汁を飲んだ時に感じる“温かく”て“ホッとする”という願いを込めています。のぞみ寮が今よりもっと“みそ汁”のように“温かく”て“ホットする”安心できる場所であったなら素敵だと思いませんか?またサブタイトルの“ざまざまな具材の寮生”とは、のぞみ寮生の皆さん一人一人を指しています。具材には様々な種類、形、大きさ、味があるように、一人一人の個性あるのぞみ寮生が互いに互いを高め合って、それぞれの個性を大切にし合う。そんな願いを込めています。

 「テーマ」に込めた願いが実感できるよう“温かく”て“互いの個性を尊重し合え、ホッとできる安心な場所”と一人一人が感じながら、のぞみ寮の生活を過ごしていきましょう。

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「大望特殊精鋭部隊saSAT」

 N.Y(大望館2年・新潟県)

 大望館のテーマは「大望特殊精鋭部隊saSat」です。大望館52回生は8名と少ない中で生活をしています。しかし少ない中でも、ここまで生活しぬいた精鋭たちです。まさに精鋭部隊だと私たちは自負しています。「saSat」とは……「Sat」これは実際にある日本の警察の組織特殊部隊“SAT”を表しています。そして「saSat」これは“ささっと仕事をこなす”「ささっと~する」といった行動を目標としてこのテーマにとり入れました。

 テーマを表したポスターには、8名のメンバーが個性豊かにそれぞれに役職を遂行している姿を描きました。バラバラの役職ですが、それぞれに合った役職を描きました。専門分野に特化した精鋭たちが、1年間かけて大望館の基礎をさらに強くし、先輩たちが作り上げてきた大望館をさらに素晴らしく、素敵な館にしていきます。

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「今日もビビット光風館」

 S.K(光風館2年・長野県)

 光風館のテーマは「今日もビビット光風館」です。このテーマになった理由は二つあります。

 何か大きな衝撃を受けたかのような心理状態を感覚的に述べる言い方として「ビビットくる」という言い方があります。日々光風館の生活の中で“ビビット”くることが多くあるといいと 話し合いの中で出ました。これが一つ目の理由です。“vivid”には、「鮮やか」や「鮮明」という意味があり、日々鮮やかで卒業してからも鮮明に記憶に残る生活をしたいという願いを込めています。これが二つめの理由です。「今日もビビット光風館」のテーマに込めた願いを成し遂げられるように、光風館一同がんばっていきます。光風館をどうぞよろしくお願いします。

 

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「〜(から)」

 N.H(みぎわ館2年・長野県)

 みぎわ館のテーマは「~」です。「~」は私たちの道を表しています。例えば「~」の山になっている部分は、みんなで楽しいことをしたり、幸せを感じたり、うれしい感情を表しています。逆に「~」のへこんだ谷のような部分は、悲しいことがあったり、落ち込んだりと不安な感情を表しています。楽しかったり、悲しかったりと上がったり下がったりの私たちの道ですが、この道は決して一人では上げ下げできない道です。誰かが笑うからこそ周りも楽しくなり、誰かが落ち込むと周りも悲しくなります。仲間がいるからこそこの「~」の道は途切れることなく続いています。

 また、「~」にはもう一つの意味があります。それは聖書「ルカによる福音書6章31節『人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい』」という一節です。これは、思いやりを大切にしようという意味です。思いやりは、人と人をつなぐ大切な行動だと思います。自分のことも考え、他者のことも考えて行動することは簡単なことではありません。しかし、思いやりをいつも大切にしているみぎわ館は本当に温かいと思います。これからもこの温かい館が続いていけるように思いやりを大切にしていきたいと思います。テーマを手形で表したのは、これからの館をリードしていく52回生13名の個性を表しています。性格も育ちも全く違う13名ですが、笑ったり泣いたりしながら、優しくて温かいみぎわ館の道を歩んでいきます。

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「プロフェッショナル~愛の流儀~」   

 A.F(めぐみ館2年・福島県)

 めぐみ館のテーマは、「プロフェッショナル~愛の流儀~」です。私たちは、このテーマを決めるにあたり、めぐみ館をどういう館にしたいのかを話し合いました。話し合いでは、思いやりや気遣いを大切にしたい、帰って来たいと思える館にしたいという意見が出ました。私たちの行動一つひとつ全てが仲間のことを想って行うことができれば、そのような館にすることができると気づきました。それは、つまり「愛」なのだと私たちは考えたのです。愛が無ければ、仲間を平気で傷つけてしまいます。協力もしません。仲間なんてどうでもよくなってしまいます。しかし、愛があればみんなが過ごしやすく、安心できる館がつくれる、そう考えました。また、みなさんは寮生活のプロフェッショナルと聞いてどんな人が思い浮かびますか?掃除がきちんとできる人、礼拝をまじめに受ける人……このような人を思い浮かべるかもしれません。これらも、もちろん大切なことです。ですが、掃除がきちんとできる+「愛」を持ってこそ、寮生活のプロフェッショナルと言えるのだと、めぐみ館52回生は考えました。一人ひとりが寮生活のプロフェッショナルになることで、寮全体が明るく、素敵な寮になるはずです。みなさん、私たちが寮生活のプロフェッショナルになれるよう、どうか見守っていてください。

 

 

 

 

寮生リレー

「骨の代わりの支え」   

 O.Y(大望館3年・東京都)

 今でも忘れません。私はフェスティバル2日前に左腕を骨折しました。フェスティバル関係のビデオをとっていた時に調子に乗ってはしゃぎ転んだことが原因でした。私の左腕は箸を使ってものを食べることやネクタイを結ぶこと。さらには1人でお風呂に入ることすらできない。つまり左腕を骨折したことで日常の生活で当たり前にできていたことが、できなくなってしまったのです。誰かの力を借りないと何もすることができない。申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 しかし、のぞみ寮生の「優しさ」「思いやり」を強く感じさせる出来事にもなりました。ネクタイを自分で結ぶことができなく困っていると同じ部屋の友達が毎日のように結んでくれました。一人で入ることのできないお風呂、私の後輩が自ら進んでサポートをしてくれました。それだけではありません。どうやら私は運が悪いようで、この骨折期間に部屋の蛍光灯が切れてしまいました。すると友達が私に代わって切れた蛍光灯を新しいものに変えてくれました。

 日常生活の中で左腕が使えないとこんなにも生活しづらいものだとは想像もしていませんでした。しかし不思議と生活ができないわけではありませんでした。そこにはのぞみ寮生のサポートや励ましがあったからだと思っています。寮の友達がこんなにも私のことを想ってくれていることにあらためて感動しました。

 本当に感謝しています。ありがとう!

 

 

 

GAP ~We can be.  Let it be. ~」

 S.R(みぎわ館1年・新潟県)

 みぎわ館の館テーマが「~(から)」だと言うこと、そしてそこに込められた熱い想いを先日ブロック長から発表されました。館テーマ通りの館にみんなでしていきたいと思わされました。そして、2年生が館テーマ決めをしていると知り、私たち1年生も先輩たちを真似て1年生の学年テーマを考えました。これからの1年、館テーマも学年テーマも大事にみんなで一緒に歩んでいきたいと思っています。

 みぎわ館1年生の学年テーマは「GAP ~ We can be.  Let it be. ~」です。まず、GAPとは、新たな一面を知るという意味です。今でも仲の良い私たちですが、一緒に過ごしてきてまだ半年もたっていません。お互い、まだまだ知らないところがたくさんあるはずです。だからこれからもっともっと仲を深め、相手を知ることで仲間のことをより理解したいと考えました。そうすることで、みんながもっと寮で心地よく過ごせると思います。

 次にWe can be. Let it be. の意味として、私たちは何でも出来るから、とにかくやってみよう!という意味です。私たちの可能性は無限大です。だから、私たちは私たちらしくみんなの手を借りながら、色んなことに挑戦し、一歩・二歩・三歩と突き進むことで私たちらしい何かがきっと見つかる、そんな願いを込めました。

 私たちみぎわ館53回生は、「GAP ~ We can be.  Let it be. ~」を学年テーマに掲げ、みんなで励んでいきます!

 

 

 

 

【教師からの一言】   男子寮 片岡 自由

 各館で委員会の引き継ぎが行われる、この時期を世代交代と呼んでいます。世代交代によってひとり一人がやる気に満ち溢れ、館内の雰囲気もグッと変わってきます。コロナ対策のため様々な制限がある中でも知恵を出して話し合いを進める寮生の表情は活き活きとしています。世代交代と共にのぞみ寮生の温かさも引き継がれていくことを感じ、胸が熱くなります。今後の歩みも守られるように祈ります。